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初めての異世界お風呂

フェリスに連れてきてもらって、

今脱衣所にいる。


「ねぇ?フェリス」


「はい、なんでしょう?」


「何でこんなに広いの?」


広い、広すぎる。

この城は私とフェリスしか使わないのに、

こんなに広くてもなー。


「何故でしょう?」


「お風呂も大きいんじゃない?」


「はい、広かったですよ?」


そっか、お風呂の用意をしたフェリスは知ってるのか。

肩を叩いて降ろして貰うと、

私はお風呂場の扉を開けた。


「……」


予想は見事に当たっていた。

でも訂正しよう。

これはお風呂ではない。銭湯だ。


「ではお嬢様。

僕は外にいますから、脱いだお洋服は籠に入れておいてください」


「ええ」


この広いお風呂で一人。

贅沢すぎる。


私は服をさっさと脱いでぐちゃぐちゃのまま籠に入れると、

お風呂場に入って行った。


「広い…」


まずはシャワーの所までいく。

どうやら左右に捻ることでお湯が出るようだ。


シャワーを出して頭から浴びて、髪や体を洗った。

鏡に映る私の姿は前とは全然違う。

髪や眼の色は前と変わらないけど、

髪も伸びているし、顔も全然別人。

体型も小柄になっているし、髪のつやも今の方が断然いい。

若干胸の大きさが小さくなったような気がする。

神はそうとう私から嫌われたいらしい。


シャワーを止めて、お風呂に入る。

ほんのりローズの香りがする。

本当にお嬢様になったみたい。

お金はないけどね。

お風呂は広々としているから足を伸ばしても大丈夫。

20人がゆったり入れるぐらいに広い。


「何でこんな大きい家を神はくれたんだろう?」


まあ、考えていても分からないことは分からないんだけど……。

そういえば、何だかんだ言って新しい人生を

受け入れている私がいる。

死にたいと思ってたのに……。

いつの間にか死にたいと思わない自分がいる。

まあ、神のせいで死ねないんだけどね。

死にたいと思わなくなったけど、生きたいとも思わない。

今でも人間が嫌いだけど、フェリスは今の所信じられる。

あ、フェリスは魔族か。


この新しい世界は住む所があって、食べる物もある。

お金や服はないけど、でも無くても生きることは出来る。

フェリスが料理も洗濯もしてくれる。


転生した主人公たちは、ギルドに入ったり

強くなったりするんだろうけど、

生憎私に強さはいらない。

おそらく殆どの主人公は持っているであろうチートは、誕生日限定。

次に使えるのは1年後。

それまで実質、スキルは『主の加護』だけ。

他人を強くしても私は強くならない。

だから強くなることもない。

ずっとこの城に引きこもるつもりだからいいんだけど。


となると私には生きる目的がない。

だから、生きたいと思わないんだろう。

言えば、寝るために生きているようなもの。


だけど、きっといつかは飽きる。

フェリスにもきっと愛想つかされて出て行かれるんだろう。

いや、いつの間にか私に対する信頼や信用といったものが、

無くなって私は殺されるかも。

フェリスに殺されるかもって思う時点で

まだフェリスを信じられていないんだ、私。


でも、フェリスはそれで幸せだ。

面倒な世話が、無くなり。

大きい城と一生分の食糧がある。

真面目で頑張り屋のフェリスなら、

すぐに仕事が見つかるだろうし。

住む所と食べ物があれば、何日掛けてでも探せば

いつかは仕事が見つかる。

お金を稼ぐことが出来るともっと不自由しなくてすむ。

今は私の世話があるから時間がないんだろうけど。


最悪この城を売り払うことだって出来る。

この大きさだ、高値で売れるだろう。

それで一人が暮らせるだけの家を建てることが出来る。


こんなことをフェリスが考えたら……。

って、何考えてんだろう。

起きるかも分からないことを考えたってしょうがないのに。



誰だって裏切るときは裏切るんだから…………。





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