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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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10/174

3-2

森川と足立は歌舞伎町から大久保方面へ移動した。

歌舞伎町と同じくらい大久保も怪しい街だ。

2人は大久保通りを歩いていく。

歩道で歩いてるとすれ違う人間は多い。

肌の露出がいっさいない2人だが怪しまれたりしないのが現代だ。

ひと昔前なら確実に怪しまれ気味悪がられただろう。

人間の間で流行ってるコスプレとかいうもののおかげかもしれない。

奇抜なスタイルでも普通に街を歩ける。

特に東京という場所はそうだ。


2人はしばらくの間は無言で歩いていた。

飲食店が目につく。

森川と足立は人であった時は喫煙者で飲食もしていた。

生き方が大きく変わってからはそれらを拒絶するようになった。

それどころか「食」に関しては人間の血液一択となった。

それ以外は受けつけない。

その血液にも美味い不味いはある。

薬物の常習者は本当に不味い。

覚醒剤というだけではなく病気とかで薬を常用している人間の血液も含めてだ。

それを「血が汚れている」と吸血鬼たちは表現している。

昔のほうが新鮮だったと古参の吸血鬼たちは言う。

現代の人間は薬品にまみれている者が多くなったと(なげ)いている。

期待外れだった場合は殺すに限ると主張する吸血鬼もいたりする。


吸血鬼になって最も良かった点はなんといっても病気に関することだ。

いっさいの病気がなくなってしまった。

歯にしてもそうだ。

例え歯が折れたとしても1日も経たずに元通りだ。


「いるな」と足立が言えば「いる」と森川も応える。

他の吸血鬼がいる。

体内センサーが反応している。

こんな昼の時間に特別な用でもない限り外に出ているもの好きはいない。

その反応は移動している。

気配を消してない。

安心しきっているのかあまりにも無防備だ。

向こうはこちらの存在に気づいているのか?

対紫外線装備には吸血鬼の存在を弱くするといった有利な点がある。

それでも接近するのは気づかれてしまう怖れがある。

今回は探索だけが目的で戦闘は回避する。


2人は人目につかないようにと路地に入った。

足立が1枚のCDを宙に投げた。

手を離れた瞬間にその形が変わっていく。

丸い形が3つに分かれて飛行形態になる。

その1枚は追跡専用のディスクドローン。

コントロールは森川がタブレットによって操作することになる。

反応を感じるあたりの上空へ移動させる。


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