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元アラフォーが皇女に転生?!元暗殺者の少年を拾ったので育てます!  作者: 桜月ふたば
第一章

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EP3. 魔法覚醒で壁をぶち抜きました


「皇女様。おはようございます」

「……おはようございます」


朝が来てしまった。

メイドがタブレットを踏んでいたが、すり抜けて透明になっている。

どうやら、私以外の人には触れられないみたい。


ぐーっと伸びをして椅子に座ると、身支度が今日も始まる。


―やっぱり夢落ちじゃなかった―

少しだけ希望を持って眠ったが、変わらない朝を迎えた。

やはりこれからこの世界で生きていかなければならないらしい。


「はぁ……」

鏡の前で溜息をついた。


昨日、注意したメイド達は私の部屋には居ない。

新しいメイドが身支度の手伝いをしてくれている。


―自ら別の場所へ異動したって聞いたけど、私そんなに怖かったかな―


     ◇

食卓へ向かうと、厳重態勢が引かれていた。

数人の兵が入口に立って居る。


―あんな出来事があったばかりだし、仕方ないよね―

見渡すと、昨日気になっていたメイドの姿が見えなかった。


「――それで、アイビーはどう思う? 」


ハッと我に返ると、食卓でパパが何か私へ質問を投げかけていた。


「えっと、はい……。いいと思います」

「そうか! お茶会でお友達が沢山できるといいな! 」


私は口にスプーンを運ぼうとした手を止めた。

―ん? 何ですと? ―


「気が変わらないうちに数日後、執り行うことにしよう!

おい、ルーカス! 招待状を送るようメイドに手配を」


「かしこまりました。すぐ手配いたします」


パパの横に立っていた執事のルーカスが、部屋から去ろうとした時


ガタッ


「……待って!」

私は、椅子から勢いよく立ち上がった。


「参加者は私が選びたいんだけど……ダメでしょうか? 」

「分かった。それでは、茶会はアイビーとルーカスに任せよう」


少し驚いた表情をしたパパとルーカスは、二人で顔を見合わせている。


この前、女神から聞く限りだと、私は母の死から消極的と聞いていた。

色んな人から心配されていたんだろう。


―差し出されるだけじゃなくて、自分で出来ることは自分でやりたい―


「お友達が沢山できるように頑張ります!」

「うむ! だがな、頑張りすぎなくていい。自然体で挑みなさい」

頭を優しく撫でながら笑顔でパパは言ってくれた。

「はい! 」

笑顔で返事をしたけど。


―友達ってどうやって作るんだっけ―


大人になってからは、仕事かゲームを通じてしか関係を築いてこなかった。

顔合わせからの友達作りなんて、何年もしていない。

正直、お茶会も友達作りも不安だった。


それからパパは執務へ。

私は午前に歴史、午後は魔法の授業が待っていた。


歴史の授業では、王族が代々魔物を討伐してきたという話を聞く。

聖女や召喚勇者のような存在は、この国にはいないらしい。


「ランクロッド陛下は、最年少で魔物討伐を成し遂げました。

歴代屈指の魔力量を持つ人物です――」


―私のパパ、強すぎる……。―

聞きたかった母の話は出なかった。

そのことだけ、少し引っかかりながらも授業は終了となった。


「はい。本日の授業は以上で終わりです」

「ありがとうございました」


グゥウ~~~……。

自分の部屋へ歩き出すと、お腹の音が通路に響いた。


―お腹空いた~。昼食は、部屋に持ってきてもらおう。―


部屋に戻ると、サンドイッチを頬張りながらタブレットを開く。

ステータス画面には現在ポイント「20」。

その下に新しい項目が追加されていた。


《創造系スキル解放条件:総合スキル50以上》

上限がいくつあるのかも、よく分からない。

画面を見ながら、溜息をつく。


―攻略サイトとかこの世界には無いし……まぁ、やるしかないか―


昨日の点滅していた赤いマークから、ガチャ画面に移動する。

そこを押すと、ルーレットボタンに切り替わった


「昨日、ログインガチャ回せなかったんだよね……」

呟くと同時に、指が自然に押していた。


――♪

【ログインボーナスを受け取りました】

【SSR:∞アイテムBOXポーチ(透過可能)を獲得しました】


「SSRって……∞マークついてて凄そう!」

透明化できる収納アイテム。試しに触れると、何もなかったように消える。


「え! すごい!」

引き出しにあった日記帳や、花瓶、大きなクマのぬいぐるみ……等

試しに色々出し入れしてみる。


「おおー! 本当に色んな大きさが入るんだ! 」


コンコンッ

「皇女様。次の授業の時間です」


「あ、はーい! 今行きます! 」

メイドの声を聞いた私は、引き出しの一番下にポーチを閉まった。


「……もう行かなくちゃ」

もっと試したい気持ちを抑え、私は次の授業へ向かった。


「ごきげんよう、皇女様」

「ごきげんよう先生」


魔術のキートン先生。

毒草の件で調査すると言っていた老人と

同じ星の形をした銀色のバッジを胸に付けている。

ハーフエルフとメイドから聞いていたが。

エルフの特有の長い耳ではなく、人間の容姿をしている。


室内にある黒板には、すでに沢山の数式が書かれていた。


―数学苦手なんだけど、授業についていけるかな―


「前回はマナを放つ練習でしたが、宿題はやってきましたか?」

「宿題……?」


―どうしよう。入る前の記憶はないから分からないよ……―

動揺して目が泳いでいると、先生は一歩前に出て真剣な顔に変わる。


「では、マナを1メートル放ってみましょう。手を前に!」


言われるがまま、手をまっすぐ前に出す。

なんとなく、前の世界のイメージがよぎった。


―えっと、一箇所に集めて……放つ―


シュゥウウ――――

どんどん風と光が絡まり、手の前に集まってくる。


「皇女様? そろそろもう……」

先生に言われて、放とうと手をグッと前に出した。


―あれ? 放てないし、止まらない……! ―


「皇女様もう大丈夫ですよ! 止めてください」

「いや、止め方が分からないんです――」

手を下ろそうと抗ってみるが、固定されるように固まっていて動かない。


キィィインッ!!


私が作り出している塊みたいな光へ先生が魔法で阻害しようと、

魔法を何度も放つ。


「何故なんだ!クッ、ダメだ……弾かれしまう」


先生の呟いた声を聞いた私は心の中で叫んだ。


―誰か――これ止めて――! ―


「危ない!! 」

キートン先生が大声で後ろから叫ぶと、部屋全体が発光した。

思わず目をギュッと瞑る。


パァン!!

弾けるような音と、手からの衝撃破で後ろに倒れ込む。


「いたた……え?」


目を開くと、部屋の壁は綺麗に消えて青空が広がっている。


【ポイントを獲得しました】

その瞬間、通知音が頭に小さく響いた。




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