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元アラフォーが皇女に転生?!元暗殺者の少年を拾ったので育てます!  作者: 桜月ふたば


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EP36. 初めて師匠が出来た。

私は少年を見つけ、横に座った。

「やぁ、さっきは仕事中だったから、最後まで話せずにすまなかった。」

「今日の炊き出しの味はどうだ?部下が味付けを初めてやったんだ」


「美味しい!このお肉も野菜も!」頬にパンくずを付けながら無邪気に笑う妹

「はい、とても美味しいです!肉を久しぶりに食べられて嬉しかった。」


「そうか、それは良かった!部下も喜ぶ。またお肉を出せるように狩り頑張るよ」


「食べながらでいいから、さっきの話を聞かせてくれるか?」

「はい。この間の炊き出しの後に、道端に座って二人で食べてたんです。

「知らないおじちゃん達 悪い人なの!」


「子供は働かないし役に立たないから、大人にパンをよこせと言われて」

妹のパンだけは止めてくれといったら俺だけ殴られて…

そのまま取られました…。」


少年の頬は一部痣になっている。


「…。」


「炊き出しがない時の、パンと果物の配給もまた同じ人達に絡まれて奪われてたんです。」


「特徴は?」

「3人組で…一人は頬に斜めに入った傷があります。」

「…。分かった。」 そいつ瓦礫撤去の現場で見たことあった気がする。


「他の子供達から、同じような話を聞いたことはないか?」

「…あります。でも3人組じゃなくてまた違う人のようです。」


許せない…瓦礫撤去の作業は別途、金銭の代わりに少量だが食料を配布していたからだ。


「今後もここで食べて帰ると良い。親はどうしている?」

「親は…魔物に食べられました…。」

「お兄ちゃん…。」妹は兄の服の裾を握りしめた。


「悪い‥嫌な記憶を思い出させてしまって。」

「今は親戚家で世話になってます。ですが、食べ物は…あまり…。」


「そうか…苦労したんだな…。妹を守って偉いぞ」

私は少年の頭を撫でる。


「魔物を倒してくれて、兵士さん達には感謝しています。」

「あぁ。皆に伝えておく。少しずつかもしれないが、この国が良くなるように私も頑張るよ」


兄妹は礼を言うと建物から帰っていった。


部下に貰ったパンを齧りながら、次の瓦礫撤去現場へ歩いていく。



「~~という事があったんだ。」兄妹から聞いた話をした。

「!なんて酷い奴らだ!」マーは激怒し、眉間にしわを寄せる。


「男の特徴がな、瓦礫撤去の時に見かけたような気がしたんだ。

でも、決定的な証拠がないとこちらも動けない…。もどかしいが…。

何か方法はないか…。」


もやもやを抱えながら、瓦礫を砕く力に怒りをのせていく。


「今日はすごいな兄ちゃん達!」


ガッシャーン!!

ガタッッ!


ある程度の大きさにハンマーで砕いていく。


魔法が使えたら一瞬で片付けられるが、使えないもどかしさを感じながら砕いていく。


「ふぅ…。今日はすこしやり過ぎたか。」

かなりの量を片付けられた。


―こういう時に限って3人組は見当たらなかった。―


俺はいつもの鍛錬をしていた。


「クッソ弱いな、ガキんちょ。」


「あ?!てか、毛玉!いつからいんだよ!」

鍛錬中、毛玉がいつの間にか切り株の上で毛づくろいしていた。


「お前、結構魔力あるのにもったいねぇな。我が直々に教えてやってもいいぞ?」

「誰が、毛玉なんかに!!」

「主を守りたいと思わないのか?」てちてち近づいてくる毛玉。

「…。それは…思うに決まっているだろ…。」


「なら、その鍛錬ではだめだ。お前が一番分かってるだろう?」

「…じゃあ、どうすりゃいいんだよ。」


「我に従え。お前と我の目的の一部は一緒だろ?」


「…教えてくれ。強く守れる人間になるために」

「よかろう。まずだな、毛玉じゃなくて師匠様と呼べ!」

フフンと自慢げにいう毛玉。


「いや、それは毛玉で」

「え?」

「毛玉。よろしくな」

「こんのガキ…。 厳しくして行くから、ついて来いよ!?」


広い草原へ俺らは移動した。

「遅い!」

黒い球が三つ、一直線に飛んで来た。

「っ!?」

一つを避け、二つ目を腕で払う。三つ目が腹に刺さり、吹き飛んだ。

「痛ってぇ…!」

「今の程度で倒れるな。主を守る気はその程度か?」


少年は歯を食いしばり、立ち上がる。

「クソ!……もう一回!」


「よく見ろ!元暗殺者!」さっきよりも速度が上がった黒球


「なんでそれ…ガハッ」黒球を避け損ね、地面に転がる。


「今はそんなのどうでもいいだろ。」


「…。もう一回やる。こい!」


― 毛玉は俺の師匠になった ―

それから毎日、森へ行っては修行をした。


しっぽで頭をペチペチされながら、鍛錬メニューを変更していく。

弱い魔法を少しずつ混ぜた攻撃も、防御も毛玉から習った。


「そこで魔力を込めてみろ!」「違う!直前まで込め続けろ!!」

「…クソ!!もう一回!!」


毛玉師匠の修行は連日厳しくなっていった。

ふらふらになりながら毎日、日が暮れるまでみっちり行う。



「おかえり~、また泥だらけだけど、大丈夫?」

心配そうなサーシャ


「あぁ、毛玉と遊んでた。これ、今日の分の肉」

血抜きした肉を見せる


「ありがとう!段々、大きい動物になってるね?」

「うん。コツ掴んできた。クマくらいは余裕だぜ!!」


ニ”ッ!! ―調子乗んな!!―

「痛っ!爪で刺すなよ!」


「お風呂入って、着替え終わったらご飯一緒に作ろ?」

「あぁ。風呂入ってくる。」


ニャ…。!! 静かに逃げようとした毛玉を少年は捕まえる。


「毛玉もこい!今日も沢山洗ってやる!」

ニ!ニッ!! ニャァァア!―やめろ!我は風呂嫌いなんだ!―


ギャアギャア言いながらお風呂場へ消えてった。


「ここ数日で、仲良くなってくれてよかったわ」


そして賑やかな一日が、今日も終わろうとしていた。

主と少年は、すやすやと寝息を立てて眠っている。


…!異変を感じ、耳をピクピク…意識を研ぎ澄ませた。


嫌な気配を感じ。我は主の側を離れ、音もなく窓辺へ飛び乗る。


金色の瞳が、夜の森深く射抜いた。

「……ほぉ…。来たか。思ったより遅かったな」


森の奥。黒装束の不穏な気配が、いくつも揺れる。


「主、ガキんちょ。安心しろ、我がついておる。」

眠る二人を振り返り、猫は小さく目を細めた。


「ゆっくり休め…。」


猫は静かに床へ降りた。

「少し、散歩してくるか」


―その姿は音もなく、猫の姿は消えた。―


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