26話 優しかったのに
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灰「うーん、なかなかメンタルがやられてるね、
メンタルも回復魔法で回復できたらなぁ〜」
あれからあまり記憶がない。
今はアルフさんに連れられて、灰さんのクリニックにいる。
黒白「いつでもカウンセリングは受け付けてるし、
魔力を抑える薬も出しとくからね…お大事に。」
青葉と私が住んでいた部屋は血だらけになり、
刀で壁を切った跡などのせいで住めなくなってしまった。
団地の管理人さんは私に容赦なく賠償金を請求してきた。
請求額が高くてこんなに辛いのに、
仕事を増やさなければならなくなった。
そんな私にアルフさんは仕事をやめさせてくれて、
賠償金も払ってくれて家に住まわせてくれている。
フォリエルちゃんも私を心配してくれている。
深夜、フォリエルちゃんがすやすやと寝息を立てている。
アルフさんはあの日、出会った日のように
ココアを淹れてくれて私に差し出してくれる。
アルフレッド「薬は飲んだか。」
涼音「今から飲むよ。」
熱々のココアで薬を流し込む。
前の私なら絶対熱いココアで薬なんて飲めなかったが、
今は心が疲弊していて熱いとか冷たいとか感じない。
アルフレッド「そんなに一気に飲むと喉を火傷するぞ」
涼音「止めないで!」
最近の私はいきなり大声を出してしまう癖がある。
いきなり涙が溢れてきちゃうし怒りたくなる時がある。
あと…意識が飛ぶことがあるようになった。
アルフさんにそれを言うと、
「オーバーフロー状態」になる寸前の症状らしい。
私、正気を失って誰かを傷つけたくないよ…。
アルフレッド「今はそんな気分か、夜空を見に行かないか。」
涼音「…行く。」
私はアルフさんに手を引かれ、暗い森を抜けて、
草原へと出た。
アルフレッド「今日は雲が少ないから夜空が綺麗だと思う。」
エスケープの夜空は田舎の夜空みたいに綺麗だった。
でも、綺麗だから何。流れ星は流れてくるの?
流れてきて青葉と和輝さんが戻ってきますようにって
お願いしたら2人は戻ってくるの?
そう考えていると目から涙が溢れてくる。
アルフさんはそんな私をそっとしてくれる。
アルフさんって、不器用だけど優しいよなぁ…。
…あれ、私、アルフさんのことが好き?
だってこんなに優しいし私のために色々してくれた。
なら、アルフさんも私のこと好きなんじゃないかな?
きっとそうだ、きっと…私とアルフさんは相思相愛。
アルフさん、私を受け止めて…。
私はアルフさんに近づき、キスしようとした。
夜空を男女で見るって、そういう雰囲気だよね?
お互いの唇が触れそうな時…。
アルフさんが私の口を手で塞いだ。
アルフレッド「…涼音、今何しようとした?」
涼音「…キスだよ、私、アルフさんのことが好き。」
アルフレッド「その気持ちは嬉しい、が、
俺には好きな人がいるんだ。
だから気持ちには答えられない。」
涼音「誰、その人。」
アルフレッド「それは言えない。」
あー、アルフさんも私のこと嫌いなんだ。見捨てるんだ。
涼音「もういい!」
私はアルフさんをその場に置いて逃げた。
アルフさんは追いかけて引き止めてきたが、
私は魔法でアルフさんを攻撃した。
そしてアルフさんを撒いて私はひとりぼっちになった。
次第に意識が…遠のいて…いく…。
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