EP21. 先生、ちょっと待って?!殺されかけた魔法授業
「ごきげんよう皇女様。体調は大丈夫でしょうか?」
「ごきげんよう。先生。はい、おかげさまで、すっかり良くなりました。」
今日から私は通常の授業に戻った。
野外での魔法の授業。朝の澄んだ空気と小鳥のさえずりが遠くで響いていた。
「本日は、先日お伝えしておりました。魔力コントロールに関する授業です。」
「はい。」
「体調を崩されていらっしゃったとのことで、練習は出来ていないと思いますが
野外ですので!思う存分に魔法を放っても大丈夫です!」
ウィンクをしながら、コントロールではなく…
以前の規格外魔法をおかわり!といわんばかりの表情で言ってきた。
―めっちゃキャッキャッ楽しそうな顔してる…。―
「それでは!思う存分にどうぞ!!水・火…と続けてやってみましょ!」
「…はい…。」
小さく深呼吸し、軽く目をつむる。大丈夫よ。
水・火と共にクリア。
「すっ、素晴らしいです!」
「ですが…以前のような、もっとこう…ドカーン!がほし・・コホンッ ではなく
コントロール出来てますね!」
先生…拍手しつつも、これじゃ無い感ださないで?ドカーンて言っちゃってるよ?
「ありがとうございます。」
「では、本日は防御魔法も新たにお教えいたします。」
「常時結界を身にまとわせたり、離れてなければ自分と他人に
結界魔法をまとわせ続けれる優れもの!取得するといざという時の為に役に立つんです。」
―離れていなければ…ね? ―
離れていても結界が常時発動する形があったら知りたいんだけどな…。
それはまたおいおい調べるとして、今は目の前の事に集中しよう。
自分の中心から外へ広げるように。そして、外部から攻撃が来た時に弾くイメージを
自分の魔力を徐々に広げていく。
―どのくらい魔力を込めたらいいんだろう?-
「皇女様?皇女様?」
「皇女様!!」 はっ!我に返り、目を開けた 。
「敷地内の結界とぶつかりそうになってました。
最初から広範囲の結界が作れるなんて!! どうイメージされたのでしょうか?!」
「…。たまたまですよ…。」
ヤバイ、この感じ以前と同じ…
「では、私が今から攻撃魔法を放ちますので。弾くイメージでそのまま魔力維持をお願いします。」
興奮冷めやぬままの先生。はりっきている…。目が…!目がヤバイ!
何やら、ブツブツ小声で詠唱している。それと同時に大きくなる緑色の球体
「先生?そんなの放たれても無理かもですーーー!!」
「え?聞こえませんーーー!ダメそうなら、避けてくださーーーーい!」
― ぎゃぁぁぁあ!! それこっちに投げないでぇぇぇぇ!! ―
すごいスピードで迫ってくる。逃げれない! しぬ!しぬ!!
パァーン!! 衝撃で足元がふらついた。
ぎゅっと瞑った目を開き 自分の無事を確認する。
「おい!!! あたしを殺す気かああぁぁぁ!!」お口から素の言葉が出てしまった。
このお口は、パパ譲りかもしれない…。いや、元の世界でもこんな感じだったわ私。
危機一髪で弾き消したけど…。危なかったよ!!
「ふっ… ふぉおおおお!!!! すっば、素晴らしい!!」
聞いちゃいねぇわ、この先生。
「中級放っても無傷っと…」紙に書き込む先生。
― おいおい、物騒なことをサラッと呟くんじゃないよ! ―
「コホンッ、失礼致しました。」ニヤニヤしていた先生が真顔に戻る。
「この結界を、自分に常時まとわせる練習をしてみてください。
他人への結界はまた次の授業にしましょう!
では!!私は色々とやる事がありますので!お疲れ様でございました!!」
ルンルンで帰っていく。
「はぁ…朝から魔力じゃない方で疲れちゃった。」
少しぐったりしながら、トボトボと私も帰る。
私達が居た場所から城へ帰るまでの間に、訓練している兵士達の訓練場所を通った。
パパが討伐に行って城の兵士が残ったのは3分の1程。
城下町の警備隊はそのままだから、ドラゴンがこない限り安全かな?
「いい天気だら外に行きたいな」
「皇女様!本日の新聞でございます。」メイドが渡してくれた。
「ありがとう!」
自分の部屋に戻り ゆっくり目を通す。
表紙は、パパが魔物討伐の件で変わらず。
当時の戦闘状況や、負傷した兵士の状態。
パパの事が書いていないかどうか、隅々まで読んだが書いてはいなかった、
ただ、討伐隊の殆どが深手を負ったが、
治療院へ行った時には軽傷程度にまで治癒したという事と
魔物の主が、不思議な力で滅せられたという話が掲載されている。
なにやら奇跡が色々起きた討伐だったみたい。
「国王の病状とかは、やすやすと言えないかっ。」
「パパ…」
~~♪タブレットから着信の音がなった。
「こんにちは!今お時間大丈夫ですか?」
「はい。…あ!ごめんなさい。体調が良くなったら話せる日をお伝えするのを忘れていました。」
「いえいえ!大丈夫です!
「さっそく本題ですが、最初お話ていた3ヵ所の結界場所の浄化の件で…。」
― すっかり忘れていた…。 ―
「はい。」
「国王が討伐した場所なんです。」
「え?」
「あの、その3ヵ所の1つ目がその場所でして。ですが、結界石を作って埋めないと
早くて半年後には…また魔物が発生してしまう可能性がありまして…。」
「魔物は壊滅しているので、結界石を作っていただけませんか?
もちろん、私がサポートします。」
「作った事がない、今の私の魔力でも作れますか?」
「はい!十分ですよ! 今からそちらへ行きますので!お待ちください!」
プツッ ー昼食食べるって言おうとしたら切れちゃった…。
「せっかくパパ達が頑張って討伐したのに、また発生しちゃうのは嫌だもん!頑張ろう!」
ほどなくして女神が現れた。
「一応、防音の結界張っておきます。」
部屋全体が緑のオーラで包まれていく。
「手を出して、イメージは大きい宝石のような石を…・」
「はい。」 小さい手から光が少しずつ集まって球体になっていく
「これ、どのくらいまで魔力を注げば…?」
「もう少しです! 頑張ってください!」
そういうと女神も私の手の甲の上に手を重ねた。
「いい感じです。私の魔力も混ぜます!」
緑と黄金の光が絡み合い、球体は綺麗に輝きだした。
「はい!これで終わりです!魔力を止めてください。」少し息があがっている女神。
「ふ~…。 はい。」軽くめまいがした。すごい勢いで吸い取られる感覚があったから。
「完成したこの結界石を、埋めに行かなくてはいけないんですが…。」
「ごめんなさい。この後は、昼食を多分メイドがこの部屋に持ってきて食べた後
午後の授業がありまして…。」
「そうだったのですね!どうしよう…」
「でも授業が終わった後から夜なら大丈夫です。」
― 私の影武者…また頼む! ―
「分かりました!では、授業が終わったらタブレットで教えてください!
すぐこちらに向かいますので」
「はい!」
シュンッ 女神は目の前から消えて、帰って行った。
午後の授業が始まり、私はソワソワして集中できなかった。
― 兵士やパパが居る街へ行って誰かにバレたらどうしようー
変身して行くしかないよな。うまく行けばいいな。
「皇女様!集中なさってください!」マナー教師に怒られた。
「申し訳ありません…。」
終始怒られながらの授業にぐったりしながら あっという間に夕方になった。
アイテムBOXから影武者2号を出した。
「マスター、お呼びでしょうか?」
「うん、私の代わりに夜ご飯をここで食べた後、いつものように眠ってほしいの。」
「御意。マスター。これからまた出かけられるのですか?」
「うん、ちょっとね。」
「お気をつけて。」
私は、城下町へ行くようの姿に変身した。 タブレットで女神と通話し始める。
「こんばんは、行く準備が整いました。」
「こんばんは!連絡ありがとうございます!すぐ向かいますね!」
部屋に来てくれた女神と一緒にワープした先には暗い森の中だった。
「もう少し先に、小さな湖があります。そこまで歩きましょう!」
「あの…女神様は誰かに見られる事はあるんですか?」
「私ですか?いいえ、それはないので安心してください。」
良かった。 でもはたから見たら私は 女神と話しているいる間。
独り言をずっと言っている危険な人になってしまう…。
よく周り見てから話さなくちゃ。
自分たちの足音と木々が風で揺れる音しか聞こえない。
木には魔物討伐の後だと思われる大きいな傷が沢山あった。
「ここです。」
目の前に小さいとはいえ、穏やかな水面の綺麗な湖が見えた。
昼に作った結界石を取り出す。
「風魔法で、出来るだけ中心だと思う場所へ移動させてください。」
いつも穏やかな表情の女神は、真剣な表情で言った。
「はい。分かりました。」私は風魔法で移動させていく。
「そこで大丈夫です!石を落としてください!」
ドボンッ!!
落とした場所から、蛍の光のような優しい黄緑色の粒子が広がった。
「わぁあ…綺麗…。」
思わず見惚れてしまった。
「これでいいんですか?」
「はい!これで数百年は大丈夫でしょう!お疲れ様でした!」




