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斬術士  作者: 実茂 譲
3.カンパニー
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47/51

夢はわめく――1937年8月、エブロ河

 敵と味方の戦闘機が取っ組み合い、オレンジ色の炎をひいて落ちていく。ここで負ければ、ドイツ製のハインケル爆撃機がそのままエブロ川に渡した橋を吹き飛ばす。そうなれば、弾と食料、増援が届かなくなり、飲み水にすら不自由するだろう。

 1937年8月。ファシストたちはアラゴンで共和国軍を粉砕し、共和国軍の支配領域が東西で分断された。再度、東西をつなげる目的で共和国軍は持てる力の全てを費やして、エブロ川を渡河し、ファシストたちに攻勢を仕掛けた。〈持てる力の全て〉には扇たちの部隊も含まれていた。いまから一か月前、扇は夜の木立を抜けて、先行部隊として泳ぎ、持っていたナイフでモロッコ兵を静かに殺すと、すぐ合図を送った。船に板を渡す橋があっという間に組まれ、共和国軍は川沿いのフリクスという町を占領した。共和国軍は犠牲者を出しながら、ファシストたちを粉砕し、このまま行けば、共和国側の支配地域がまた連絡するだろうという楽観論があった。だが、ガンデサの町でファシストが頑強に抵抗し、気がついたら、共和国軍は反撃でじりじりと占領地を失いながら、後退していた。

 扇たちはパンドルス山地の六六六高地でドイツとイタリアの爆撃機にしつこく爆弾を落とされていた。爆弾が落ちるたびに地面は溶けたキャラメルのようにぐにゃぐにゃになり、立っていられないほど揺れた。乾いたカスアリーナの林が燃え出した。人間の体はバラバラを通り越して粉々になっていく。七〇六高地でも爆撃を受けていて、あちらのほうがひどいくらいだった。爆撃が終わると、歩兵の前進が続く。「アリーバ、エスパーニャ!」平らな軍帽をかぶった将校を先頭に兵士たちがイラクサに覆われた斜面を上ってくるのを、塹壕から飛び出して、狙いをつけて引き金を絞る。時間が引き延ばされて、ゆっくりと流れた。放った弾丸がヘルメットに描かれた赤いカニの絵へと吸い込まれるように飛んでいく。銃をバトンのように投げ出して、うつ伏せに倒れる兵士の血塗れの顔は納得がいかないらしい皺を眉間に寄せていた。弾がヘルメットに当たったのだから、自分は助かったと思ったのだろう。よく見ると、その兵士はほとんど少年のような兵士だ。扇は納得した。古参兵なら、スペイン製のヘルメットが薄っぺらくライフル弾など簡単に貫通させることを知っているはずだ。

 この少年兵の死体はいつ片づけられるだろう。もうすでに一週間、ファシストの死体が丘へ続く斜面に放置され、紫色に膨れ上がってひどいにおいをさせている。にもかかわらず、敵兵は上ってくる。理由は簡単だ。この二年間、彼らは自分たちが勝っていることをはっきりと自覚している。だから、戦えるのだ。それに比べて、こちらは負け戦だ。共和国の支配地域はふたつに分断され、負けを繰り返し、自分たちが決定的な敗北を迎えようとしていることを知っている。その決定的な敗北がいま、このエブロ川の戦いなのだ。

 敵が退いていく。また爆撃が始まるまでの、わずかな時間を盗むように、兵士たちは眠る。

「シエスタ万歳!」まだユーモアが残っている兵士が叫んだ。

 ファシストたちはかわるがわる攻撃を繰り返し、夜も攻撃を仕掛けてくるが、扇たちには交代部隊がないので、ほとんど寝ないで戦わなければいけない。

「知っている顔もだいぶ死んだ」塹壕に置いた木箱に寝転んで、寿がつぶやいた。コントレラス大尉はガンデサ攻撃中に戦死した。イタリア人のバッジーニはこの高地まで下がった初日に爆撃を受け、粉々に砕け散った。これだけの犠牲を払っても、結果が伴わないのは悪夢だ。あのふたりだけではない。大勢の兵士たちが下らない攻撃目標のために戦死した。いまだって、将軍たちは六六六高地を死守しろと言っているが、ここを死守して、さらにガンデサを占領できる見込みがあるのだろうか?

「心配するなよ、扇。どうせエブロの橋が全部吹っ飛んで、おれたちは皆殺しさ」

 ペドロ・アダラが塹壕にやってきて、煙草をつけた。

「なにか新しい情報は?」

「戦車」

「どっちの?」

「敵のに決まってる」

「くそっ」

「味方の戦車はみんな爆撃機でやられた。その爆撃機はドイツ製の最新型で急降下爆撃を仕掛けてくる。恐ろしくうまく爆弾を当ててくるんだが、なにより怖いのは、その爆撃機が急降下すると、この世の終わりのラッパみたいな音がするんだとよ」

「心理戦だね」

「おれたちもだいぶ折れちまってるからなあ」

「だが、ここで負ければ、カタロニアの共和派はフランスまで逃げないといけない」

「逃げ道があるだけ幸せだ。西の連中はどこに逃げる? 地中海か? それともサラザールに賭けて、ポルトガルに逃げるか?」

「モロッコに逃げるのは?」

「そいつはいいな。おれたちはさんざんモロッコ兵を殺したわけだが」

「まあ、無理だよね」

「結局、おれたちが戦う理由は、敵討ちなのかもしれねえよ。〈眼鏡(ガファス)〉やマルティネスじいさん、バレンシアの男、それに大尉とバッジーニ。死んだもんは帰ってこないが、でも、やるっきゃねえじゃねえか。敵のクソ野郎と味方のクソ野郎のせいで死んでった仲間にできることはファシストを撃つくらいしかないんだぜ。まったく、死んだ人間に対して、生きた人間ができることなんて、これっぽっちだ。あいつら、喜んでくれるかなあ」

「おれの仇は気にしなくていい」扇が言う。「死ぬときは死ぬ。それだけだ」

「おれも。でもさ、おれが死んで、扇が生きてたら、ね? ちょっとだけ気にしてほしいかも」

「ちょっとってどのくらいだ?」

「司令官たちがち(・)ょ(・)っ(・)と(・)負けただけだって、言い訳するときのちょっと」

「それ、クソ大量にって意味だな」

「隠された意味を言葉に託すのは何だかかっこいいよね」

「機関銃の冷却水にションベン使ってる状況だけどな」

「幸い、おれたちは機関銃兵じゃない」

「バッジーニが生きてればなぁ。そんなことしてまで機関銃を撃たなくてもいい。あいつは旅団一、いや、世界一の狙撃屋だった。ブルネテであいつが機関銃そのものを撃って壊したのを見たことがあるが、あいつは機関銃の銃口に弾をぶち込めた。二百メートル以上離れてたのにな。八千メートル後ろのクソ司令官にクソを漏らすほど正確な狙撃を撃ち込めたのもあいつだけだ。くそぉ、ここには木陰がない。あったとしても、すぐに爆撃で持っていかれる。トウモロコシ・パンの配給はいつだ?」

 爆撃というのは靴箱に閉じ込められて蹴っ飛ばされるようなものだ。衝撃で目が眩み、体が反転して、天地が分からなくなる。吹っ飛んだ砂礫が雨みたいに降って、爆音で麻痺したはずの聴覚にパチパチザアザアと石の粒と焼けた土がかぶさる音がする。音というよりは感覚だ。土は人間を生き埋めにしようとしてくる。塹壕の縁がごっそり落ちて、土嚢が横滑りに視界から消える。ただ、身体がひっくり返っていると土嚢はむしろ天へと昇っていったように見える。もっとも共和国軍のほとんどは無神論者なのだが。

「きこえたかい?」爆撃が終わり、土のなかから這い出しながら、寿がたずねる。

「なにが?」

「サイレンさ。執拗で神経に触るサイレンの音がしただろう?」

「石が降ってくる音しかきこえなかった」

「あれはぜひとも一度きいてみるべきだね。あれをつくったやつは人間が恐れる音を自分の体みたいに知ってる。トラウマものだね。戦争が終わって生き残ったら、ただのサイレンがきこえただけで、塹壕を掘ろうと狂ったように手足を動かす様が目に浮かぶよ」

「トラウマを食らっているようには思えないがな」

「まあ、おれは割と平気だった。他はどうか知らないけど――そういえばさ、おれにききたいこと。思い出した」

「さっぱりだ」

「なんだか、おれも気になっちゃってさ」

「思い出したら、すぐにきく」

「気長に待ってるよ、とは言えないよね。今日にもくたばっちゃいそうだし」

 寿が指差した先には爆撃で燃え上がった七〇六高地が見えた。乾いた斜面を米粒くらいの大きさのファシスト兵たちがバラバラと登っていく。陣地には共和国旗と赤旗がたなびいている。パチパチと銃声がきこえる。掩蔽壕から白い銃火が点滅している。ファシストの粒がぶるっと震えて、動かなくなる。斜面に動かなくなる粒が増えていく。だが、それ以上のファシストが頂上を目指して走っていく。手榴弾を投げ合ったのか、ポップコーンみたいな煙がポッポッとあらわれ、そして、ファシストの粒は頂上を囲う土嚢を飛び越えた。

 ジプシーの占い師がいなくとも、あれが近々自分たちを見舞う未来だと分かる。これまで七〇六陣地から飛んでくる弾は味方のものだったが、これ以後は敵の弾が飛んでくる。十字砲火を食らいながら、六六六高地がもつなどと誰もそんなおめでたいことを考えたりしない。

 また「アリーバ、エスパーニャ!」が始まった。今度は白いターバンを巻いたモロッコ兵たちが登ってくる。その攻撃は苛烈でついにとうとう塹壕になだれ込んだ。扇のすぐ後ろからカチッと音がした。振り返ると、弾切れの銃を持ったモロッコ兵。撃つと、ターバンが燃え出した。

「逃げろ!」

 誰かが叫ぶ。別の誰かが叫ぶ。

「逃げるな!」

 だが、もう味方は塹壕を捨てて、走り出している。燃えたターバンを頭から引き剥がそうとしているモロッコ兵の胸を蹴り、扇も塹壕を捨てた。溝から這い出ると、大隊長がイギリス人みたいに念入りに剃られた顎を思いきり突き出しながら、逃げる兵士をブローニング拳銃で撃っているのが見えた。

「誰も逃げるんじゃない! 革命万歳!」

 大隊長が逃げる寿の背中を狙っている。寿はそれに気づいていない。扇は大隊長に飛びかかった。骨ばった拳が中途半端なぶつかりをして、扇の頬を滑ったので、扇は鉄カブトもろとも大隊長の顔へ頭突きを見舞った。鼻が潰れて、血が流れ、大隊長の頬を横に流れ落ちていった。大隊長は扇をファシストと呼んだ。ファシストとはこの戦争では何度も耳にしている言葉だが、ファシスト呼ばわりされたのはこれが初めてだった。もう一度頭突きをして、ライフルを慌ただしく拾うと、この場からとっとと逃げることにした。逃げる先はエブロ川だ。走りながら、コンマ一秒だけふり返ると、三人のモロッコ兵が鼻をおさえている大隊長を銃剣で串刺しにしようとしているところだった。ジッパー付きの革ジャケット、赤い星が縫いつけられたグレイのベレー帽、膝の下まである編み上げブーツ、そのブーツに合わせたつくりの乗馬ズボン。六六六高地は惜しくないが、大隊長の衣服が敵の手に落ちるのが惜しい。いまの扇がつけているのは、かがり縫い過ぎて何かの模様になり始めたシャツ、こなれた革が手に入ったら膝のところに縫いつけようと思っている穴あきズボン、食べ物や手帳が入った白いズックのカバン、挿弾子(クリップ)を入れた弾薬箱とベルトは米西戦争以前のもの、かぶり物はない。二度目の頭突きから起き上がったとき、革のバンドが切れて、落ちてしまった。

 坂を駆け下る。弾はまだ飛んできた。ヒューム! ヒューム!と空気を穿つ音がきこえる。そして、小枝をパキッと折るような音がすると、横を走っている顔じゅうヒゲだらけの兵士が走り幅跳びの選手みたいにのけぞって、草むらに顔から突っ込んだ。風は追い風だった。ききなれないモロッコ兵の言葉と一緒にゲラゲラと笑う声がきこえてきた。振り返って、ひとり撃ち殺したい衝動に駆られたが、それをおさえて、逃げると、低い石垣があらわれ、扇はそれを飛び越えた。先には丈の低いアーモンドの木が続いている。白い殻を破った収穫期の実が左右で風に揺れるあいだを走っていると、喉がかわいてきたので、実をちぎって口にいれ、しつこく噛んで唾液を出した。

 アーモンド畑を抜けるころには追手は見えなくなった。砲弾の破裂音が遠くからきこえてくるほかに音らしいものはしないが、ときどき味方のポリカルポフ機が編隊を組んで飛んでいくのが見えた。坂を下った先に小さな村があった。白っぽい石を組んだ家や鍛冶屋。パンクした自転車が一台、置き去りにされている。十字路には破壊されて空洞になった教会があり、辻向かいには丈の低い納屋があり、そこから西へ向かうと、宿屋があった。その裏庭で井戸水を飲み、水筒を満たし、また西へと歩く。村外れの家が尽きることには風除けらしいアラモの林があり、土手がふたつ三つ、エブロ川へ合流する川へと伸びていた。谷から谷に街道が斜めに横切り、小さな町が燃えている。街道は南に折れ、西へ進むために休耕地の脇の木立へ入った。木漏れ日もほとんど入らないところで死体を見つけた。まだ死んで時間のたっていない死体だが、八月の暑さでもう腐臭がし始めていた。袖を切ったセーターにアドリアン・ヘルメットをかぶった兵隊で、そばに古いモーゼル銃が放り出してあった。弾は胸に当たって肋骨で弾かれて脇腹を抜けたらしく、腐葉土が熟れたみたいに赤く湿っていた。

 扇は木立からなかなか出ることができなかった。丘のふもとを囲う道を青い房飾りをつけた折り畳み帽の騎兵が数名ずつでパトロールをしていた。馬の体は汗で光り、頭をふり、泡みたいなよだれを垂らしている。ひとり、白い髭を生やした将軍がいて、三個師団をここに投入しろ。それで戦争を終わらせてやると拳を打っていた。騎兵が遠ざかると、扇は素早く道を横切り、次の木立か灌木林に飛び込む。太陽はまだ午前の空を飛んでいる。光がきつすぎて空は色を失っていた。

 寿とペドロ・アダラ、それに兄弟みたいによく似たふたりのカタロニア人を見つけたのは、エブロ川まで百メートルのところだった。イギリス軍将校みたいな軍服を着た政治委員が四人を説得しようとしていた。

「きみたちが逃げれば、バルセロナが陥落する。戻って戦うんだ」

「だから、その戻って戦う場所がねえんだよ」ペドロ・アダラが言った。軍帽がなくなって、顔の左半分に包帯を巻いている。「総崩れでみんなちりぢりバラバラになってるんだ。陣地も塹壕もねえし、戦車もねえ。味方の飛行機が落ちるのは何度も見たが、敵の飛行機が落ちるのは見たことがねえ」

 政治委員はホルスターをつけていた。おそらく弾がないのだろう。そうでなければ、四人の臆病者を殺すのにためらいはない。扇は五人目の臆病者として参戦した。

「歩兵三個師団を投入すると敵方の司令官が言っていた」

「そんなデマを流すのは誰だ?」

「将軍本人だ。そこの道を五人の騎兵を連れて、このあたりの地形を見に来た。そして、ここを指差して言ったんだ。三個師団と」

「三個師団? 本当に?」

「二個師団だったら、状況は改善するのか?」

「おい、国際旅団はどうしたんだ?」

 カタロニア人のうちのひとりが言った。政治委員は苦虫を嚙み潰した顔をした。何があっても共産党に忠実だった国際旅団はもはやフィクションの世界の住人だった。忠誠心が切れたのもあるが、そもそもほとんどが戦死してしまったのだ。

「もう、おれたちには関係ない」カタロニア人のひとりが言った。

「川は越えるぞ」もうひとりが言った。

 すると、政治委員はホルスターのコルトを抜いた。

「駄目だ、戦線に戻れ。敵前逃亡は銃殺だぞ」

「敵前じゃねえよ」と、ペドロ・アダラ。「敵の真っただ中だ。後方の連中はもうおれたちがファシストに殺(バラ)されたと思ってる」

「それで新しい生贄を準備するのさ」と、寿が言った。「演説家は気楽なもんさ。声はぶつかっても痛くないし」

「だまれ! このファシストどもめ!」

「ファシスト? このおれが?」ペドロ・アダラが喉の奥を大きく震わせた。「ふざけんなよ、このクソ野郎。フランコどもが反乱を起こしてから、ずっと戦い続けてきたこのおれをファシストだと? てめえら、政治委員はやれ革命だ、やれ社会主義だ共産主義だとえらそうにほざくがな、てめえらのなかで手押し車いっぱいの瓦礫を乗せて、朝から晩まで船と港を往復したことのあるやつはいるのかよ? てめえらは労働者なんかじゃねえ。口先だけの教師だの政治家だのロシア人だの、ろくでもねえ穀潰しじゃねえか。へん、それが労働者を語るってか?」

「お前みたいな反革命がいるから、我々が労働者を管理しなければならんのだ!」

「正体をあらわしたな。この野郎。てめえらは労働者が無学で無能だから、自分たちが命令してきちんと動かさないといけないと思ってるんだろ? それが地主や貴族や教会とどう違うんだよ? はっきり言ってやる。ここにファシストがひとりいる。だが、それはおれじゃねえ。寿でもねえ。扇でもねえ。そっちのふたりのカタロニア野郎でもねえ。お前だよ、政治委員殿。このファ――」

 政治委員はペドロ・アダラの顔を撃った。ふたりのカタロニア人が政治委員に飛びかかった。扇と寿はペドロ・アダラに駆け寄ったが、倒れた彼の頭の後ろが砕けて、脳漿が止まらずに流れ出ていった。扇はペドロ・アダラの履いている靴を脱がせて、その靴紐を解いて、手に握った。政治委員はカタロニア人たちに組み敷かれていて、何か騒いでいた。扇は靴紐で政治委員の首を、顔が紫色になるまで絞め、死ぬ寸前で寿が頭を撃ち抜いた。

 カタロニア人たちはもう橋へ続く坂を駆け降りている。寿は悲しげに、どこか嬉しげに言った。「これでおれたちだけだ。扇。こんなこと言うのは何だけど――」

 ワアアアアアアアン!

 けたたましいサイレンの音!

「扇が生き残ってくれてよかったよ」

 ふにゃっと笑う寿の後ろで急降下爆撃機の百キロ爆弾が橋をふたりのカタロニア人ごと吹き飛ばした。

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