第二章 21 昼休憩、そして
21 昼休憩、そして
公衆トイレからやや離れた草地。大きめの石がいくつか転がっているので、三人はそこに腰を下ろす。
「草が伸びてるな。その実とか、汁が布に付くと取れないから気をつけるんだぞ」
ボウが草を払いながら自分のバッグも地面に下ろす。
「オレらのズボンは濃い色だからよっぽど大丈夫だろうけどな。さっき噛まれたとこも目立たねーし」
「でもお尻やリュックの下で草の実が潰れてたら嫌だよね、よく見ないと」
草ってすごいよね、こないだ来たときはこんなに生えてなかった、潰すと濃い色が出るのあるよね、昔は草でおままごとやったね、などと話しつつ、三人は弁当を取り出した。
「水を出すね」
ミーヤは魔法水筒を出し、精神を集中する。
昨日宿屋でやったように、『残水の魔法』のかかったこの水筒に、綺麗な水を出すのだ。
戦闘で魔法は使ったが、そこまで疲れてはいない。体調も悪くない。
濁りのない、綺麗な水が水筒に満ちるのをイメージする。
「……水よ!」
イメージ通りの透明な水が、魔法水筒に満ちた。
「できた。みんなどうぞ」
ミーヤはそれぞれのコップに水筒から水を注ぐ。
「あーうめー! 動き回ったからな。もう一杯いいか?」
マアチが一息で飲み干す。
「魔法で飲み水を出せる人は大事なんだよ。水って重いから、でかい水筒を抱えて魔物狩りに行くのは大変だからね。ミーヤがいてくれてよかったよ」
ボウも水をおかわりする。
「一応、水屋の娘だからね。三人分の水ぐらい出せないと」
ミーヤは笑顔で水を注ぐ。
一昨日の生理初日は、生理痛で自分が飲むだけの水も出せなかった。だが今は、二人に喜んでもらえる。自分が役に立っている、と実感出来るのは嬉しい。
三人は弁当を取り出して食べる。パンに具がはさまれた、はさみパン。テーブルが無くても食べられて便利だ。
食休みをし、山に戻る前に、またトイレに行く。ミーヤの出血はほぼ無かったので、ナプキンは取り替えなかった。マアチも、山の中でトイレに行きたくなると困るので行った。荷物の番を交代し、今度はボウもトイレに行った。
「さあ、後半も頑張ろう!」
三人は山に戻り、魔物を探した。
やがて葉獣が一匹見つかったので、ミーヤとマアチで倒した。
しばらく歩くが、次はなかなか見つからなかった。
やがて、
「たーすーけーてー!!」
悲鳴が聞こえた。




