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偽りの白薔薇王女と二つの魂  作者: 春夏秋冬
第二章『前期試験編』
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第八話『学園襲撃事件その後と影響』

 学園襲撃事件から二週間ほどが経っていた。

 久しぶりに学園に登校したあいなはクラスメイト達と交流していた。

「アイナちゃん!久しぶり!」

「ティティアちゃん!!久しぶり!!」

「全く朝から騒がしいですわね」

「み、みなさん……。おは……よう……ございます」

 相変わらずの高飛車ぶりを発揮しているロベリアと姉の陰に隠れながら話すエリーの二人も元気そうにしていた。

「そういえば先日の件で、しばらく学園をお休みになっていられたそうですが、よく復学許可が降りましたわね」

「あー、実は……」

 ロベリアに学園襲撃事件後のことを聞かれ、脳裏に思い返していた。


 ——学園襲撃事件後 王邸にて

 帰路に着くと、すぐさま母親であるアマリリスが駆け寄ってきた。

「アイナ!無事だったのね……。学園で事件が起きたって聞いた時には心配で……心配で……」

 ――いっぱい心配させちゃったな。

「心配かけてごめんなさい」

「いいのよ。あなたが無事で居てくれただけで……。それにシラユリも無事で」

「わたくしはすぐにクランセラーと合流出来ましたから問題ありませんでしたわ」

「そうなの?クランセラー良くやったわ」

「近衛騎士団統括団長として当たり前のことをしたまでです。残念ながら、アイナ様は自らお戻りになられるまで見つかりませんでしたが……」

 あいなは痛いところをつかれ、あははと愛想笑いで誤魔化す。

「気にしないでください。わたしが方向音痴で迷子になっちゃったから……」

「そうはいきません。アイナ様達を守るために我々が居ますので」

 ――そっか。やっぱり王族ってそれだけの立場なんだよね。中々慣れないな……。

「それはそうと、二人ともしばらくは学園に行くのは休みなさい。こないだのことと言い今回の件と言い何があるか分からないわ。せめて近衛騎士団の他の団員が揃うまではね。クランセラー一人では対処出来ないことはないと思うけれど、人が居ることに越したことはないわ」

 どう返答しようかと少し悩んでいると、シラユリが今回はお母様の指示に従いましょうと小声で囁いてきた。

 分かったとアイコンタクトで答える。

「わかりました」

 

 ——そして、現在。

「なるほど。それでやけに警備が凄いことになってたと」

 ティティア達はあいなからの話を聞き、朝の警備の凄さを思い返していた。

「ところで、話は変わりますけど、お二方は今年の前期試験については聞いておりますの?」

 ――前期試験?そんなのがあるんだ。なんか普通の学校ぽい行事だなぁ。筆記とかかな……?

「いつもは魔力テストみたいな感じとは聞いてるよ?」

 ――え?

 自身の想像とは違った答えを貰ったあいなは聞き返す。

「ま、魔力テスト??筆記試験とかじゃなくて?」

「ええ。毎年本来であれば、魔力テスト程度のものでしたが、今回は侵入事件もありましたから試験を新しくするという噂を耳にしましたわ。筆記など試験ではほとんどやりませんわよ?」

「……き、聞いた話だと、チーム戦って言ってました」

「へぇ……?楽しみだねアイナちゃん!」

 ――どうしよう。よりによって魔法で戦う試験か。今の私でもどうにかなるかな……?

「あぁ……うん。そうだね」

 雑談をしていると、教室にレグルスが入ってくる。

「何を呆けている。席につけ」

 レグルスが一喝し、皆席につく。

「あの人は誰……?」

 突如入ってきた人物に対して、何も知らないあいなは隣に座っていたティティアに小声で聞く。

「そっか。アイナちゃん居なかったもんね。あの人はレグルス・テイルズ先生だよ。私たちの担当の先生!」

 ――あの人がそうなんだ。

 それにしても、なんか凄い見られてる気がするけど……。

「既に聞いている者もいるだろうが、今月末に前期試験を行う。試験内容に関しては、魔法戦闘だ。細かいルールとかは当日に発表する。ただ、形式だけ言っておくと、一人をリーダーに据えて、メンバーを選んでのチーム戦。バトルロワイヤルだ。チームリーダーも当日発表する。以上だ。質問がなければ授業に移る」


 授業も終わり、帰り支度をしていると、ロベリアが声を掛けてきた。

「授業前の先生の話聞いていました?」

「まぁ……うん」

「ま、わたくしがリーダーに選ばれるのは分かりきったことですが、貴方は王族だから選ばれる可能性が高いでしょうね」

 わざと、嫌味めに言ってくる。

「ちょっとその言い方はないんじゃない?」

 ティティアがあいなを庇うと、話を聞いていたクラスメイトが割って入ってくる。

「そうでもないでしょう。王族である程度、特別視されるのは当たり前でしょう?」

「ふん。そもそも、オレ様はこないだの侵入事件のことだってオマエのせいでオレ様達が巻き込まれたんだと思ってるからな」

 ――わたしのせい?

「王族……選ばれるの……当たり前」

「はんっ。何にしてもよ。オマエがチームリーダーになれるくらい強ぇのかよ?王族ってだけでリーダーになるなんて納得いかねぇな。もしそうじゃねえってなら証明してみろよ」

「証明って…どうやって?」

「この学園の地下には、今は使われてない闘技場があんだよ。そこでオレ様と一対一(タイマン)貼れや」

 ――なんか、凄いことになってきちゃった。別にリーダーになりたいわけでもないんだけどな……。でも、話聞いてくれなさそうな感じじゃないな

「うーん?戦わないとダメ?」

「逃げんのかよ?」

「正直チームリーダーとかは興味ないけど、戦わないとダメなら戦うよ」

「なら、準備できたら地下闘技場こいや。待ってるからな。逃げんじゃねえぞ」

「アイナちゃん。本当に戦うの?」

「成り行きだけどさ、仕方ないよね。どうにかするしかないかなって」

 ――また戦ったのバレたらシラユリちゃんに怒られるだろうけど、ここまで言われて引き下がるわけにも行かないから仕方ないよね……?

 

春夏秋冬(ひととせ)です。

第八話ご覧いただきありがとうございます。

あとがきに書くことでもないかもしれないですが、先日X(旧Twitter)などから読んでいただけて、初めて感想もいただいてとても嬉しかったです。モチベーションにも繋がってこれからも頑張ろうと思いました。

これからも応援のほどよろしくお願いします。

感想等お待ちしております。

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