表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/25

大坂城再建。現場監督VS.城オタク軍団

大坂城再建において、二の丸と三の丸の埋め立てが決定した。


だが、問題はそこからだった。


堂島の松平忠明邸。


「本丸はそのままでええやろ。」


加藤清正が言う。


「いや。」


藤堂高虎が首を横に振る。


「変える。」


「何でや。」


「今のままでは収まりが悪い。」


「収まり?」


「収まりや。」


意味が分からない。


「西の丸は?」


池田輝政が口を挟む。


「残す。」


「残さん。」


「残す。」


「残さん。」


「残す。」


「残さん。」


「子供か。」


忠明は思わず呟いた。


誰も聞いていない。


「それより石垣や。」


黒田長政が図面を指差した。


「爆発の影響で崩れとる部分がある。」


「盛り土で補強できる。」


「いや、新しく積み直した方がええ。」


「石が足りん。」


「採ればええ。」


「どこから。」


「探せ。」


会話が雑だった。


「天守はどうする?」


高虎が口を開く。


その瞬間、全員の目が光った。

忠明は嫌な予感がした。


「大坂城やぞ。」


高虎が言う。


「天守は必要や。」


「そんなに要らん。」


長政が即答した。


「見栄や。」


「城は見栄も大事や。」


「予算。」


「夢。」


「予算。」


「夢。」


「予算。」


「夢。」


「予算。」


「夢。」


「予算ーーーっっ!!」


忠明の叫びが堂島に響き渡った。


全員が静かになる。


「上様から厳命されておる!」


忠明は机を叩いた。


「予算厳守!」


「はい。」


「勝手な増築禁止!」


「はい。」


「工期延長禁止!」


「はい。」


「予算超過禁止!」


「はい。」


全員、素直だったので、忠明は少し安心した。


しかし、三日後。


「石が足りん。」


「足りんな。」


「採掘するか。」


「せやな。」


忠明は天を仰いだ。


(先が思いやられる……。)


こうして大坂城再建工事は始まった。


まずは危険な二の丸、三の丸の埋め立て。

続いて石垣の補強。堀の整理に、縄張りの再編。


そして……


「天守どうする?」


「大坂城やぞ?」


「だから予算は厳命じゃと申したでしょ!

それでは、超過します!!」


何度目か分からない論争が始まる。


こうして、大坂城の再建は進められ……完成まで九年掛かった。


松平忠明は後年、この時期を振り返る。


「戦より疲れた。」と語ったとか語らなかったとか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ