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元アラフォーが皇女に転生?!元暗殺者の少年を拾ったので育てます!  作者: 桜月ふたば


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EP27. 働く喜びと、あたたかいご褒美

「あんたなんて、どこ行っても誰にも好かれないんだよ!」

「気持ち悪い目で私を見るな!」

「死んでくれないか?な?」

「使えない奴は要らない。消えろ。」


黒い人間型の大きい怪物達に囲まれ、追い詰められている俺。

「こっちに来るな!…やめろ!!」

不気味に笑うそいつらから、心に刺さる言葉を浴びせられる。


「クレール!おいで!」 サーシャの大きい声が響いた。

俺は、声がする光の方向へ全速力で走り出す。



はっ!! 一気に目を開き天井がこの家だという事に安心した。


ハァハァ…。 嫌な汗と呼吸が荒い。胸元を手で押さえ呼吸を整えようとする。


「また……この夢かよ…。」髪をぐしゃっと掴みながら眉間にしわを寄せた。


「でも今回は、サーシャが声だけだったけど、出てきたな…。

いつもならこの後、俺は…。」 少し震えた手に目を落とした。



「終わった事なのに、まだ俺は気にしてるのか…」呼吸が整ってきた。


「…ん。。もう朝か。」重いまぶたをこすりながら、ゆっくり窓へ目を向ける。

窓から柔らかい朝の陽ざしが木々の隙間から静かに差し込んでいた。

俺は頭がボーっとしたままベッドから起きだす。



この間、サーシャに俺は新しく名前を付けてもらった。


今まで3つ名前はあったが、その名前で呼ばれるのは嫌だと思ったから


「クレールか…へへっ。」照れくさそうに笑い。胸の奥に、じんわりと温かいものが広がっていく。

素直になれなかったけど、俺は内心とても嬉しかったぞ。

「これが最後の名前だといいな。」



コップにミルクを注ぎながら、部屋を見渡す。


「一人だとなんか広く感じるな…。」

そう言いながら部屋を軽く片付けていく。


―サーシャが居ない家はとても静かに感じる―


「それにしてもあいつ、ちゃんと眠れてんのかな?」


いつも笑っているけど疲れた顔しているし。帰りは俺が寝てから帰ってるし。



洗濯物を集めて井戸へ向かっていく。


この家は不思議だ。奥へある程度進むと弾かれる。


それから俺はいつもの鍛錬時間を軽くし、ウサギ狩りをしていた。


パーンッ!


「…っ!痛ってぇ!」 狩りの途中、ウサギを追いかけていると。

透明な壁に弾かれ地面に転がる俺。


「なんか結界張られてるんだよな~。透明だから分かんねぇ。」


最初は逃げ出そうとして、何度も体当たりしたが

今は、少しだけあいつを信じようと思い。普通に暮らしている。


捕まえたウサギを家に持ち帰り 捌いていく。


血を見ても何とも思わない。可哀想だとも思わない。


「普通の人生を歩んでいたら、可哀想だと思えたのかな。」


近くで見つけた野草と木の実で味付けしながら久々に料理を作った。

森など野外の任務中に覚えた料理その1だ。


臭みを取った後で、シンプルにキノコと塩で焼いたもの。

骨と一緒に煮込んだスープ。フライパンで焼いた簡易的な薄いパン。


「…。懐かしいな。」 出来上がっていく鍋を見ながら呟いた。


「サーシャ今日来るかな…? …!!

いや、これは俺が久々に食べたいと思ったからで!!

決して、決して!いつも料理作ってくれてるお礼とかじゃないからな!!」


気持ちを表すかのように、鍋をかき回す速度がどんどん上がっていく。


「…骨は一応取っておくか…。」鍋からせっせと小骨を無言で取りながらサーシャの顔が浮かんだ。


「ま、あいつ大食いだから足りなさそうだけどな!」ふっと笑いがでてしまった。

~~~ 一方、皇女は ~~~~


「もう数週間経ったのね。時間はあっという間ね。」


転生してから、日々色々ありすぎて時の流れが速く感じていた。


今日の授業を全て終わらせていた私は、自分の部屋で準備をしていた。


―そう! 今日は田島食堂で初勤務日!―


魔法の授業の後は、疲れて寝てしまうという理由と


開店前に間に合うのはこの曜日しかないと思ったのが正解だった。

大分時間に余裕をもって行動できる。


カランカランッ


「あら!サーシャ!いらっしゃい!」


「今日からよろしくお願いします!」

「ああ。今日からだったか。よろしく頼むよ! 清掃と皿洗いを今日は頼む。」


「はい!」


開店前の店内。店主は女将さんと一緒に協力しながら手際よく仕込みをしていた。


トントン…。 ジューッ。

包丁の音と何かを焼いている音…そして美味しそうな匂い


「さて、開店前に綺麗にしないとね!」腕まくりをする私。


風魔法と水魔法を交互に使い、お店を綺麗にしていく。


汚れが無くなると、少し壊れかけてたり欠けている家具も見えてきた。


後ろを振り返り、二人が仕込みに集中しているのを確認してから


使ってみたかったスキルを実行してみた。案外上手く行くもんだ!


 あ、修復スキルで色々直したのは内緒ね?


「開店前の清掃、今終わりました!」私は二人に声を掛けた。


女将さんがカウンター奥から店内へ来てくれた。



「まぁまぁ!魔法が使えるのってすごいわね!私は生活魔法あまり使えなくて、羨ましいわ!」 

嬉しそうな女将さんを見て 私も嬉しくなる。


「あなた!店内見て!私一人だったらこんなに綺麗にできないわ!」


「どれどれ… お!おお!すげぇな! これだけで今日の仕事終わってもいい位だ。」


ピカピカの店内を見て、店主もとても嬉しそうに言ってくれた。


「あなた!そろそろ開店よ!サーシャさん。外の小さい看板をひっくり返してきてくれる?」


「はい!」 私は外にかかっていた看板をクローズドからOPEN! に変えた。



開店してから、お客さんがどんどん入ってきて忙しくなる店内。

厨房は戦争というのは本当だ。 やはりお客と働くとは違う。


私は皿洗いの他に飲み物を作る役割も与え 注文メモを裁いていく。


― 労働するのって楽しい! …でも、前世じゃ味わえなかった感覚だ―


暫く働いていると、ご飯タイムが終わったのか落ち着いた店内になっていった。


店主がやってきて

「サーシャ!一段落ついたから、少し休みな!賄い何がいい?」


「やったあー! 今日は、卵焼きと。ポテトサラダと親子丼と焼肉定食のご飯を…」


「大盛ね? あいよ!」店主にも もう私が大盛キャラだというのが定着している。


「はい^^ お願いします!」


カウンターに座り、ワクワクしなが待つ。

メニューが多いから。嬉しくて、ついつい複数頼んでしまう。


「はい!お待ちどうさん!ご飯はおかわり自由だから沢山お食べ!」

目の前に置かれた初の賄いは、料理が輝いて見えた。


肉も味付けも最高!そして何より、ここのご飯はみずみずしくもっちりして美味しい!

何回かご飯をお代わりしてしまった。


「ふぅ~ 美味しかった! ごちそうさまでした!」

食べ終わった食器をまとめて片付け、皿洗いをしていた。少量なら手でやる。


また仕事に戻る私。 

― 今日は唐揚げが大人気ね! ― フライヤーで店主が沢山揚げている。

皿を洗っていると。暫くして、店主が近づいてきた。


「今日このお客さん達なら、もう大丈夫だ。お疲れさん!上がっていいよ!」

「はい。これ。今日の分。」

小ぶりの紙袋を私の前に差し出す店主。


「開けてもいいですか?」 

「あぁ。」

渡されたのはお金ではなく、クッキーだった。


「サーシャはお金渡しても受け取ってもらえなさそうだからな!


妻と話して サーシャが来る前に妻が作ったんだ。良かったら貰ってやってくれないか?」


「もちろんです!わぁ!美味しそう~♪嬉しいです!帰り食べながら帰ります!」

「妻も喜ぶよ! お疲れさん!またな!」


女将さんにお礼を言おうと思ったけど

お客さんの注文を取っている最中だったので心の中でお礼を言った。



私は初勤務を無事に終えて、ワープ場まで歩きだした。

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