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「シーラカンスは太古で現世の夢を視る」  作者: トリササ


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17/24

#17 水の国散歩

クリスタルは

「この後、キンセイはどうしたい?何かしたいことなんかある?あるなら付き合うわよ」

時刻はどのくらいなのだろう。

窓の外へ視線を移すと、外はまだ明るいようだった。

「この周辺をちょっと散策したいわ。見るからに不思議なものばかりなんだもの」

空飛ぶ魚に、水晶の木々、本来あるべき姿と思っていたものが想定外の現象となって現れた。

他にももっと面白そうな何かがある予感でいっぱいだ。

「いいわよ。オススメのカフェなんかもあるから散歩に疲れたらカフェでお茶しましょう」

「カフェ」と聞いて、この世界にもカフェ文化が根付いているのかと興味を惹かれた。

「それいいわね」

菊花の提案に即答する。

時代はどうであれ、地球であることには変わりなく太陽が輝いている。

ここはやはり太陽系惑星に属している地球なのだろうと思われる。

そして、現状では地球のオーリカ大陸は四つの国に分割されているらしい。

思うに国境線も果てしない広がり具合なのだろう。

菫青が本来いた時代の地球では、アフリカやユーラシアと云った何個にも分かれている大陸でも人間からすれば広大であるのに、それらがひとつにまとまれば計り知れないほどの超大陸となっているはずだ。

余程の沿岸部にいない限り水平線を拝めることは出来ないであろう。

菫青が現状で睛に映しているのは、木々の向こうに見える沈むには少し早い時刻の太陽である。

これから夕刻の彩りを魅せる準備を始めているような情景だった。

空気が澄んでいる。

「ここの空気はとても澄んでいて、息をしているのがとても清々しいわ」

深呼吸をしながら菫青が伸びをする。

「そぉ?まぁ、水の国は自然豊かであるからね。あとは水晶化した木々が放つクリスタルエナジーのお蔭ね」

そう云えば、街中に溢れる水晶の樹木が空気清浄機となっているのだろう。

便利なことである。

「ええ、そのエナジーのお蔭ね。きっと、元々水晶には浄化を作用するパワーがあるから余計ね」

菫青のいる世界は生活に便利なもので溢れてはいるが、常に電磁波に囲まれて身体の不調や精神の不調にも多大な影響を及ぼしている。

菫青宅にも各部屋ごとに水晶ポイントやクラスターが置かれていた。

水の国の水晶群には遠く及ばなくても掌サイズであってもパワーは変わらないと思いたい。(希望)

「まぁ、この国は自然と人間が調和し、よき方向に合致している世界だからね。他はもっと近代的未来設計が為された国もあるわ。特に地の国なんかは自然な木々よりも建築的な人工物の集合体が樹海の如くとなってて余り自然豊かとは云えないかな。それと、どの国でも云えることだけど、善良な人間もいればそれに相反する人間もいるわ」

「国々によって違うのね。面白いわね」

それはそれで興味深い。

「人々に関しても私のいた世界とは変わりない気がするわ」

人々の本質はいつの世も変わりないものなのかも知れない。

「そうなの?でも人なんてそんなものなのかしらね。まぁ、国によって特徴はそれぞれの王国で違うかも。風の王国は自然と人工物が混在していて風の守護神が味方にいてくれるから心強いと思うわ。火の王国はその名の通り火山の国なので温泉大国だったりするのよ。水の国、風の国、地の国からたくさんの人々が癒しを求めてやって来るわ」


nextsoon #18



空気清浄機なり

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