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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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11/176

3-3

そのターゲットとされているのは生田時雨。

2人の吸血鬼の存在と上空にディスクドローンが張りついてることに気づいていないのか?

買いもの帰りだと思われる時雨は人間の行き交う街の流れの中に違和感なく溶け込んでいる。

驚くべきことがある。

吸血鬼の眷属である時雨は紫外線対策などいっさい行ってない。

時雨はデイウォーカー。

紫外線どころか銀やニンニクをも克服している。

すべての吸血鬼たちがその秘密を解き明かそうと狙われていたこともあった。

あまりにも抵抗が激しいために捕獲することは半ば諦めている。


この大久保の近辺には日本のスーパーが少ない。

まったくゼロではないのだが韓国や中国などのスーパーが多い。

どうしても欲しい日本の食材を求めるならちょっと遠出をしなければならない。

吸血鬼は人間の血液しか受けつけないのではと思われているが時雨たちのような突然変異というか亜種の吸血鬼にとっては当てはまらない。


今は陽の光の中を歩いていて平気そうに見えるが細かく言ってしまえば紫外線のダメージは受けている。

そのダメージの影響を上回るほど再生能力が高い。

それもあって他の吸血鬼たちにとっては格好の研究対象でもある。

喉から手が出るほど、なんとしても解明して自分たちに取り込みたい能力だ。

しかし一筋縄ではいかない。

相手が強すぎるからだ。

返り討ちにあってる者は数知れずいる。


どうやら時雨はドローンの存在に気づいてないようだった。

歩くペースも変えずにマンションに戻った。


「ただいま戻りました」とドアを開けながら声をかける。

言わなくてもちよにはわかってるはず。

これは習慣というか人間であった時の名残になる。

リビングでは暇そうなちよがテレビを見ている。

報道番組は常に見るようにしている。

世の中の動きは知っておかなければならない。


月読はノートPCで株価のチェックをしている。

人間社会で生活するためにはどうしてもお金が必要になる。

働きに出るっていうわけにもいかないので株の売買で収入を得ている。

今は株価のチェックだけしていた。


「ご苦労さま」と月読が声をかけて時雨が「いいえ」と笑顔で応える。

自分で食べるわけではないんだけどスーパーなどへ買いものに出かけるのは好きだ。

だから時雨が率先して買いものに出かけている。

年上のちよはこういった日常生活での細々なことを好まない。

アタッカーらしく不穏な雰囲気の気配があることを好む。

この眷属の中では最も好戦的だ。




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