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0/0=1 | Null Pointer Memory=” ”  作者: 久破空是


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11.とある記録の代償 1(3)

3.この話いる?

 ま、そんなくだらないことを考えるのは暇人にまかせることにして、中央管理タワーに無事着けることを祈ろう。

 

 オメガの活躍のおかげで衆目はそちらに流れているせいで、俺達を襲う連中の想定が外れたらしい。


 雑踏の中で俺達を襲撃することで周りを巻き込み自分たちの存在を希薄にするという作戦が実行できなかったため、狙撃や車による襲撃をしようもんなら悪目立ちしすぎて手がさせない。という状況が出来上がっていた。

 

 なぜなら逆襲もやりやすい。

 

 では、どうなるかをこれからお見せしよう。

 急に半裸の女が車めがけて走り寄ってくる。

 無人タクシーは安全のため停止するが、応答をこちらに要求してきた。

 カレンは目を見開いて驚いている。

 

 遮音された車内には、何も聞こえないが、俺は、読唇術で、(カレン助けて!)

 と言ってるのがわかる。

 そしてその後ろから、悪漢どもよろしく、この街にふさわしくない格好の連中が徒党を組んでやってきていた。


 ここで静に対処させるというのもいいが、いかんせんあいつは皆殺しにする。

 俺は頭をかきながら、カレンにここから出るなといって、その女を後ろ背にかばうと

 「なんだか穏やかじゃないね、お知り合い?」

 とその女に伝えた。

 怯えた目で俺を見る女は「し、知らない人たち」

 怯えながら横に首を振る。とりあえずジャケットをその女にかけてやる。


 リーダー格らしい男に問うた・

「一体、何事かね」

「おっさんは引っ込んでろ」

「ふむふむ、お金で解決できることなら相談に乗るけど?」

 俺はおっさんらしく対応することにした。

「その女に、その女の弟と兄貴が、俺の仲間をヤク漬けにして売りやがったんだ」

 リーダー格らしい男は、ちらりと視線を後ろに向けてそういった。

「そんなことは聞いていない、いくら必要なんだい?」

 くだらない、くだらなすぎてあくびが出そうだ。


 男どもがブツブツと相談を始めるがもう聞こえない。

 たぶん、一人だからやっちまえとか金をもらってとんずらしようとかそんな相談だろう。

 

 リーダー格の男が銃を構えて俺に狙いをつける。

 遅れて他の連中も同じ事をする。

 ステレオタイプの応対に俺は少し怯えたふうに、

 「おいおいまちなよキミタチ」というと

 発砲しやがった。

 俺は一歩も動かず、首だけかしげてその弾丸を避ける。

 

 女はちゃっかり無人タクシーの中にいてそのまま車が発進する。

 「やれやれグルか・・・」

 

 オメガに車を停車させるよう指示しながら、全員を地べたに這わせた。

 30秒もかからない。

 

 俺は車に駆け寄るとすでに中は静に制圧され、鼻血をながしながら女が伸びていた。

 

 こやつ車に乗った瞬間グチグチと、よくわからんことをわめき始めたんじゃ。

 

 「なんでも、ゆうじとわかれてとかなんとか」

 「ま、後は任せた」

 とめんどくさそうな顔をした。

 「いや任されても困る」という声は虚空の彼方に吸い込まれてしまった。

 

 静の気配が消えると、申し訳なさそうな顔でカレンが「えへへ……」と頭をかくが無視して

 鼻血を出した女を車から引っ張り出す。

 女からジャケットを取り返すと車に乗った。

 ジャケットに血がついてないかどうかは念入りに確認した。

 カレンは上目遣いで俺の顔を見ながら言った。

「何も聞かないの?」


「何がだ」

 俺は無表情にそう返した。


「そういうとこよ、九十九君」

 俺はそのセリフを無視した。

 俺はあまりにも退屈で少しまどろむことにした。

 

そんなことはお構いなしに

「か、勝手に喋るからいいもん」

「ゆうじって、幼馴染で、なんていうか腐れ縁で、親が決めた許嫁?ってやつなの」

 聴覚っていうのは、塞ぐことができないらしい。


「私の誕生日に、私の気持ちが変わらなかったら……」

「でも急にジャングルに飛ばされて」

 ——————

「九十九くんに助けてもらって」

 ——

「私の居場所はそこじゃないんだって、思っちゃった」


「はぁなんだか喋ってスッキリした」

「約束、忘れないでよね」

 俺はふと遠くに行かないかと誘われたことを思い出したのだった。

 

<続>


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