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元アラフォーが皇女に転生?!元暗殺者の少年を拾ったので育てます!  作者: 桜月ふたば


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EP40. 別れの夜

私は、部屋でステータスを確認する。魔力が30%に回復していた、

「猫ちゃんが魔力を補給してくれたのね。」


毎日側で眠ってくれて、たまに温かい魔力が流れ込んでいたのを感じていた。

子供の体では沢山食べることが出来ない。

補給が困難になっていた所で助かった。


「猫ちゃんの名前決めなきゃ。」

「モフモだから、モフィー? フィー?んー…。」


「毛玉でいいだろ? …痛って!!」

シャァー!!―ガキ!ゆるさん!―


いつの間にか昼になり、鍛錬から皆戻って来た。

「…お花の匂いがするから、リリーはどうかな?」


ニャァ~♪ ―さすが主!いい名前だ!―


「花の匂い?土のにお‥ うぐっ!!」

ドゴォ!!毛玉の猫パンチが少年のお腹を突いた。


「師匠に向かって失敬な!!」


「!! 分かる!聞こえるわ!リリーの声!」


「きっと本契約が名付ける事がキーだったのだろう。良かった!」

リリーはサーシャの膝に座る。


「…力が…魔力が溢れてくるわ…。」

体から淡い紫色の粒子が輝き出した。


ステータス画面を見るとMAXまで回復していた。

―これでやっと城へ帰れる。―


リリーの耳がピクリと動く

「主の魔力が回復したな。」


「…。良かったな。」

クレールは少し悲しそうだった。


「あの…。ずっと気になっていたのですが質問をしても?」

ラークが側へやって来た。


「はい。大丈夫ですよ」

「…。サーシャ様のその魔力、髪や目の色…。あなた様はもしかして…。」


「…お察しの通り。こちらにも事情がありまして…。」


「…。ラーク!サーシャはサーシャだ!例えどんな姿でも」

ベッドから静かに降りた私は、久々に変身の魔法を使った。


「この姿で城以外の場所では平民として動いていました。」

「すぐ魔法を使って大丈夫なのか?」

心配の目でクレールが駆け寄ってくる。


「うん!もう大丈夫!ありがとうね。」


魔法を解除し、少女の姿に戻った私は今後の事について皆と話し合った、


ラークを一旦信用し、少年が10歳になったら変化の魔法で別人にさせる事。

あと私がずっと考えていたその先の事も。


「…それは、いいのでしょうか?」

「…俺は、サーシャの側に居られるならそれでいい。」

「決まりね。」


「ただ、それを実行するにあたって…暫く私はここの家には来れないわ。」

「…あぁ…。そうだよな…。」


「必要だと思うものは、私がここを出るまでに2階の空き部屋に置いておくし

食料は1週間に数回、手配するから」


「我は定期的にここに来てやるから!安心するがよい!」

フンス!と誇らしげにリリーは言う。


「この家も移動させるからちょっと待ってて」


解除した場所になっているままだと危険だ。

地図のピンをいじる。 休んでいる間に移動可能なのが分かってよかった。


「私、初めて使う機能だから…。皆目をつむって」

実行ボタンを押す。

私は地図のピンを大分離れた場所に設定し直した。


「目を開けて大丈夫だよ。」


窓から見える風景が平らな草原ではなく、深い森の中のようで少し薄暗かった。


「結界をリリーも張ってくれるかな?私も設定するから。」

「もちろんだ主!張ってくる!」


しっぽを揺らしたリリーは、瞬時に目の前から消えた。


鍛錬で使う木刀や筋トレグッズ。大人と子供用の服をいくつか

少年は街で買ったので、鍛錬する際に着る服中心に色々揃えた。


「ふぅ~こんなもんかな?」届いた荷物はラークが2階に運んでくれた、

ふと、クレールがずっと居ないことに気づく。


「あれ?クレールは?」

「外で家の周りの木を切っていくと聞いたのですが…。見てきます。」

ラークは家を出た。


「久々に料理を作ろうかな!」

私は変身してからキッチンへ向かう。


「クレール様!」

「おう、何だ?」

「…。ご様子が…サーシャ様の件ですよね?」

「何のことだ…?」

振り返らず木に切れ込みを入れ続ける。


「斧じゃなくて…私の剣です…それ…。」

…!固まるクレール。

「斧持ってくる…。」

数歩歩いて立ち止まる。


「別に、寂しいとか思ってないから。あいつの居る場所は元々城なんだし…。」

「ただ、次会うまでに俺も強くなってねぇと…って思っただけだ」

「なれますよ。クレール様なら。」

「…。あぁ。」

~~~~

良い匂いがする。 

「おかえり~! 久々に料理沢山作ってるの!」

いつもの優しい大人のサーシャだ。

「今日は何作ってるんだ?」

キッチンの鍋を覗くクレール。


「唐揚げと、カレーと、おでんと親子丼と…。」


「げっ!!草が見える…。」


「サラダも久々だよね^^沢山食べようね!」


ラークも家に戻ってきてから、食卓に料理を並べる。


「いただきまーす!」

皆で賑やかな食事をした。


「異国の料理ですか?とても美味しいです!」

「だろ?サーシャの作った飯は全部美味いんだ!!」

ご飯粒を口元につけながら、いつもの良い笑顔で笑っている。


「主!おかわり!! この茶色い肉大好きだ!」

―幸せだ…帰りたくないな…。―


あっという間に夜になった。


「主、いいのか?挨拶せず帰るとは。明日でもよかろう?」

「…多分挨拶したら、私…泣いちゃうと思うんだよね。」

「…。」


私は寝ているクレールのおでこにキスをした。


「また、すぐ会えるから。…またね、クレール。」

少年の瞼が、かすかに動いた。


「我は明日、挨拶してから主の元へ行く。」

「うん。待ってるね!ラークにもよろしく!」

「あぁ。」


「…帰りたくないって思っちゃう…。でも、行かなきゃ…。」

自分を説得するかのように、小さくつぶやいて一歩進む。


―私は城へワープした。―


「…弟子よ。寝たふりするな」

しっぽをペチッと床に叩きながら小声で言う


「チッ…バレてたのかよ。」

起き上がるクレール


「…。次に会う時はサーシャを驚かせてやる」

「それでこそ我が弟子。たんと励め。」


その日もリリーは、クレールが眠るまで側に寄り添っていた。

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