EP11. 初お茶会で修羅場発生!?
「とうとうこの日が来てしまった…」
疲れ切った会社員の面構えをした自分が鏡に映っている
洋服はキラキラしているのに、目は死んでいる。
おはよう世界。
「とりあえず、リストの二人をもう一回確認しよう。」
一人目
ハーデン・クリストファー(男)6歳
王家直属の鍛冶屋職人の息子
性格は温厚。末っ子。
好きなもの たこ焼き・かわいいもの・くまさん
― たこ焼き…先日行った田島食堂にはなかったはず ―
二人目
アーディク・デイジー(女)7歳
王家直属の商家(主に宝石商)の一人娘
性格はお転婆。頑固
好きなもの 某猫キャラクター、シュークリーム、ヘアアクセサリー
おいおいおい、キャラ名?一応メイドに確認したら見たことが無いらしい。
そしてシュークリーム…
この2人は転生者か親がその可能性が高いはずと踏んでいる
「上手に話せれるかな?」
元の年齢の何倍も下の子供と話す機会なんてあまりなかったから
少し不安になっている。
出来れば友達になりたい。一人で過ごすのもすきだが
やはり転生者仲間増やしたいし共有したいのである。
コンコン… 外からドアの音がした
「皇女様、そろそろお時間です。」
「はい、今行きます。」
私はリストを引き出しにしまい。少し緊張しながらお茶会の会場まで歩く
招待した人数が多いので少人数用のガゼボではなく
立食スタイルで本日は行うそうだ。
春の風が優しく吹く
ガヤガヤ…
子供たちの声がだんだん近づいてきた。
緊張している子、おしゃべりに夢中な子 自慢げに何か話している子 色々居る
会場に到着すると、田島さんが居た
― 私の正体を知らないまま話しかけるのはだめだよね ー
変身した女性だったらかけよって挨拶できたが、そうもいかない
駆け寄りたい気持ちをぐっとこらえてメイドに尋ねた
「あちらの男性は?」
「本日のお茶会の料理担当者です。
城下町で、異国の食材使った食堂を開いていると聞きつけた執事が呼び寄せたらしいです。」
「そう…楽しみね!」
田島さん!ありがとう!お店大丈夫かな…?
田島さんが作るなら何でも美味しいと思っている私は、日本のお菓子があるのではないかと
脳内ではもうテンションが爆上がりしていた。
「皇女様…言いにくいのですが、笑顔がちょっと…その」
…! 無意識にニヤニヤしちゃってたわ!
すると、ルーカスが会場の中心へ立ち 手を叩いた。
パンパンッ!!
「ご歓談中申し訳ございませんが、皇女様からご挨拶がありますので。静かにお願いいたします。」
静まり返る会場
「皇女様、ご挨拶を」 一礼をして後ろに下がるルーカス
「本日は、お忙しい中 お茶会に参加してくださいまして誠にありがとうございます。
階級など気にするかもしれませんが、この場は正式な社交場ではなく あくまで歳が近い子供同士での集まりですので
自然体でお話できればと思っています。楽しい時間を一緒にすごしましょう。」
一礼してルーカスの元へ下がった。
「ご家族は、別室にてお過ごして頂ければと思います。後ろにいる赤い制服の騎士がご案内いたしますので ご移動願います。」
ルーカスのアナウンスで、子供達の家族がぞろぞろと移動していく
さっきまで、元気に話していた女の子も少し不安そうな表情をし始めた
―まぁ不安だよね… リストで気になっていた2人はどの子なんだろう?-
外見の特徴はリストにはなかったので、どうやって探そうと悩み始めた
「皇女様!お会いできて光栄です!」 声をかけられて顔を正面に戻す
3人組の男の子達が作り笑顔というか…キメ顔?で立っていた。
「お茶会に来てくれてありがとう」 ニコっと皇女スマイルをする私
「僕は オリバーと申します。王家直属の薬事関係の息子です。」
「右はトーマス、左はルドルフ いずれも同じです
本日初めてお会いできて、皇女様の美しさに見惚れてしまいました~」
―チャラい…チャラいわ キラキラチャラ男子本当苦手 -
「あら、お世辞だとしても嬉しいわ^^ 本日は楽しんで下さいね」
取り巻きだと思われる子たちは何も発言しないで、ペコっと頭を下げる
それからというもの、向こうから話しかけられては
いかに自分の階級や両親の職業が立派なのか、友達になりなさいと言われたから
利益の羽をつかみ取りたいかのような
ギラギラした子供達との挨拶が続いて疲れてしまった…。
「ふぅ~胸焼けしそうよ…料理食べてないのに」
少し離れた場所で 一人になった私は深く息を吸った
とりあえず飲み物が欲しい。皆の前で挨拶して緊張してたし、ずっと話していたから喉が渇いた
長いテーブルには、プチシュークリーム、プリン、エクレア、鮮やかな色をしたドーナツ…
どれも立食用に一口サイズで並んでいた
―くぅぅううう! これ絶対美味しいやつ! 日本で食べたデザート懐かしい!―
飲み物は見本が並べられていた
メロンソーダ、ジンジャエール、イチゴミルク、オレンジジュース、紅茶
色々あった
ジンジャエールを頼み、一気に喉に流し込む
「っぷはぁ~!!これ!これよ!喉でも味わうこの感じ最高!!」
…! はっ! やばっ!メイドに見られた
給仕メイドは口をすぼませ、笑わないように耐えていた
「…今の見たのは内緒でお願いね…?次、メロンソーダで」気まずそうに小声になる私
「っ…ふっ、はいっ」肩を震わせながら次の飲み物を注ぐメイド
メロンソーダはゆっくり飲もう…。コップを受け取った時
後ろから叫び声が聞こえた
キャァー! あんた何てことすんのよ!!
ドレスに一部が緑色になっている 激怒している淡いピンク色のドレスを着た令嬢と
地面にぺたんと座っているおびえている黄色いドレスを着た令嬢
駆け寄る私
「皇女様、この者が私のドレスに飲み物をわざとかけたんですの!」
「いえ、わざとでは決してありません…。足を誰に引っ掛けられたのです」
「見苦しいですわよ!! おだまりなさい!」
―おぉーこれアニメで 見たことある~ 修羅場だー
「皇女様、信じてください…私は…決して」話の途中から泣き出してしまった
「とりあえず、お二人は怪我はないの?」
「えぇ。」
「はい…ありません。」
「このドレス、この日の為に仕立て直した特注品ですの
どうしてくれるよ!!」
「まぁまぁ、落ち着いてください。」
「皇女様だからってこの問題に口だされるはどうかと思いますわ!フン!」
どんどんヒートアップしてますやん
「分かりました。そのまま動かないでください」
「なっ!私になさるつもりですの?!」
「はぁ…うっせぇなぁ いいから、だまれよお前」座った目で低く小さい声で言ってしまった
青ざめ静かになる令嬢の汚れ部分らへんで手をかざし、その手を空へ向かってあげた
風魔法とスキル汚れを綺麗する魔法で汚れが消え去る
小さい粒子の光の粒が空へ登っていく
「あとこれは、先ほどの私が失言してしまったお詫びです」
淡いピンクの光が令嬢のドレスの肩下に集まり バラのブローチが現れた
ポカンとしている令嬢
「あ…ありがとうございます…大事に、かっ家宝にいたしますわ」
「あなたの名前を教えて頂戴」
「…!私はアーディク・デイジーと申しますわ。騒いでしまい申しわけございません。
両親とは関係ありませんので、罰は私が受けますわ…」
―あぁ…この子私が罰を言い渡すと思ってるのか …ん?今なんて?ー
「もう一度名前を」
「アーディク・デイジー…ですわ」
―えぇぇぇぇ!?この気性激しい子が?! 探してた一人?!―
驚きのあまり、目を大きく見開いて一瞬固まってしまった。
「罰には等に値しません。故に 何も私はデイジーさんへしません。
今度お手紙を書いてもよいかしら?」
「…はい…。」下を向いたまま少し震えている。
― あ~…なんか怖がらせちゃった ごめんよ ―
はっ!そういえば座っていた令嬢を起こさないと!
「立てるかしら?」 今までへたり込んでいた令嬢に手を差し出す
「はい…」ゆっくり立ち上がる泣いていた令嬢 手が少しまだ震えている
同じように激怒していた令嬢と同じ魔法を行い、綺麗にしてあげた。
「あなたの名前も聞いていいかしら?」
「はい、私は ヴァン・ネモーリアです。」
すると野次馬の集団の中から、
ミルクティーのような少しウェーブがかった小さい男の子がトコトコこちらにやって来た
「初めまして、あ、お初におめめかかってます皇女様。」
ー めっちゃカミカミで可愛い~ 天使かな?ん?天使かな? ー
「初めまして、どうしたの?」
「あの…みんな悪くないんです。 僕、他の令嬢達がこの黄色いドレスをきた女の子を囲んで飲み物のグラスを渡して顎で向こうに行けってやったの見たんです」
両手の拳をぎゅっとしながら下を向きながら話す男の子
「そう…よく話してくれたわ。あなたは勇気がある人なのね。
安心して?私はこの二人に怒ってはいないし、罰を受けさせるつもりもないの」
「よっよかったです…!」初めて私の目をしっかり見てニパッと笑った。
「あなたお名前は?
「ハーデン・クリストファーです。」もじもじしながら言った
―よっしゃぁあー!気になっていた子これでコンプリート!―
心の中で何度もガッツポーツした 神様ありがとう!
「また今度お茶会に誘うから来てくれるかな?そちらの デイジーさん、ネモーリアさんも一緒に」
三人はコクコクと頷いた。
―これで、やっと見つけたわ。―




