第四話『移ろいゆく戦場』
——時は遡り、あいなが戦闘を行う少し前。
——場所を移し中庭から少し離れた校舎一階。レグルスの指示が教諭達に飛んだあと。
ブランシュ教諭とウル教諭は逃げ遅れた生徒達の避難を手伝っていた。
「ブランシュ教諭。あちらに怪我されている生徒達が数名います」
「ええ。見えています。ですが、左手側に獣たちが居るようですね。」
「私が迎撃します。空間魔法 開く者」
両手を広げる動作をとり、獣たちが範囲に入ると再び魔法を発動させる。
「空間魔法 閉じる者」
すると、獣たちのいた空間が閉じるように圧縮され、悲鳴もなく消える。
「白回復魔法 癒しの守護者」
みるみるうちに怪我をした部分が治っていく。
「すげぇ……」
「うぉぉぉ!!」
周囲は称賛と歓声に包まれる。
「あなたたちを中庭に移動させます。空間魔法 繋ぐ者」
「他に逃げ遅れた人はみてない?」
生徒たちは問いかけに対し首を横に振り、そのまま空間魔法で中庭に避難する。
避難した生徒たちを見送り、他の場所へと移動しようとしたその時、ウルが異質ななにかに気づく。
「ブランシュ教諭!」
「ええ。いくつもの凄まじい魔力……。いったい何が起ころうとしているの……?」
「この方角は中庭?それに、クーベラ教諭のいる校舎の方?どうします?戻りますか?」
「あの二人のところであれば問題ないでしょう。ただ、中庭には生徒たちを避難させています。生徒が居ては、レグルス教諭は本気が出せないでしょう?」
「それでは我々は中庭に戻り生徒たちの安全を……」
「いえ……。まだ他にも逃げ遅れが居るかもしれない。わたしを中庭に飛ばしてくださる?貴方は残りなさいなウル教諭」
「分かりました。お気をつけて」
ブランシュを中庭に送ると、自らは周囲を散策し、逃げ遅れた生徒が居ないことを確認して周る。
——場所は移り、学園校舎内三階廊下
――不審者は居ない。だが、学園全体にバリアが張られている以上なにかあるはず。もし、侵入者がいると仮定するなら、初動で生徒達に被害がなかった。つまり、生徒以外に目的がある。それなら人が最初に退避する上の階のほうから侵入するはず。
クーベラが校舎内を索敵していると、三階の廊下で人を見つける。
「あら。教師かしら?見つかってしまっては仕方ないわね。排除するわ」
「不審者を確認。戦闘を開始する」
不審者の女は硝子のような鉱石を飛ばす。
クーベラは木刀で全てたたき落とす。
高さを変え、軌道を変え、死角からも放たれた鉱石が襲う。
それでも木刀は一度も遅れを取らない。
「やるじゃない。魔力がないくせに」
「魔力がなくても対等に戦えるように訓練しているからね」
「硝子魔法 硝子の踊り子」
踊り子の姿をした硝子細工がクーベラを襲う。踊り子に加えて、鉱石を飛ばす攻撃、さらには硝子で出来た剣でクーベラに襲いかかる。
けれどクーベラは全てをいなし続ける。
「ふーん。魔法も無しに流石の一言だけれど、いつまで保つかしら?」
クーベラは相手の質問には答えず、何かを気にするかのように目線だけを動かす。
「……っ!」
クーベラは相手の苛立つ隙を逃さず、一気に懐へと飛び込む。
木刀を腰まで引く。そして前へと突き出す。さらに腕を捻るように一気に振り抜く。
「剣技クランセラー流 廻天」
クーベラの一撃は相手の魔法を全て薙ぎ払い、その勢いのまま鳩尾に叩き込む。相手は膝から崩れ落ち倒れる。そして木刀も一緒に壊れる。
「……少し強めに撃っちゃったか。はあ。それにしても木刀一本無駄にしちゃった」
――こいつ一人じゃないだろうし、とりあえずウルちゃんのところまで行って木刀と引き換えにこいつ渡して索敵続けるか。
改めまして、春夏秋冬です。
第4話ご覧いただきありがとうございます。
まだ拙いところもございますが、頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします。
感想等お待ちしております。




