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熱と風の混合魔法

私はお風呂から上がって脱衣場に戻った。

お風呂場と脱衣場の出入り口近くに置いてあるタオルを

適当に取って体を拭く。


服を入れた籠には洗濯がすでに終わり、

綺麗に畳まれている服が置いてあった。


それを着て脱衣場を出る。

そこにはフェリスがいて、ずっと待っていたようだ。


「お嬢様、少し遅かったように思いますが、

何かありましたか?」


心配そうに聞いてくるフェリスに

ずっと考え事をしていたことは言えない。

言えば、追求されそうだから。


「いいえ、何もないわ。

女は長風呂ってこと覚えておいたほうがいいわよ」


「は、はい。覚えておきます。

あっ、お嬢様。髪が濡れていてはお風邪を引かれます。

僕が乾かしましょう!」


「ええ、お願い」


フェリスは私の背後にまわった。

すると、頭に温かい風が当たり、髪が靡いた。


「これは、魔法?」


「はい!熱の魔法と風の魔法の混合魔法です!」


「難しそうね」


混合魔法なんて私に魔力があったとしても使えないでしょうね。

聞くだけでも難しそうだし。

いつの間にかフェリスが手に持っていた櫛で私の髪をといていた。


「そうですね。何回も練習を重ねないと中々出来ません。

……出来ましたよ!お嬢様!」


「そう。じゃあ、部屋まで連れていって」


「分かりました」


フェリスは文句も言わずニコニコと

私を横抱きにして運んでくれる。

横抱きは思ったより振動がなく、快適な乗り心地だ。

この城の移動手段は横抱きになりそう。


「着きました。お嬢様」


フェリスは寝室のベッドまで運んで下ろしてくれた。

すると、掛け布団を掛けてくれる。


「じゃあ、私は暫く寝るから、

フェリスは好きに過ごすといいよ」


「はい、分かりました。

ごゆっくり、お休みください…」


私がベッドに入るとフェリスは明かりを消して

部屋から出ていった。



廊下にコツコツと歩く音がする。

廊下を歩いていたフェリスは一度立ち止まり

思案した。


「どうやら、来客がいらっしゃったようですね。

さて、お嬢様は眠っておられますし。

ここは帰って頂きましょうか……」


フェリスはまた歩き出した。


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