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幕間――名もなき精霊たち
夜の冷たい空気が森を満たす。皆はとうに寝静まっていたが、森がざわめいていた。どこからともなく、光が集まってくる。
木の影、土の中、水面。精霊たちは互いに触れ合い、存在を確かめ合う。揺れる光が重なり、離れ、また寄る。 木々が風に揺れた。
――呼ばれた
――まだだよ
――これから
――まだ夜は深い
精霊たちは誰にも聞こえない声でささやき合う。呼ばれたわけではない。それでも共鳴し合う。力の端にわずかに触れる。精霊の力が滲む。
抑えられていた力が音を立てて軋んだ。穏やかな光が揺れ動く。
――願いじゃない
――でも触れる
――もう少し
水面に映った無数の光がゆがむ。声にならない声を、ミラは静かに聞いていた。
――願いじゃない
――でも触れる
――もう少し
水面に映った無数の光がゆがむ。声にならない声を、ミラは静かに聞いていた。
精霊たちのささやき。




