↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元アラフォーが皇女に転生?!元暗殺者の少年を拾ったので育てます!  作者: 桜月ふたば
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/61

EP11. 氷魔法と秘密の庭


「言い過ぎましたわ……。ごめんなさい」

「いえ!私もドレスを汚してしまい、申し訳ございません」


デイジーがネリアに、謝罪をしている声が後ろから聞こえる。


―デイジーは、そこまで悪い子じゃないかも……? ―

私がそう思っていると、別室に待機していた親が

広場へ戻り始めていた。


「ママ! さっき、凄かったんだよ」

「あの子たちが大声で喧嘩してた」

子供達が親へヒソヒソ話をしている。


ふと、私がネリアを見ると彼女は一点を見つめ怯えている。

視線の先を見ると、柱の奥に居た令嬢達が睨んでいた。

私と目が合うと、一斉に立ち去った。


―あの子達……気になるわ―


私は小さく手を上げると。近くに待機していたルーカスが駆け寄って来た。


「いかがなさいましたか?」

私は令嬢たちの特徴を伝え、調べるようお願いした後

メイドへ合図後に来客のグラスへ果実シロップをかけるよう指示した。


「皆様、お騒がせしてしまい申し訳ございません」

「お詫びとして、デザートを今から作ります」


私は空へ両手を掲げた。

―水を集めて……集中、集中よ……―

シュゥゥゥゥーーーーー


水が渦のように風に集められ、大きな水の球体になった。

「無詠唱?!」

「なんて魔力量なんだ……」


パキ……パキパキッ!

外側から水の球体が凍っていき、大きな氷の塊に変わる。

会場をヒンヤリとした空気が包み始めた。


ザワッーー


「氷魔法は、あの魔導師しか使えないよな」

「王妃様も氷魔法が使えてたって聞いたわ」

「皇女様も使えるのね」

「すごい!氷初めて見た!」


大人も子供も、氷魔法を見るのが初めてだったのか

皆、空を見上げて話していた。


「さぁ、皆様。グラスを前に出してください」


―かき氷機から出る氷をイメージして……グラスへ―

光の粒が舞うと塊が削られていき、氷の粒がキラキラとカップへ降り注いでいく。


「わぁ~! 綺麗! 」

「氷なのにふわふわ! 不思議! 」

全員のグラスに行き渡ったのを確認すると、メイドに目配せをした。


会場の子供たちは初めて氷を食べる子が多いのか

皆、笑顔で食べてくれている。


―うぅ……魔力を使いすぎた。睡眠不足もあるし、ふらふらしちゃう―

配膳係の待機場所へ行き、椅子に深く腰掛けた。


「皇女様、氷魔法をいつ取得されたのですか?」

「……こっそり練習してたの」

―あの家の森でね……―


「誰かのために、自ら動く姿勢。とてもご立派でしたぞ」

ルーカスは嬉しそうに微笑みながら、飲み物を私に差し出す。


「先ほどの皇女様のお姿、陛下にもお見せしたかったですね」

近くに居たメイド達は頷いていた。


「皆、褒め過ぎだよ……」

小恥ずかしい気持ちになった私は、目線を下へと落とす。


―何とか無事にお茶会が終わってよかったー


青空から茜色の空に変わると

賑やかだった会場は、いつもの静かな場所に戻る。



「二人だけの問題かと思ったら、他も絡んでいたとはね」


部屋に戻った私は、ルーカスから貰った紙に目を通す。

『あの令嬢達』と伝えただけで、夕飯後にはもう分厚い書類を渡されいてた。


【エリーナ】宝石商の一人娘……。

他の令嬢達も同じように詳細の情報が羅列している。

読み進めると、別のお茶会での様子も記載されていた。


『デイジーの家が、王家直属になった時から関係が悪化』

その一文を見た私は首を傾げた。


「本当にそれだけの理由なのかな……? 」


ノートを開き、重要人物を書いていく。

―次は小規模のお茶会を開いて、この子たちを呼ぼう―


     ◇


ガチャッ

ドアを開けると

少年は目をこすりながら、ムスッとした顔でお出迎えをしてくれた。


「おせぇよ」

「ごめんごめん!」


椅子に腰を掛けると、少年も正面に座った。

「夜ご飯も食べた?」

「あぁ。ちゃんと使えたぞ、あの箱」

私はキッチンを見ると、ちゃんとゴミも破棄していた。

それから、小腹が空いたと言われてアイテムBOXからデザートを出した。


「これ、うまいな! 気に入った」

茶会で出されたエクレアを、口いっぱいに頬張りながら

美味しそうに食べている。

私は、少年の横でタブレットを操作し食材を発注していた。


「何か、足りない物とかある? 」

「ん~。あ、木刀が欲しい」

「えっ。木刀? 」

私は手を止め、目を見開きながら少年を見つめた。


「体が鈍ってしょうがないからな。鍛錬がしたいんだ」

「分かった。ただ始めるのは来週からにしてね?」

「分かったよ」


しばらく、少年と話していると


「眠くなってきた……寝る」

うとうとしている少年は、静かにベッドへ向かった。


「また来るね」

「……うん。気を付けて帰れよ」


私は家を出ると、すぐ帰らずに家の周辺を見渡していた。


「ここら辺で良いかな? 」

お日さまがあたりそうな、広い場所で足を止めた。


『これあげる!』

この間、妖精からもらった種をアイテムBOXから取り出す。


―この家があってよかったよ。城で埋めるのは管理されてるから難しいからね―


ザッザッ 

石で土を掘った後、貰った種を埋め水魔法で水やりをした。


「大きくのびのび育ってね」

私は微笑みながら小さく呟くと、城へ帰るため転移した。


シュンッ


「おかえりなさいませ」

「あ、おかえり~」


―え? 何でここに―

私の目の前に、最初に作った影武者が居た。


「かくれんぼ大成功~! 」

「マスター、申し訳ございません……止められませんでした」

「えーっと……説明してくれる? 」

二人を交互に見ながら、動揺で目が泳いでいた。


――数時間前


アイテムBOXは、異空間の中に家がある。

影武者1号は、2号とお茶をしていた。


「ねぇ~マジ最近、つまんないんですけど~! 」

ぬいぐるみを抱えた1号は頬を膨らませ、2号をジッと見つめる。

「何で私は呼ばれなくて、あなたがいつも呼ばれるの~? 」


「分かりません」

2号は首を横に振った。


「そうだ! 今日、一緒に出ていくのはどう?」

「不可能ですよ。諦めてください」


冷静に諭す2号を見て、1号は立ち上がった後、扉へ走った。


「フフンッ! あたし、練習したから出来るもん! 」

「え? だとしても、マスターにご迷惑をかけてはいけません」


シュッン


「あの子……本当に消えた」


      ◇

「へへ~。ずっとベッドの下に隠れてたの」

嬉しそうに話す1号と、それを見て溜息をつく2号。

―まさか、私がお茶会中に出てきちゃってたとは―


「申し訳ございません。マスターに伝えようとしたのですが、

すぐ転移されてしまい。機会を逃してしまったのです。


頭を下げる2号。


「いやいや、謝らないで。ほら、顔を上げて」


「私の方こそごめんね。

アイテムBOXの中に、まさか家があるとは分からなかったよ。

次から、遊べるものとか色々入れておくし、たまに森とかで遊ぼう」


「マジ?! やったー! 」

笑顔で喜んでいる1号を、私は撫でた。

―放置していた私に責任がある。2号も申し訳ないな―


それから、3人で初めて大きなベッドの上で色々話した。


「何もしなくても、3人で話すの楽しいね! 」

「私もそう思います」

「ふふっ。またたまに話そうね」


―なんだか、懐かしいこの感じ―

窓の外は、朝焼けの光が少しずつ城を照らし始めていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。