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福島正則、長浜へ

読者の皆様。


本編を読んでいて、こう思わなかっただろうか。


「福島正則って広島じゃないの?」

「なんで長浜なん?」


これは、作者も思った。


だがな、この世界線――関ヶ原が発生しなかった。


つまり、毛利家は大減封になっていない。広島もそのまま毛利領である。

なので、福島正則を広島へ配置する理由が無い。


「じゃあ、なんで長浜なん?」と思ったそこのお前。


作者は考えた。真面目に考えた。

そして――『徳川家康なら、こうするんちゃうか?』という結論に至った。


それが…これだぁ……。


ワン、トゥー、スリー……!



江戸城。


家康は各大名らの査定を行っていた。


「上杉は会津から越後へ。」


家康の言葉に、幕閣たちは顔を上げた。


「越後ですか?」


「不安分子は遠ざける。じゃが……恩は売っておきたい。」


正信はニヤリと笑う。


「上杉にとっては、越後は故郷。

会津は預けられた地にございまする。」


「上杉は越後帰還を悲願としていた。だからこそ……。」


知らせを受けた上杉さんは家中領民、全員大喜びしたそうです。


それから順調に査定は進んでいく。


「次、福島正則。」


僅かに空気が揺れる。


「近江・長浜へ。」


家康は淡々と答えた。


「あやつにとって、長浜は故郷であろう。」


「ふむ。」


「他に誰が適任がおる?」


「……確かに。」


幕閣たち、納得しかけている。


「それだけにございますか?」


正信だけ、違う所を見ていた。


「……石田治部が佐和山におる。」


「……あ。」


「三成が近くにおれば、あやつも無茶はせぬであろう。無茶する前に、三成が止める。」


ようやく腑に落ちた。


「つまり……治部殿に正則の手綱握ってろ、ということですな。」


「うむ。」


正信、少し考えて顔を上げる。


「丸投げでは?」


「丸投げじゃ。」


家康は即答した。


「あやつの世話を出来る者、他に誰がおる?」


誰も思い付かなかった。

しばらく沈黙が続き、やがて、正信がぽつりと呟いた。


「確かに。」


全員頷いた。


福島正則。


幕府から完全に猛獣扱いされており、石田三成はその飼い主と認識されていたのである。


なお、本人たちは知らない。


※因みに、正則の人物解釈は以下の通り

・三成→言うこと聞く猪

・うた→全力で尻尾振ってる大型犬

・重家たち三成の息子たち→父上が可哀想って理由で餌付けしたら、勝手に住み着いた猪

・左近たち石田家臣の皆さん→帰巣本能が異常に優れた珍獣

・福島家中の皆様→躾された猪


誰一人として、人間扱いしていない……。


そして、長浜へ国替となった正則は……。


「佐吉ぃー!長浜の米、持って来たでぇ!」


「倉に持ってって。」


月の半分は佐和山に入り浸っていた。

完全に、"独立したのに職場に近いから、という理由で実家にバンバン帰って来ている息子"状態だ。

余りにも自然なので、石田家臣たちは正則がやって来ると、「お帰りなさい。」と言っているぐらいだ。


「何書いとるんや?」


「紀之介から文貰ったから、返事。」


「アイツ、生きとったんか。」


「お前も文出したれ、喜ぶで。」


「じゃあ、紙と筆貸して〜!」


三成は、律儀に用意してやる。


「……なんて書こうか。」


「長浜に国替えなったって書け。」


正則は素直に筆を進める。

そして、正則から手紙をもらった大谷吉継さんは、『市松から文来た!アイツそんなマメな奴ちゃうのに!』と大変驚いたそうな……。


あれ?長浜は?


息子の忠勝と甥で養子の正之、福島家臣たちが回しているので、安心して下さい。


なお、正之は早々に諦めた。

『それが、これだぁ……!ワン、トゥー、スリー…』分かった方、作者と同世代です笑

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― 新着の感想 ―
ベストハウス123懐かしいw そして三成さん飼い主ってwww
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