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偽りの白薔薇王女と二つの魂  作者: 春夏秋冬
第二章『前期試験編』
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第十一話『作戦会議』

 チーム編成が終わり、三十分の作戦会議の時間が設けられた。各チーム別々の部屋に案内される。

 各部屋はそれぞれ十畳くらいの広さがあり、部屋の真ん中には長机と椅子が置かれていた。長机の横には大きめなスライド式モニターも設置され、そして机の上には人数分のリングが用意されていた。

 あいな達は部屋に入ると、そのまま各自椅子に座る。あいなはレグルスから受け取ったマップを広げ、細かいルールも確認していく。

「マップは……結構広いね……」

 ――普通に都市ひとつ分くらいありそう。ルールブックは何が書いてあるんだろう。

 ルールブックには箇条書きでルールが書き込まれていた。チーム全員が覗き込み、それぞれが一文を読んでいく。

「えっと……、一つ。試験時間は五時間。最後の一チームになるまで行う。または試験時間が終了するまで行う。また武器等の持ち込みは可能とする。ただし、普段使用しているものに限る」

「一つ。チームリーダーは三ポイント、その他メンバーは一ポイントとする」

「一つ。試合開始時は、全員バラバラにランダムな位置での転移となる」

「一つ。戦闘不能の有無はマップ各所にある映像を観ている教諭の判断によるものとする。尚、戦闘不能後の過剰な攻撃は、失格と見なす可能性あり」

「一つ。チームリーダーはチームメンバーに何故選んだのかを簡潔で良いので説明すること」

 ――つまり、各自で敵撃破狙ってもいいし、合流優先して皆で戦ってもいい。転移場所によっては有利になったり不利もあり得る。チームリーダーは三ポイントで高いから極力倒されないようにしなければならない。って感じかな?

 ルールブックを読み終え、情報を整理して、顔を上げるとチームメンバーがアイナを見ていた。

 ――チームメンバーを選んだ理由を説明する……か。どう言えばいいかな。

「……えっと、上手く言えるか分からないんですけど、まず第一プールでカルミアさんを選んだのは、残っていたメンバーの中で一番魔法の扱いが上手そうだったからです。授業中、魔法の扱いを見ていても魔力の込め方が上手いし、精度も凄いなって思ってたからです。あとは私の直感です。次の第二プールのサーシャさんは……その……」

 少し言い淀んでいると、あいなの気持ちを汲んだのか、サーシャが口を開く。

「私が残っていたからだね」

「う、うん。」

 少し気まずく思い、そそくさと次のティティアとロベリアを選んだ理由を説明した。

「次の第三プールでは、ティティアちゃんかエリーちゃんで迷ったんですけど、前二人の魔法属性が分からなくて、機動力が欲しいと思ったからです。ティティアちゃんなら空間魔法で移動もしやすいし、戦闘面でも期待出来るなって思いました。それで、最後のプールでロベリアちゃんを選んだのは、そこまでのチームの編成的には、誰が入ってもバランスが崩れるってことはなさそうだと思ったので、ロベリアちゃんを選びました。……そんな感じです。あと、私は王族ですけど、フランクに話してください」

 あいなが説明を終えると、一番最初に口を開いたのは意外にもカルミアであった。

「ちゃんと話すのは初めましてですよね。自分はカルミア・フルグル。魔法属性は氷と雷です。得意なことは基礎的な魔法戦闘であれば何でもって感じです」

 ――二属性!前にシラユリちゃんや授業で言ってたっけな。基本は一人につき一つの魔法属性だけど、稀に複数の魔法属性を持っている人がいるって。確かそういう人達を二属性持ち(ツインズ)って言うんだっけ。

 初めて会う二属性持ち(ツインズ)のカルミアに驚いていると、サーシャも続けて自己紹介をする。

「私はサーシャ・ケレリタス。魔法は速度魔法。上限はあるけれど,自在に自身のあらゆる速度を変えられる魔法。得意なのは特にないけど、足を引っ張らないように頑張るよ」

「じゃあ次はわたしがするね!ティティア・ウェアです!空間魔法が使えます!頑張ります!」

 ティティアが元気いっぱいの自己紹介をしたおかげか、少し場が和んだような気がした。

「わたくしは……ロベリア・ヴァレンテですわ。魔法属性は炎。戦闘面はお任せくださいな」

 言葉とは裏腹に少し元気がなさそうなロベリアに、ほんの少し違和感を覚えるが、制限時間もあるため、そのまま自己紹介をする。

「改めて、私がアイナ・アリストです。魔法は植物魔法です。はじめてのリーダーですけど、精一杯やるので手伝ってくれると嬉しいです」

 軽く全員の自己紹介が終わると、カルミアが提案をする。

「あの、作戦なんですけど、メンバー的に戦闘が得意な人が多いので、開始後は合流より各個撃破のほうがよくないですか?決定権はリーダーのアイナさんにありますが……。どうでしょう?」

 ――うーん。確かに戦闘得意な人が多い編成だけど、私もまだまだ戦闘ができるってわけじゃないから合流もしたいけど……。合流か……。各個撃破か……。

 あいなは渡されたマップをよく確認する。

 ――マップは円形で、半分は住宅街?みたいな感じなのと、デパートがあるな。川を挟んで、もう半分はこっちは砂漠のオアシスに砂漠都市って感じなのかな?

「ごめんなさい。合流優先させたいです!理由としては、マップ自体どんなところか分からないっていうのが一つです。あとは、スタート時にデパートとか側だった場合、お互いに隠れ続けて、戦闘にならない可能性が高くて時間無駄にしちゃうかなって思います。砂漠側でも移動の不便さや視界不良等を考えると、皆砂漠ではなくて住宅街に逃げ込むと思います。それなら住宅街と砂漠の繋ぐ橋……その住宅街側で合流して倒すのがいいかなって考えです」

 それを聞いたカルミアは少し考えて頷く。

「確かにそうですね。敵を倒すことだけ考えてました。ただ合流前に対敵したら、逃げに徹した方がいいですか?」

 ――うーん。

「一対一なら相手との相性考えて逃げも選択肢としてとって欲しいです。そのまま戦ってもいいです。ただ二対一とか数的不利を貰うようなら、逃げ一択で行きたいです」

「わかりました」

 カルミアが再度頷くと、他のメンバーたちも同様に納得の頷きをする。

「わたしもそれで大丈夫だよ〜」

「それで行きましょう」

「わたくしも賛成ですわ」

 ――うん。あとは実際に転移後どうするかだなあ

「それじゃあ!皆!勝ちに行くぞー!」

「「「「おー」」」」

 

改めまして、春夏秋冬(ひととせ)です。

第十一話ご覧いただきありがとうございます。

これからも頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします。

感想等お待ちしております。

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