表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元アラフォーが皇女に転生?!元暗殺者の少年を拾ったので育てます!  作者: 桜月ふたば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/52

EP39. 報酬はいらないので、腐敗貴族を潰しておきました

犯人は投獄され、子供達の半分は親元へ返された。

残ったものは、他国の民だったので後日その国へ引き渡す形となった。


「ふぅ~…ひとまずはよかった。」 

書類をやっと書き終え一息つく王。


特殊な子供達へご飯や風呂を一通り行った翌日。

首輪の解除を行っていた。


パキパキパキッ ガシャン! 重たい鉄の塊が砕け散った。

「これでお前たちは自由だ。」


「ありがとうございます。」


「どこの国か?兵士で送って行くことも出来るぞ。」


「物心ついた時には奴隷商に居たので、行く当てはありません。」


「雑用でもなんでもしますから、置いてもらえませんか?」

大きい涙の粒を落としながら子供達は言った。


「悪いが…私はこの国の者ではない。復興がある程度終わったら、国へ帰ってしまうのだ。」


落ち込む子供達。


「私。金が出せます!役に立てます!」

少女の手から金の粒がいくつも湧いてくる。


「う”っ…。」

だが、それと同時に鼻から血が落ちてきた。

「…。そんな事しなくていいのだ」その手を包み込む。


「体に…負担がかかるのだろう?」

王は少女の血をハンカチで優しく拭く。


「…。はい…。でも、それが無ければ…私はなにもありません…。」


「命がある。それだけで尊いのだ。」


優しく抱き寄せ頭を撫でる。 

娘が同じ目に遭ったらと思うと他人事だとは思えない。


「皆、搾取されていたのか…。」

怒りが込み上げてくる。


「我が国に来たいものはいるか?」 

全員が手を挙げた。


「陛下!それですと、摩擦が起こる可能性も…!」

複数の兵士が止めに入って来た。


「我が国で一旦よく考えるのもいいだろう。責任は私が取る。」

「ルーカス、この者達は我が国で暫く預かるとする。」

「悪いが、先に皆を連れて国に戻ってはくれないか?」


「御意。」


「私はこの国の王族に謁見してくる…。色々と話したい事が山積みだからな…。」

「騎士団長、例の資料を持って後で私の部屋に来てくれ。」

「御意。」


数時間後。

「ここだな。」

「はい。」

目の前の立派な城。証明書と紋章を見せ案内された道を歩いていく。

今日は騎士団長と私のみで謁見をする。


「この度の討伐、復興の手伝いまでして下さり…ありがとうございます。」

「報酬は少しお待ち頂ければと…。」


「報酬?金はいらん!」

「陛下!!いつもの口調はまずいですって!!」

騎士団長が小声で横から言ってくる


「堅苦しい挨拶、言い方は好きじゃない。単刀直入に言おう。

この国で一番偉いのは誰だ?」


「それは、国王に決まってるじゃないですかぁ…!」焦る騎士団長。


静まり返る広場。


「…国王ですわ。」王妃がゆっくり発言した。


「そうだよな?絶対的権限をもつ国王が強い。

では、とある貴族の一部の意見には全面的に従うという話を聞いたが本当か?」


「…民の意見を聞くのは大事ですので‥。」


「それが貴族以下の民が苦しむ結果になってもか?」


玉座に座っていた王が手を上げ

「人払いをしてくれ。」

初めて国王が口を開いた。


数名の城の者たちが外へ出て行った。

「そなた。何が言いたい。」最初とは打って変わって目が鋭くなっていた。


「魔物が居る場所から一番近い街・村。そこを管轄している貴族に特に甘いそうだが

それは本当か?」

「税率だけじゃない。魔物で危険なのに、街から出ないように通行を止め

一体、民がどのくらい犠牲になったと思っている!!」


「…。」

「その状態を知らなかったとは言わせないぞ?」

「先日、子供達を奴隷商人に売ろうとしていた懸賞金の男達は

その貴族の手下になっていた。こちらはもう裏も取れている。」


少しずつ玉座へ歩んでいくランクロッド。


「王よ…。いつから、このような腐った状況になっているのだ?」


「…。」国王は黙ってしまった。


「あなた…。もうお話したほうが…。」

王妃は心配そうに国王を見つめている。


「実は…。」

国王はそれから事情を話した。


「…。だとしてもだ、ここぞという時は跳ねのけるべきだと私は思うがな。」

「同じ国王の立場で言わせてもらう。 この貴族は没落させるべきだ。」


「考えさせてくれ…。その貴族たちの横のつながりもある。」


「後、他の貴族は何をしている?税収の元の一部である民達が大変な時に

税率を上げるだけで何もしていない。ふざけているのか?」 


「国王に向かってなんという口の利き方!」

王妃と側近風の男がガヤを入れてくる。


「私が求める報酬は3つだ。税率を下げ。通路を開放し。復興に協力しろ。

私がこの国を去る時までにやってくれ。」


「…何も言えんよ…。 分かった。その方向で進める。」

国王は書記官を呼んだ。

「お互いの為に、書面に残そう。」


書面をお互いに確認した後、サインをした。



「陛下…どうなるかと思ってヒヤヒヤしていましたよ…。」

帰り道で騎士団長が安心した表情に戻る。


「かなり抑えたぞ?」

「…。ひとまず。これで良くなるといいですね。」

「あぁ。」


兄妹達のパンが奪われたのは、奴隷として捕まえた子供への食料としてだったらしい。


後に、奴隷商人と繋がっていた貴族は一掃された。


私は、長い謁見の後に ある条約を結んだ目的は、雇用拡大の為。

この国の特産品を我が国へ貿易するという事になった。


その為の国道も広げる。 これで継続的な職業場所が生まれ犯罪も少しは減るだろう。

~~~~

露に濡れた草を踏みしめ、クレールは木剣を握る。

胸の奥にあるざわめきを…かき消すように、鍛錬をしていた。


王子だと言われ。産みの親にも捨てられ。

サーシャを完全に守れなかった夜のこと。

そして、未熟な自分のこと。


頭の中のモヤを払うように、剣を一振りして構えた。

「……来い。ラーク。手加減すんなよ?」

ラークは、静かに一礼した後剣を構えた。全く隙がない。

「御意」

次の瞬間。

ガキィン!!

重い衝撃が腕を貫いた。

「ぐっ……!」


一撃目を受けただけで、クレールの足が土を削って下がる。

速い。重い。無駄がない。


「なんだよそれ……本気で来いって言っただろ」

「これが本気です」再び踏み込んでくる。

受けるたびに腕が痺れ、呼吸が乱れる。

「チッ!」

クレールは横へ跳び、距離を取った。


今まで相手にしてきた裏路地の喧嘩相手とは違う。

これが、戦場を歩んできた剣なんだな…。


「どうした、殿……クレール様」

「おい!!その呼び方やめろ!」叫ぶと同時に踏み込んだ

怒りのまま振り下ろした剣を、ラークは容易く受け止めてしまう。


「なんで今さら現れたんだよ!」

ガン!

「なんで助けに来るのが遅ぇんだよ!」

ガガン!!

「俺がどれだけ――!」

剣が荒れる。呼吸も乱れる。


それでもラークは一歩も引かず、すべて受け止めた。

「……申し開きの言葉もございません」

低い声で微かに語尾が震えていた。


「探していました。戦から戻り、何年も」

「うるせぇ!」


「お前が早く来ていれば……!」


言葉が詰まる。視界が目から溢れてくる水で、うっすら霞んでいく。


育ての家で殴られた日。奴隷商に売られた夜。初めて暗殺した日。

この男がいたら…誰かが迎えに来ていたら。


そんな、沢山の【たられば】…分かっているのに…ラークにぶつける。


「…俺は、こんな生き方しなかったかもしれねぇだろ!」


渾身の一撃。ラークの木刀は砕け散った。

そのまま身体で受け止め、クレールごと抱き止めるように倒れ込んだ。


「っ……!」

土煙が舞う。

ラークは地面に膝をついたまま、頭を下げる。

「申し訳……ございませんでした」

「……」

「殴ってくださっても、斬ってくださっても構いません」

肩が震えていた。


「ですが……これからは二度と、あなたを失いません」

クレールの握る木剣が、わずかに震える。

怒りは消えていない。許したわけでもない。


「……勝手に決めんな」

「…。」

「俺は王子になる気もねぇ」

「はい」

「偉そうに守るとか言うな。俺は……」言葉に詰まる。

ラークが顔を上げた。

「では、一人のクレール殿としてこれからお守りします。」

「……ずりぃ言い方だな」

その時。


「なーに、2人でしけた空気出してんだ?」 塀の上から声がした。

見上げると、毛玉が尻尾を揺らしていた。

「毛玉…」


「弟子。怒鳴る暇などないだろ?遊ぶな!」

「うるせぇ」


「あと、その男。口より剣で示せ。こいつを早急に育てろ。」

ラークは静かに立ち上がる。

「…おっしゃる通りです。」


「よし。もう一回だ。両者構え!」

毛玉が偉そうに座り直す。

「次は二人同時に来い。我が相手をしてやろう。」

「はぁ!?」

「黙れ。主が起きる前に終わらせろ」


草原から家を見ると、朝日が少しずつ照らし始めていた。


クレールは木剣を握り直す。

さっきまで重かった胸が、少しだけ軽い。


「ラーク、ほれ!」 

毛玉から剣を投げられ受け取るラーク


「ありがとうございます。」


「……行くぞ、ラーク」

「御意。殿‥クレール様。」

「その呼び方やめろって言ってんだろ!」


毛玉にボコボコにされた2人は、草原に大の字になって空を見る。

「そろそろ帰るか。」

「はい。」

「狩りしてから帰ろうぜ!」

「お供します。」


俺らは森へゆっくり歩きだした。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ