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「シーラカンスは太古で現世の夢を視る」  作者: トリササ


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12/24

#12 再会

ルビィとサファイアのファッションは

#12 再会


「紅玉?青玉?」

「ごきげんよう。菫青様。こちらの世界ではルビィとサファイアが通り名です」

紅い髪の紅玉が「ルビィ」で青い髪の青玉が「サファイア」だろうとの見当はつく。

「まさか、アナタ達もこっちの世界に存在しているとは思わなかったわ。でも逢えてなんか嬉しい」

「えー、なんかヒドくない?さっきの僕への対応と全然違うしー」

先ほど対峙した時とは態度が百八十度違う菫青の対応に天藍がふてくされた。

そして、一人称が変わった。

「天藍様のことはお気になさらずに。ワタクシ達はいつ如何なる時も変わりはないですよ」

「そうそう。天藍様は放っておけばいいのよ」

次元が変わっても、青玉と紅玉の二人にブレはないようだ。

「ふふ、頼もしいわね。向こうでの二人はカフェギャラリーのメイドさんだったけど、こっちではなんかもっと華やかでありつつ、ガーリーなフリフリヒラヒラなお洋服なのね。それもステキね」

ファッションにはそれなりに趣味嗜好の拘りがある菫青だ。

やはり、行き着く先は身にまとっている衣服へと目がいく。

「ありがとうございます。はい。こちらはヒーリングサロンですので、お客様の癒やしとなり得るお召し物をと心掛けております。お褒め頂き大変に嬉しいです」

殆どの回答は青玉がする。彼女の対応は誠実で丁寧だ。

自身の青い髪と同じ青系のティアードワンピースに描かれているのは勿忘草の小花柄、それが彼女の清楚さを際立たせている。

胸元に着けているコサージュも繊細な造りの小さな青色の花弁が可愛らしい勿忘草である。

逆に青玉とは対照的な紅玉の真っ赤と云うほど強烈な彩色ではない紅い髪は、どことなくピンクに近い彩合いのショートボブだ。

着用している服の色もくすみピンクのギンガムチェックのワンピースに、王道色である白の綿ローンのオーバーブラウスを羽織っている。

その中でも胸元のコサージュの一輪ひなぎくの赤色が特に華々しい。

二人それぞれの個性的な彩合いがパーソナルカラーとなっているのだろう。

「うん。他の色も着ている姿を見てみたいわ」

「はい。是非。菫青様のご要望承りました」

青玉の(ここではサファイア)の清々しい笑顔に癒やされる。

「ありがとう。青玉。それと、紅玉、じゃなくてルビィだった。そのピンクのお洋服も似合っててすごく可愛い」

青玉とばかり話をしていてせいか、どこかつまらなさそうな表情の紅玉に矛先を向ける。

「ありがとう。菫青様。うれしい」

自分に注目されて、紅玉が嬉しそうにはしゃいだ」

二人いて一人にだけ注目されるのはどうにもいたたまれず、身の置き場に窮するのだ。

菫青自身にも身に覚えのあることだった。

なぜなら、菫青には双子の兄とも云うべき存在がいるからである。

だが、気を配る必要はないし、余り神経質になることではないと思っている。

それがストレスとなって我が身に振り掛かっては元も子もない。

「キンセイ。行くわよ」

仲々終わらない会話に菊花が痺れを切らせた。

顔見知りに出逢えたことが嬉しくて、ついつい立ち話に花が咲いてしまった。

「あ、はい。それじゃあ、またね。紅、じゃない。ここではルビィとサファイアだったわね」

待ちくたびれた菊花に急かされて、菫青は青玉と紅玉の二人に一旦、別れを告げる。

「はい。菫青様。またお逢い致しましょう」

「またね」と軽く手を振り菫青は菊花のあとを追った。


next soon →#13


カネコイサオ氏デザインのイメージ

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