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ドリームショップ ~あなたはどんな夢を買いたいですか?~  作者: はしたかミルヒ
ケース9,5:私の友達、夢乃ちゃん
101/109

第五話

□□□


「今日から早速練習だね!」

「めいちゃん、私、なんだかドキドキする! よし、がんばろうね!」


 十月半ば、私たちのクラスの女子は早速プレイルームでダンスの練習を始めることにしたの。みんなジャージを着ていて気合十分な様子だったわ。ちなみに男子は外で練習をするとのこと。副担の先生が就くみたい。


「女子のみなさん、こちらに集合してください! では最初にフライングゲットのミュージックビデオを見てみましょう!」


 そういうとジャージ姿の真理子先生はノートパソコンを開き、ユアチューブでフライングゲットのビデオを見せてくれた。みんなの視線はそのパソコンに集中する。


『ナーナナー ナナナ ナーナナ ナーナナー ナナナ ナーナナ♪』


 曲が始まり、ビデオの中の主人公たちが艶やかかつ、クールに踊り始めた。みんなその姿に感嘆の表情を浮かべ、ゴクリと唾を飲む音まで聞こえてきた。そう、私の横から。

 夢乃ちゃん、真剣だな……。ってアイドル目指してるんだもんね。当たり前だよね。ってビデオに集中しないと!

 一人だけビデオに集中していないとここでみんなに置いて行かれると思い私は再びビデオに視線を戻し、どういうダンスなのか丹念にチェックをした。

 す、すごいな……。改めてちゃんと見ると、ほんとAKBってすごいよ……。


「なんでこんなきれいに踊れるの……」


 ふと口から漏れてしまった言葉。すると横で見ていた夢乃ちゃんが小声でこう言ってきたの。


「それはたくさん練習したからだよ。私たちだって練習すれば、AKBに負けないくらいのダンスができるようになると思う!」

「そうだね……。最高のパフォーマンスができるように頑張らなくっちゃ」


□□□


 かくして私たちの一か月にわたる壮絶なレッスンが始まった。センターはナナちゃんが立候補をしてすぐに決まった。私は夢乃ちゃんにセンターをやってほしかったのだけれど、本人が、「センターはナナちゃんのほうが似合う」と言って手を上げなかったのだ。


「めいちゃん、ちょっとワンテンポ、ずれてるよ!」

「あ、ごめんなさい!」


 正直言って、私はこういうのが得意じゃない。人と合わせるのが苦手なのかもしれない。何回やってもみんなと息が合わないんだよね。何人かのナナちゃんを中心とした女子たちに練習のたび、幾度となく注意される日々が続く。


「ストップ! やっぱりめいちゃんだけちょっとずれちゃってるわね」


 真理子先生が不安げな面持ちでそう言ってくる。


「先生、ちょっとどころじゃないですよ! もーう、めいちゃんちゃんとやって!」

「ごめんなさい!」


 あ~、どうしてこうも毎日みんなの足ひっぱちゃうんだろう……。

 私は練習をするごとに落ち込んでいたの。


「めいちゃん、昨日よりはだいぶテンポあってきたと思うよ」


 落ち込んでいる私の耳元で夢乃ちゃんが優しい声色でそうささやいてくれた。そんな彼女の顔を見てみるときれいな汗が額からたくさん流れていた。


「夢乃ちゃん……。夢乃ちゃんがこんなに頑張っているんだから私も頑張らないと……。落ち込んでいる場合じゃないよね」

「そうだよ! 何よりもダンスは楽しんでやらなくちゃ! 落ち込んでいたらできるものもできなくなっちゃうよ」


 そんな夢乃ちゃんの言葉聞いて、私の中にあった何か重いものが少し軽くなったように感じたわ。


「ありがとう、夢乃ちゃん」


 ニコリと私が微笑んでこう言うと夢乃ちゃんも私に精一杯の微笑みを返してきた。


「めいちゃん、早く練習しよっ!」


「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイ! ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイ!」


 真理子先生が手を叩きながらリズムをとってくれる。前にいるナナちゃんたちも汗を流しながら機敏に私を導いてくれるかのような踊りを見せてくれる。なんだかんだ言ってもナナちゃんたちはやるべきことに対して一生懸命に行動する人たちなのだ。そして夢乃ちゃんも先頭の列でナナちゃんたちと一緒に息を切らしながらも軽やかなステップで華麗にダンスを踊っていた。

 私も負けちゃいられない! 頑張んないと!


 パンパン!


「ストップ! 今日はここまで!」


 先生が手を二回叩いてから曲を止め、終わりの合図をした。


「めいちゃん、やっぱりみんなよりちょっと遅れるけれど、さっきよりはだいぶ良くなったわ。この調子で頑張って!」


 先生が微笑を浮かべ私にこう言ってきた。するとセンターのナナちゃんも私を激励してくれる。


「案外しぶといじゃない? ここまで根性あるとは思わなかったわよ!」 

「ナナちゃん……」

「ちょっと、なに泣きそうな顔してんのよ? まぁ、この調子でがんばりなさいよ!」

「うん!」


 私がナナちゃんに励まされて目にちょっとだけ涙を浮かべていると、夢乃ちゃんがポンと肩を叩いてきた。


「めいちゃん、もしよかったら放課後、公園で練習しない?」


□□□


「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイ! ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイ! はい、終わり!」

「はぁー! 終わった!」

「めいちゃん、膝に手をつくのは早いよ! 次のステップ行くよ!」

「えー、ちょっと休もうよ~」

「だめだよ! みんなに追いつくためにいっぱい練習しないと!」


 私たちは放課後、夢乃ちゃんの言う通り、近所の公園で学芸会で踊るためのダンスの練習をしていたの。


「も~う、夢乃ちゃんのオニ~!」

「めいちゃん!」


 そう言うと夢乃ちゃんはバッグからあのクマのぬいぐるみを取り出し、それを動かしながら声色を変えてこう言ってきたわ。


「めいちゃん、頑張って! もうゴールは目と鼻の先だよ! だからもうちょっと練習しよう!」

「夢乃ちゃん、ずるいなぁ~! 私がルルに言われると何にも言えなくなっちゃうこと知ってて~!」

「僕も応援するから頑張ろう!」

「よし、気合入れて……とその前にジュース買ってくる~」

「もーう、めいちゃん!」


 続く

こんにちは、はしたかミルヒです!


みんなダンス、頑張っていましたね~!

私は、超運動音痴なので学校の遊戯とか高校の授業でやったダンスとかほんと苦手でした(-_-;) でもダンスしたら痩せるからダンスレッスンのDVD買ってやってみようかしら(゜o゜)

ってなことで第五話を読んでくださりどうもありがとうございます<(_ _)>

明日は17時投稿です。お楽しみに♪

ミルヒ

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