第六話
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そんな激しいダンスレッスンの日々が学校でも公園でも続き、私は何とかみんなに合わせて踊れるようになるまでに成長したわ。
そして来る学芸会当日。
「うお~! この震えは寒さなのかそれとも緊張からなのか~!!」
雄大君はエックスザイルの衣装を着て、震えながらこんなことを叫んでいる。
「教室、暖房入ってるから寒くねーよ! お前の震えは緊張だ!」
「いいや、この俺が緊張するわけ……ちょっとトイレ……」
その様子を見て真理子先生が「あらあら」といいながら微笑ましい顔を雄大君に向けたの。そしてトイレに行く雄大君が教室の戸を閉めたと同時に先生が二回手を叩き、大きな声でこう言ってきた。
「男子のみなさんは、プレイルームに移動してくださーい! そして女子のみなさんはここで衣装に着替えてくださいね!」
「男子、ノロい! 着替えるんだから早く出てよ!」
ナナちゃんが緊張した面持ちを見せながら近くにいる男子を叱咤する。
「誰もお前の裸なんか見たきゃねーよ!」
そう言いながらナナちゃんをからかう男子。
「もーう、良太のバカ!」
私は思わず隣にいる夢乃ちゃんに小声でこう話しかけたの。
「ナナちゃん、かなり緊張してるみたいだね」
「センターだからね。余計に緊張してるんだよ」
「みんななんだかんだ言って緊張してるんだよね。一発本番だしね。あぁ、そんなこと言ったら私も緊張してきた……」
「でもこの緊張感、いい緊張感だよね? 私、こういう緊張感は大好きだよ。そう思わない?」
夢乃ちゃんはにこにこと笑顔でそんなことを言ってくる。
「夢乃ちゃんは変わってるなぁ。私はどの緊張でも好きになれないよ」
「そうかなぁ?」
夢乃ちゃんとひそひそ話しているとナナちゃんから男子と同じような叱咤を受けちゃった。
「ほら、その二人! 本番前の練習が一回だけあるのよ! さっさと着替えて!」
私たちは目を合わせニコリとお互いに笑顔を交わし、再び小声で話し始める。
「怒られちゃったね」「めいちゃんの言う通り、このナナちゃんは緊張してる証拠だね」
するとナナちゃんは目を三角しながら私たちに着替えを促してきた。
「何またコソコソ話してるのよ! 早くしてよね!」
「「はーい!」」
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『ナーナナー ナナナ ナーナナ ナーナナー ナナナ ナーナナ♪ フゥー!』
パチッ
「みなさん、最後の練習、お疲れ様でした! とってもきれいに踊れていましたよ!」
真理子先生が音楽を止めると拍手をしながらさわやかな笑顔で私たちのフライングゲットのダンスを褒め称えてくれたの。
「でも本番はこれからです。この調子を維持しながら本番ではこれ以上のダンスを期待しています! 来客のみなさんを驚かすくらいのダンスをしましょう!」
「「「「「「「「「「はーーーい!」」」」」」」」」」
「ねぇねぇ、夢乃ちゃん、衣装着て踊ると気持ちが引き締まるよね?」
すると夢乃ちゃんは金色のスカートの裾を指でつまみ、愛らしい表情でこう言ったの。
「そうだね! それにこんなにもかわいいし! これを作ってくれたお母さんに感謝しないとね」
そんな言葉を聞き、思わず私は虚空を見つめる。
「そうだね……。お母さんに感謝……だよね……」
「みんな、気合入れて本番に向かうわよ!」
私が物思いにふけっているとナナちゃんが元気な声でこう言ってきた。そしてナナちゃんは夢乃ちゃんに近づく。
「夢乃ちゃん、あなたはこの中で一番ダンスにキレがある」
「え?」
ナナちゃんの突然のほめ言葉に夢乃ちゃんは目をきょとんとさせながら驚いた表情を見せる。そんな夢乃ちゃんの驚きを見て軽く微笑を浮かばせナナちゃんはこう続けたわ。
「だから夢乃ちゃんのダンスでみんなを引っ張って行ってほしいの」
「私のダンスで?」
「そう、だから夢乃ちゃん、本番ではもっと自分を主張してよ! もっともっと自分を出して! そうすればフライングゲットは必ず成功するわ!」
「ナナちゃん……」
「今の言葉は真実よ。だからあなたが主役のつもりで踊って!」
「ありがとう、ナナちゃん! 私、頑張る!」
するとお礼を言われたナナちゃんは少し照れ臭そうにしながらこう言ったわ。
「お礼はまだ早いわよ……」
そしてナナちゃんは深呼吸をした後、前を向き、真剣な顔に切り替え、みんなにこう言い放つ。
「よしみんな、体育館に行くわよ!!」
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『ナーナナー ナナナ ナーナナ ナーナナー ナナナ ナーナナ♪
ナーナナー ナナナ ナーナナ ナーナナー ナナナ ナーナナ♪
ナーナナー ナナナ ナーナナ ナーナナー ナナナ ナーナナ♪
ナーナナー ナナナ ナーナナ ナーナナー ナナナ ナーナナ♪ フゥー!』
「「「「「「「「「「ウォーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」」」」
決まった!
思わず私は小さくガッツポーズをしちゃった。息が切れそうで今にも膝に手を付けてしまいそうなほどに疲れていたけれど、目の前の観客を見るとそんな自分に喝を入れることができた。するとほとんどの人が席を立ち、私たちに盛大な拍手と声援を送ってくれたの。
「カッコイイぞー!」「決まってる!!」「「「ヒューヒュー!」」」
そんな数々の声援に感極まり、涙が今にもあふれ出そうになちゃった私。
頑張ったかいあったな……。これも私の練習に付き合ってくれた夢乃ちゃんのおかげ……。
幕がゆっくりと下りていく。私たちは観客に頭を下げ、互いに泣き顔や笑顔で顔を見せ合った。私も目に溜めていた涙を手の甲で拭い、前にいる夢乃ちゃんに近づきこう言ったの。
「夢乃ちゃん、本当にありがとうね」
その言葉に夢乃ちゃんは振り向く。
「めいちゃん……」
「夢乃ちゃん? え?」
「ウワーーーン!」
夢乃ちゃんは幕が下りたと同時に私に抱きつき、顔をくしゃくしゃにしながら言葉を発した。
「め、めいちゃん、だ、大好きだよ~!」
そんな夢乃ちゃんの言葉に私もつられて大泣きしちゃった。
「わ、私もだよ~! 夢乃ちゃ~ん!! ウワーーン!」
人前でこんなに大きな声を出して泣いたのは赤ちゃんの時以来かな? 泣いているのにすごく気持ちがよかった。衣装が夢乃ちゃんの汗と涙でじんわりと濡れてくる。そんな抱きしめている夢乃ちゃんの小さい体は火照っていてとても熱かった。
続く
こんにちは、はしたかミルヒです!
第六話を読んでいただきどうもありがとうございます!
学芸会の遊戯、成功できてよかったですね! わたしもT○FのDVDで頑張って踊っています!(ダイエットのためww)
ってなことで明日もお楽しみに♪
ミルヒ




