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リュウガミ村の呪い

「そんな呪いがあるのか……。


 ところで、その呪いについて詳しく聞かせてくれないか?」

 私はミナミに聞いた。


「……はい。それはちょうど三年前でした。




 三年前、この村では、村で取れる農作物の半分以上が枯れてしまって、不作に襲われました。もちろん、農作物がとれないと、お金が稼げませんでした。その年は、この村の漁師さん達に食べ物やお金を分け合って、その冬は過ごすことができました。それに、次の農業を始めるにはまたお金が要りますから、それも漁師さん達から借りることになりました。


 ですから、次の年は不作になってはならないと思っていた所でした。そんな時、都市の方へ出かけると、とってもいいものを見つけたんです。それは農作物の育ちが良くなる”魔法の粉”を売っていたんです。


 私は怪しい気もしましたが、ものは試しと買ってみることにしました。すると、その年は農作物がたくさん実りました。それは、この村で一年の内にとれていた農作物の二倍以上の収量となる大豊作でした。これは魔法の粉のおかげに違いないと思いました。


 ですが、隣の村も、その魔法の粉を取り入れていたので、お金で見ると、そこまで稼げませんでした。それに、漁師たちに借りていたお金の返金もありましたから、結局、あまり、生活はよくなりませんでした。


 なので、次の年は、もっと農作物を作らないといけないと思って、その魔法の粉をその前の年の倍の量を畑に撒いたんです。そしたら、農作物は全然育ちませんでした。


 そして、隣の村は去年よりも多いの農作物がとれていたので、私達の村の農業は余計に追い詰められました。さらに、前回の不作の時に、助けていただいた漁師さん達も不漁で、私達を助けている余裕は無いようでした。それも、その不漁がただの不漁ならいいのですが、そうじゃなかったんです。


 青い海が血で染まったように、赤くなったんです。


 その赤い海には、魚たちの死骸が浮き、生きた魚は全く獲れなくなってしまいました。幸い、海が赤くなったのは、浅瀬だけだったので、遠くの海に出てようやく魚を捕ることができましたが、それでは作業効率が悪く、その結果、漁業での稼ぎも悪くなりました。


 その年は村全体の貯蓄を切り詰めて、何とか冬をやり過ごすことができました。しかし、村の貯蓄はそこをつき、農業を始める資金すらもありませんでした。


 そんな時、隣の村の村長がある人物を連れてこの村を訪れました。その村長が連れてきた人物というのが、呪術師の方でした。その呪術師はこの村に着くなり、私に言ったんです。


 この村は神様が怒って、呪いをかけられているって


 私は信じるしかありませんでした。だって、農作物が育たないならまだしも、海が赤くなるのは、神様が怒って、呪いをかけているとしか思わなかったんです。


 そして、その呪術師が言うには、呪いを解くには以前よりも神様へのお供えを増やし、祈りを捧げるように伝えました。そのお供えと言うのが、魔法の粉でした。大地の神様の怒りを買っているので、魔法の粉をより供えることで、この状況は改善できると言いました。


 しかし、私達には魔法の粉を買うお金も、農業を始めるお金もなかった。なので、そのことを話すと、それを聞いていた隣の村の村長さんが、そのお金は貸すと言ってくれました。


 その後、その村長さんは、私達にまた農業を始めるお金と魔法の粉のお金、そして、稼ぎが出るまでの私達のお金も貸し出してくれました。そして、私達はその村長さんの助けもあって、また、農業を始めることができました。そして、今度は魔法の粉を去年よりも多くして、私は畑に毎日祈りを捧げました。


 でも……。」

「農作物は育たなかった。」

「そうです。農作物は何度植えても、芽すら出さない。そして、海はさらに、赤くなっていく。


 そして、隣の村の村長さんもこの村の呪いが強くなっていることに気が付いて、私達へのお金の貸し出しを止めると言いました。それに、貸したお金もすぐに返すようにと言ってきたんです。


 それが一昨日のことです。


 鹿の肉を売って、何とかお金を作っていますが、今年の冬を越すことができるかどうか分からないんです。」

 そう言って、ミナミは涙を流した。そんなミナミに私は言葉をかけた。


「なるほど、大体理解した。


 ……その魔法の粉とやらは、今、あるのかな。」

「はい、毎日、畑に撒いていますから。」

「じゃあ、一応見せてくれないか?」

 そう伝えると、ミナミは玄関の方へ向かうと、玄関の端に置いてある木箱をこちらに持ってきた。そして、私の前に置くと、木箱を開けた。すると、その木箱の中には、白い粉がパンパンに詰まっていた。私はその白い粉を指で摘まみ上げると、その指を口の中に入れた。


 ミナミ達は驚いている様子だった。それも気にせず、私はその白い粉を舌の上で転がした。そして、味わった後、その白い粉を飲み込んだ。


「なるほど、やはり、魔法の粉は”肥料”か。」

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