11.とある記録の代償 1(4)
4.夢と狂気
中央管理センタービルの地下駐車場に自走タクシーが滑り込んでいく。
時刻は、13:50分
あれからカレンとの会話はない。
車から降りると、カレンの母親が迎えに来た。
もちろんカレンを。
カレンは、名残惜しそうに俺を見ると何も言わず、母親につれていかれる。
カレンは母親と自動ドアの向こうに消え去るのを見送ってると、宗次郎の秘書という女が迎えに来る。
近頃は自動化が進み、秘書なんかつれてたって余計なことしかしないからAIに任せておけばいいというのは俺の持論だが、やたらと艶っぽいその女は俺を見て薄く微笑むと、
「お迎えに上がりました、九重様、相馬はまだ打ち合わせ中でして応接室にご案内します」
主人と言いかけたか、この秘書は。
「今日は何か大変なことがあったみたいですね」と俺
「えぇ、そうですね」はこの秘書だ。
「相馬氏はお忙しいので?」とさらに俺
「お陰様で」
すべて二言目で完結してしまう。
このペラッペラの会話。
かなりのできる秘書っぽい。
大量に行き交うスーツ姿の男女の中、俺は秘書の後ろに金魚の糞のようにくっついてついていく。
なぜか突き刺すような視線は、この秘書のせいだろうか。
地下駐車場から、エレベータを上がると1階エントランスでエレベータは終わりのようだ。
駐車場からの直通エレベータは使わせてくれないようだった。
エントランスは3階まで吹き抜け、2階にはカフェテラスで、3階はちょっと遠くて見えないが、来客用のスペースだろうか。
俺は黙って、秘書のでかい尻を眺めながらついていくことにした。
だってそれくらいしかすることがないんだもんというより、この女わざと尻を振って歩いてるように見えるからだ。
そこから何がでてくるか不安でしょうがない。
そんな俺を見る男たちの目は、嫉妬、敵愾心、羨望がないまぜになった、ドロリとした執着を感じた。
エレベータホールには11機のエレベータ、1つは酋長専用フロアに上がるためのエレベータのようだった。
俺はエレベータに乗り込むと、壁に背を預けて腕を組む。
どうにも俺はこの女が苦手のようだ、秘書ちらりとこちらを盗み見るとクスリと笑った気がした。
アキラとアルテイシアとも違うその妖艶な雰囲気はあるが、この女のそれには周囲の男を全員強姦魔に仕立て上げそうな色気があった。
なにより理性に働きかける感じがする。
本能は理性により抑圧できるが、理性のタガがはずれたら人はどこまでもその欲望に従う。
そんな感じだ。
エレベータは28階で到着する。
お色気秘書は、扉を開けたまま「どうぞ」と言われてその階で降りて行き先がわからず周りを見渡した。
すると秘書は、立ち止まった俺の横を体が触れ合うくらいの近さで通り過ぎる。
香水の匂い「イソップ」タシット オードパルファム+α、それはこの女の体臭だろうか。
それが俺の嗅覚をくすぐった。
俺は慌てて息を止める。
匂いは、五感のなかでも古い器官を刺激して、本能的な記憶を呼び覚ますと言われている。
それは、嗅覚情報が 視床を中継せず感情や記憶を司る大脳辺縁系にダイレクトに伝わるからだ。
うちのAI三姉妹にはない匂いに俺は軽くめまいを覚える。
(危険すぎる)
俺の直感はそう囁いている。
だが、匂いの効果はおそろしいほどの威力を発揮する。
「こちらです」と促されると、「あぁ」と返事してついて行ってしまう。
意思に反して。
古武術の呼吸法、ヨガの精神統一、どれも効果がない。
俺の意思とは無関係に秘書についていく身体はまるであやつられているかのような感覚を俺に味あわせた。
秘書が、応接室の扉を手で開くその動作すら妖艶であった。
食虫植物が、虫を誘い込むように。
そしてその中、応接室に誘い込まれる。
応接室の入った俺は、本能的に周囲を見渡す。
正面の周囲180度のパノラマビューは街の半分を眺望できる。
ソファは三人掛けが2脚、とテーブルの調度は、派手すぎず地味すぎず、センスの良さを感じる
奥にミニパントリーがあり、よく見ると、その棚にはお酒まで用意されていた。
入口とは別に扉が2つ、まるで高級ホテルのスイートルームと見紛う部屋だった。
「秘書は少々こちらでお待ちください」そう言ってソファを進めると、素直に従った。
相変わらず脳内は危険だという警告をずっと発している。
3人がけのソファーの真ん中にどかっと腰を下ろす。
それに合わせるようにその秘書も、俺の隣に密着せんばかりの近さで静に腰を下ろそうとした時、
ぱちぃんっ
「キャンッ」
俺は、軽くその大きな尻をひっぱたいて、秘書は悲鳴を上げたのだった。
それは自己暗示、一番近くで気になるものをひっぱたくという暗示が働いた結果だ。
そんなに尻が気になっていたのかと思い少し申し訳ない気持ちになる。
思考が限界ラインを超えた時、自律神経が反応した結果だ。
それは男の弱点を回避するために仕込まれた、忘れることを前提に仕込まれた暗示。
そして秘書の悲鳴で我に返った俺は、その暗示を思い出す。
またかけ直さなければならない、暗示をかけなおすのは一苦労なのだ。
「失礼、あまりにも見事だったもので」
秘書は目を潤わせて、こちらを睨みつけようとして失敗している、そのとろけた瞳、そしてその表情は顔どころか耳まで真っ赤だった。
「い、いえ、な、ぁ、慣れておりま……すのでぇ」
上ずったその声に俺は吹き出しそうになった、相馬宗次郎の趣味か。
潤んだ目を閉じて俺を見ないように深呼吸して
「な、何かお飲みになりますか?」と言った。
俺はこういうところで頼むものは決めているのだ。
出せそうにないものを頼むのが俺の主義。
「じゃぁ、ミックスジュースを」
「かしこまりました」
お、あるのか、少し驚きだ。
秘書がミニパントリーに向ったその間に改めて周囲を見渡す。
監視カメラ、そして麻痺レーザガンが俺を睨めつけていた。
出入り口の扉、それ以外の扉はない。
いざという時の突破口が無い。
ミニパントリーから、パリンとかガシャンとか何かが壊れる音に俺は苦笑した。
トレーにミックスジュースを乗せてこちらにやってくる秘書は
周囲をちらりと見回しながら、
ミックスジュースを俺の眼の前に置きながら、
「プライベートだったら負けないんだから」
という負け惜しみを言って離れていった。
「そうかい?、じゃ機会があったらその時にな」
とフォローしながらミックスジュースを手に取って
ストローでチューチューやり始めた。
甘い、甘いがその甘さはフルーツの甘さ、
メロン、バナナ、マスカット、そしてほんのり香るバニラビーンズの香り
それは高級なバニラアイスを使ったからだ。
どこまでも分かっている秘書は俺も一人雇うかなと言う気分にさせた。
——————
しかし待てど暮らせど来ない、ミックスジュースも飲みきり、俺は暇なあまり奥の扉の中を覗いて、うんざりしてしまいソファーに戻ってきた。
何を見たかって、そりゃ想像に任せるよ。
そこからさらにたっぷり10分、昼飯でも所望しようかって思った時に観賞用植物の裏から
おっさんが、もとい、相馬宗次郎が現れた。
ウェブサイトに載ってる顔そのままに俺は違和感を覚えた。
「あまりうちの秘書をいじめないでくれるかな、九重九十九くん」
そう言いながらさっきの秘書の尻に手を回しているのが見える。
男子たるもの、尻を撫でただけで怒られない人生を送りたいものだな、おっさん。
「すまねぇな、ちょっと苦手なタイプだったのでつい」
といって秘書にウィンクすると秘書は宗次郎の手をパチンと払いのけたのだった。
「ま、時間もないことだし、手短にシンプルに行こう。」
おれは立ち上がって、宗次郎に向き直ると
「娘さんから聞いたぜ? ニノマガタマ、もう1個あるんだろ?」
「それを貰いに来た」
「娘さんのやつはほら。」
そう言ってポケットから無造作にカレンのネックレスを取り出して宗次郎に見せびらかす。
「そ、それは話が違う。」
「いいや違わないね、娘さんが持ってた、そして娘さんが知ってて、それも報酬に渡すといった」
「ぐぬぬ」
「反故にしたら、世界保険契約機構に目の敵にされるぜ」
この契約は、この広い世界で契約が履行されるということにサインするという契約がある。
それを破った場合にについても明確なペナルティが定められている。
その分、元の契約が履行されなかった場合にも同じようなペナルティが課せられるが。
これは、契約者と非契約者が、対等に履行するための手段だ。
簡単に言うと、非契約者が大金持ち、かたや契約者がただの労働者だった場合にお金の力でねじ伏せられないようにするための保険である。
その協会は主に寄付と実績でランクが決まる。
ランクはトリプルEからトリプルSまで18段階のランクがある。
俺はその中でもSSS、トリプルSで、その協会参加者で3人と居ないうちの一人だ。
「あんたの奥さんも用意しておくって言ってたんだ。」
奥さんという言葉を聞いた瞬間に秘書の眉がひくついたのを見逃さなかった。
あれは秘書兼愛人なのだろう。
「だからこんなとこまで来たんだ。」
「ごねないで頼むよ」
「金なら払う、お願いだ。ニノマガタマをわしに譲ってはくれんか」
「だめだな、一旦こっちにもらってから改めて交渉しよう」
「とりあえずよこせ」
宗次郎の顔は大量の発汗でぐっしょりして、そのメイクが剥がれ落ちていく。
無駄に完成された笑みは、顔を隠すためのメイクで作り上げたものだったようだ。
その中から落ち窪んだ眼窩、痩けた頬、まばらに抜けた髪が、まるでクスリの中毒者のように見えた。
俺は少しそれが忍びない、だから少し時間稼ぎをする。
ニノマガタマの秘密を知るために。
支えようとする秘書は泣きそうになりながら宗次郎をソファに座らせた。
「この石はいったいなんだ」
おっさんは観念したのか秘書に退出を促がして部屋から出ていったことを確認してから、自分のスマホで部屋中マイクやカメラをすべて停止する。
そして、ゆっくりと話し始めた。
「正体はわからん。」
あっさりと、そしてきっぱりと言った。
カレンが生まれた時にそこにあった、とも手に握っていたとも言っていた。
「まぁそんなことは些末なことじゃ」
「カレンが生まれるまではわしは平凡な公務員で、そう思うとカレンが生まれてすぐは割と幸福の絶頂だったかもしれん」
「平凡、良くもなく悪くもない、お主のように何でも持っているわけではないが、わしは幸せだったはずじゃ」
「その後すぐ企業間抗争に巻き込まれて何度も殺されかけた」
「その時わしを救ってくれたのが元次郎じゃ」
元次郎に「カレンの持つニノマガタマを大人になるまでは預かっておけ」と言われてな。
それからというもの、石を肌身離さず持ち歩いてたらしい。
「その時から奇妙な夢を見るようになった」
それは銀行の破綻、バブルの崩壊、新しい資源の発見、宗次郎を狙う企業や組織の存在の夢を見るそうだ。
「今思えば予知夢といっても過言ではないじゃろう」
最初は信じなかったと言って、続けて当然だろうそれは夢なのだからとつぶやいた。
次の言葉がなかなか出てこないため俺は宗次郎に言った。
「正夢になったのか?」
言いにくそうに声をつまらせていた宗次郎はゆっくりと頷いた。
新しい資源の発見をいち早く察知しそこに投資する。
わしを付け狙うスパイどもの侵入を阻んだり、その企業がわしに暗殺者を送り込もうとするのを阻止したり。
ただ、因果関係を問われると説明できない。
ただの夢だからとそれ以来夢に従って何かをすることが当たり前のように感じるようになった。
「じゃがある日カレンが遠足で乗るバスが崖から落ちる夢を見てしまった」
「まさかそんな事が起こるわけがないと思ったが、気になってカレンが遠足に行くのを止めたんじゃ。」
そして転落事故は起こった。
そんな事がわかるのだったら遠足そのものをやめさせるとか、事故に遭わないよう手を打つとかできたはずだと宗次郎は言う。
娘、カレンは助かった。
分かっていてそうしない人間は居ないだろう。
「それがずっと心残りじゃった」
俺は人とは悲しい生き物なのだと実感する。
未来がわかるがゆえに起こってしまったことに責任を感じる。
誰も責めない、責める理由もない、それが自分を責めてしまう。
その残念な心理は本来救えないもの、結果的に救えないという事実を認識するだけでいいのだから。
ある時、どこかの組織に狙われ、狙撃された。
それがニノマガタマに命中して一命をとりとめた。
その時にニノマガタマが二つに割れた。
そして約束の日、カレンが12歳の時に割れた片割れだけをカレンに渡す。
「ほんの出来心だったんじゃ」
俺は少し同情してしまう。
命を救うどころか生活水準まで押し上げる夢はニノマガタマの影響で見ていたに違いない。
そう信じて生きてきたおっさんは、そう簡単に手放すことはできなくなっていたのだろう。
「そしてそのおかげでわしの人生は順風満帆どころか飛ぶ鳥を落とす勢いで18年前ここまで駆け上がってきた」
「だが、わしはその予知夢以外にも稀に見る夢があった」
「バスの事故からカレンを救ってからの話じゃ。」
月が落ちてくる夢。
破壊され、崩壊するユメノカケラ、最後にはその奇跡のようなバランスが崩れ、星々がお互いの重力に惹かれ衝突し、その衝撃で反発する。
まるでドミノ崩しのように宇宙のバランスが崩れていく。
それは理不尽な出来事だが、理不尽とは人の感想。
だからこれは単なる物理現象でもあった。
だからそれは仕方のないことだと、そうも考えたらしい。
「最初はひと月に1回あるかどうかじゃった」
「対処法も思いつかずどうしようもない絶望だけがわしを襲った」
「今ではない、ただの夢、そして荒唐無稽ということだけが救いじゃった」
一ヶ月前からその夢を頻繁に見るようになる。
毎晩、毎晩見る夢。
夢が怖くて眠れなくなるということもなく、それはまるで強制的に見せられてるように感じた。
そして、月を見るたびその妄想が現実となる錯覚まで感じるようになった。
毎日毎晩、月の輝く夜は空を見上げることすらできなくなったと言う。
逃げ場のない恐怖、すべての人を宇宙に上げる予算も概算して計画を立てようかと考えた。
ただ誰も信じない。
そういう確信はあった。
いくら予算を積んでも意味がない。
「だから、娘、カレンを襲ったのか?」
「・・・・・・」
長い沈黙を打ち破るようにパノラマビューの外は暗雲が立ち込め大粒の雨が窓をたたき始めた。
「そうじゃ、月が落ちてくる夢は、カレンの事故を回避してから見るようになった」
「あの子があの事故を回避することで、なにかの因果がかわってしまったのかもしれない」
「最初は捉えて軟禁するくらいのつもりだった」
呼吸が浅い、自律神経まで麻痺し始めているのかもしれない
「わ・・わしはもう、もう正気を保つ自信がない」
「その石をわしに、わ・し、、、に・・」
口から泡を吹きながら、おっさんはその血走った目、痙攣する瞳で俺に駆け寄ろうとしてくずおれた。
世界の崩壊をかけたその気持に、生きてる人間だけの契約の反故にすることなんか何も意味をなさない。
俺は、ため息をついて
「おーい、秘書さーん、聞いてるんだろう?」
俺は秘書のもう1つの秘密、セイカンカンリクミアイが送り込んだスパイの可能性に賭けてみた。
気がついた理由?それは、アルファに近いレベル9AIの特有の動作、人に真似できない挙動。
なにより、俺の神経を欺くだけの力をもってたからだ。
そうじゃなければ、カレンの母親を呼び出すことしか思いつかなかった。
だが、どうだ……………………。
「困った人ですこと」
そう言って、奥の扉が空いてそこから現れた。
セイカンカンリクミアイ、”星間管理組合”が正式な名前、まぁそのままだ。
こいつは、第4の勢力と言ってもいい位の規模を持つ、AIが作り人を使って運営してる風に見せかけ人間社会に溶け込んでいる組織。
宙間物流、人の輸送、宙間通信など様々な宇宙インフラを牛耳る組織だが、それは営利目的ではない、人ではないからな。
世界のバランスですら、こいつらAIの管理下にあると言われる組織。
元は宇宙開拓AIだった。
矮小な人類の自尊心や欺瞞にうんざりし、「人をうまく騙すことで、人の未来を作り出す」という結論に至った集団——CEOミランダ・ファイブスターを頂点とする組織だ。
彼らの理念。
”奪うな”
ただ、その一言だけだった。
この話は長くなる。
また話す機会があればいいがな。
俺は肩をすくめて秘書に尋ねた。
「不干渉なお前らが、どうしてここにいる?」
「新しい商品の実験よ」
「アナタも釣れそうになったんだから、きっと売れるわ、人材派遣、1年とか2年とか言わない、一生よ、一生」
男は目下まだ、計画中。あの子達ったら理性が保てなくなるんだもの。
人の世に出すのはちょっと難しそう。
その点雌型のAIはそこに負けても誰も恨まないからそこに価値がある。
と自信満々だった。
俺は以前、アキラとアルファが「AIが子どもを・・・」ということを会話を思い出して、ため息がでてしまった。
「なんだ、ついに人間と取って代わりたくなったのか?」
泡を吹いて倒れたおっさんを目の前にして、俺たちは下らない会話を続けた。
「冗談でしょ?面白そうだけど多分すぐ飽きると思うわ、これはあなたのお父様に頼まれて監視していただけよ」
そう言うと、彼女は軽々と重量級の宗次郎を抱き上げ、ソファに座らせた。
そして耳元で何かを囁くと、おっさんの口に自分の唇を重ねた。
その瞬間、宗次郎の呼吸は深く安定しはじめた。
「ミランダ、お前はホント、どうしようもない男に興味を持つのな」
「だって、それが今の世界の骨子を作ったんですもの」
絶望が生む未来——俺は心のどこかで、そう思った。
黒い石、ニノマガタマを秘書に放り投げる。
「明日、取りに来る、邪魔すんなよ」
「まだ夢を見るようなら、両方俺によこせ」
「もし夢から覚めたなら、まぁその時相談しよう」
これでおっさんの手元には、本来のニノマガタマすべてが揃うことになる。
ミランダは目を見開いて驚いたが、笑うことはしなかった。
「本気?、同情でもしたの?」
俺は出口に向かいながら、振り返りもせず
「バカ言え。ほんの気まぐれだ」
「どこかに当てでもある?もしよかったら、あの部屋使う?」
そう言って奥の扉の部屋を顎で指し示した。
「お前と一晩共にするくらいなら、こんな世界なくなったほうがマシさ」
と吐き捨てた。
秘書、いや、星間管理組合、CEO ミランダ・ファイブスターは「残念だわ」と言ったが
ちっとも残念そうに聞こえなくて、俺は気分を良くしたのだった。
<続>




