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私とGPTさんの千夜一夜物語  作者: テスト


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0063.茶道 × レオナルド・ダ・ヴィンチ × ハリケーン

正式名称、理化学研究所・認知存在工学研究センター。

通称、「理研第九地下棟」。

RIKEN の敷地内でも、地図に載っていない区画だった。

表向きの研究テーマは、「高次認知干渉計測」。

だが内部では、もっと単純な呼び方をされていた。

「存在値測定」


始まりは些細だった。


脳科学チームが、奇妙なデータを発見したのだ。


人間は"重要だと思っている物"を見たとき、視覚野だけでなく、時間認識系や身体位置感覚まで同期的に反応する。


しかも対象によって、反応の"深さ"が違う、、、家族写真/卒業アルバム/遺骨/宗教画。


単なる感情では説明できない。

「その物が、どれだけ現実へ食い込んでいるか」の差が存在していた。


理研は最初、それを情報密度の問題だと考えた。


だが違った。


ただ情報量が多いなら、百科事典が最強になる。

現実には、焼け焦げた古い指輪一つのほうが、人間の認知空間を深く歪める。


そこから、ある仮説が立てられた。

「存在には質量に似た"認知重力"がある」


研究は機密化された。

- 第二次世界大戦の遺物

- 被爆遺品

- 宗教遺物

- 歴史的凶器


あらゆる対象が測定された。


結果、存在値が高い物体の周囲では、偶然の偏りが発生していた。

- 人が沈黙しやすい

- 時間感覚が乱れる

- 視線が固定される

- 無意識に距離を取る


微弱だが、統計的には否定できない。


理研は、存在値を単なる心理現象ではなく「認知場」として扱い始めた。


そして開発されたのが、存在値検出装置。


巨大なリング状量子干渉器と、脳波同期観測装置を組み合わせた、世界初の"認知重力計"だった。


存在値指数。通称、E値。


通常の美術品は10~20。国家的遺物で30台。宗教的聖遺物で40。


だが、自然災害は別格だった。


巨大災害は、数百万単位の記憶、恐怖、映像、死、社会変動を巻き込み、人類認知へ"傷跡"として刻み込まれる。


関東大震災、E値51。

チェルノブイリ、E値64。

スマトラ沖地震、E値71。


数字は規模だけでは動かなかった。

映像があるか。世界が同時に見たか。国家が揺らいだか。

そういった要因が、E値を押し上げた。


そして、一つだけ異常な値が存在した。


ハリケーン・カトリーナ。

- 都市機能崩壊

- 略奪映像

- 水没した家

- 屋根で救助を待つ人々

- 国家の無力感


それらが全世界規模で共有され、カトリーナは単なる台風ではなく「文明の破綻イメージ」として人類意識へ固定された。


E値、89。


他の災害と、一線を画していた。

理研内部でも、長らく歴代最高値だった。


だが、ある議論が続いていた。


「災害のE値は、事件の規模と映像の拡散に比例する」

「ならば??人工物で、これを超えられるか?」


仮説を立てたのは、老研究主任だった。


「記憶の数ではない。記憶の密度だ」

「五百年間、一度も忘れられていない物が、もし存在するなら??」


候補は、最初から一つしかなかった。


---


《モナ・リザ》搬入当日、研究員たちは半ば儀式のような緊張の中にいた。


美術館の地下保管室。

温度、湿度、空気組成。

すべて制御された白い部屋。


その中央に、レオナルド・ダ・ヴィンチ作 モナ・リザ は、置かれていた。


絵画そのものは、何百年も解析され尽くしている。

- 顔料

- 筆跡

- キャンバス繊維

- 微細なひび割れ


だが二十一世紀後半、人類は別のものを測ろうとしていた。

「どれだけ世界へ存在しているか」


装置主任が言った。

「装置作動させます」


リング状観測器が展開する。

低い駆動音。空気が、わずかに重くなる。


数値が上昇する。

38

52

71


研究員たちは黙り込む。

通常、美術品は20前後。

宗教遺物でも40台。


《モナ・リザ》は、なお上昇を続けた。


88

89


部屋が静まり返る。


比較対象が、おかしかった。


片方は、数十万人の人生を破壊した超大型災害。

もう片方は、微笑むだけの女性画。

なのに、人類認知への"食い込み"が同等。


若い研究員が呟く。

「なんで?」


老研究主任は、モニタを見たまま答えた。

「逆だ」

「人類は災害を忘れる」

「だが、この女は五百年、忘れられていない」


その瞬間だった。


監視カメラ映像に、異常が発生した。

全員が「絵の視線が自分を見た」と証言した。


立ち位置は違う。

角度も違う。

なのに全員が、同じことを言う。

「こちらを認識していた」


一人の研究員が吐いた。


別の研究員は、幼少期に死んだ母親の記憶を突然思い出し、泣き始めた。


存在値モニタが、さらに上昇する。


91


警告音。


観測AIが、自動停止を提案。


理由欄には、短くこう表示されていた。

「観測対象が観測者側へ侵入中」


装置主任の喉が鳴る。

「違う……」

「これは、絵画じゃない」


その時だった。


《モナ・リザ》の口元が、ほんのわずかに動いたように見えた。



茶道→作動

ハリケーンは、、「は、理研」でいこうと思ったけどやめた・・・


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