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サンタさん

季節は秋ももう終わり、冬を迎えていた。

もう外は寒い。

僕のバイト場のコンビニではクリスマスな雰囲気にすでになっていた。


「大沢きゅん。今日からこれ着て仕事してね!」

サンタクロースの衣装を渡された。

「えーこれ着るんですか?」

「絶対はまり役だよー!マイちゃんトナカイ着てるよ!」

めっちゃ気になる!

「じゃあ仕事でまーす。」

「頑張ってねー!」

着替えて鏡を見てみた。確かにはまり役だ…


「おう大沢。」

「ぷっ…」

僕は大笑いしてしまった。橋本さんのトナカイはインパクトがありすぎた。

「お前、殺す。」

「ごめんなさい!似合ってます!」

「今日説教な。」

その日は橋本さんにこっぴどく説教をされ、家へ帰った。


「やぁター君。おかえり。ちょっと部屋に良いかな?」

「どうしたの改まって?」


「まぁまぁ良いから!」

帰って早々にみーちゃんと僕の部屋で話をした。


「もうクリスマスじゃん?」

「うん、そうだね!早いね!」

「本当に早い…。そこでだ、ター君。私とデートして!」

「え?なんで?」

「なんでって酷い奴だなぁ!私就職する事に決めたから!」

「そーなの?」

「うん…とりあえず家を出て1人暮らししようかなって。だから学生生活最後にデートしてよ!24日!」

「1人暮らし⁉︎大丈夫なの?」

「まぁ〜大丈夫でしょ!人生経験だよ。」

「そっか…寂しくなるね。」

「しょっちゅう帰ってくるつもりだから大丈夫!」

「それあまり意味ないよね!」

「あははは、じゃあ来週空けておいてね!」

「わ、わかった。」

そう言ってみーちゃんは帰って行った。


みーちゃんはいつも急に物事を決めてしまう。本当に就職で良かったのかいきなりデートだとか。


そうこうしてるうちに約束の日になった。

「ター君迎え来たよー!」

「みーちゃん、なんだか今日は大人っぽいね。」

「偉い!褒めれるようになって調教したかいがあったってもんだぜ!」


この日のみーちゃんはやけに大人びて見えた。

服装だけじゃなく、なにかが違った。


「とりあえずご飯食べ行ってーイルミネーション行こう!」

「うん、分かった。」


そうして出掛けた。

みーちゃんはお洒落なレストランに予約を取っていた。

「私達みたいな子供にはまだ似合わないね。」

「確かに落ちつかないけど、料理は美味しいよ!」

周りはいかにもな大人ばかりだった。

僕達は相当に浮いていただろう。


ディナーを堪能した僕達はイルミネーションが有名な場所へと足を運んだ。


「そうだ、明日。田中や茜さん達とクリスマスパーティーするんだけどみーちゃんも来なよ!みんなにも誘ってって言われてるし!」


「あ〜明日は無理。お父さんが久しぶりにクリスマスは早く家に帰ってくるみたいだから私とクリスマスするの楽しみにしてて。ごめんね!」


「そっか…それは仕方ないよね。」

「でもここ本当に綺麗だよね!」

「カメラ持ってきたら良かったな!」

「あははは」

みーちゃんは手を繋いできた。

「な、なに!?」

「別に良いじゃん。減るもんじゃなし!こうしてたら私達カップルに見えるかな?」

「え!?ま、まぁ…周りカップルばかりだし見えるのかもしれないね。」

「んふ。ター君は可愛いな!最近茜とはどう?」

「茜さん!?特に…たまに遊んだり連絡取ってるくらいだよ。」

「へぇー。茜かわいいもんなー彼氏とか作んないのかな?」

「知らないよ!」

「そーかそーか。まぁいいか!」

それから他愛もない話をし帰宅した。

「ター君今日はありがとう!良いクリスマスだった!」

「僕もだよ!じゃあおやすみ。」

「おやすみ…」


僕はお風呂に入り部屋に戻り布団へ入った。

みーちゃん就職かぁとか考えてたりしていてもう眠りにつきそうだった。

ガサゴソガサゴソ

ん?

なんだ?


「みーちゃん!?」

「しーっ!ター君今日一緒に寝させて。」

「え!?」


僕は壁の方を向いた。背中側にはみーちゃんがいる。

「ど、どうしたの?」

「小さい頃よく一緒に寝てたじゃん。」

「そうだけど。」

「クリスマスの夜はこうやってサンタさん来るの待ってたよね。いつのまにか寝ちゃって…起きたら枕元に2つプレゼントがあって…」

「うん…。」


「今年はター君サンタさんになってくれないかな?」

「…。」

「寝ちゃった?…私ター君の事好きなの。小さい頃からずっと。ずっと見てた。ヘタれなター君も恥ずかしがり屋なター君も優しいター君も全部大好き。」

「うん…」

「起きてるじゃん。」

みーちゃんはギュッと抱きついてきた。

「ター君。」

「うん。」

「私じゃぁダメかな?こんなの卑怯なの分かってるんだけど私はター君から離れたくない。」


「みーちゃん…」

「ター君キスして良い?」

「ごめん…」

僕は泣いていてた。

みーちゃんの事は大好きだった。

でもそれは恋愛でとかではないから…

「やっぱり茜?かわいいもんね優しいし気遣い出来るし茜は本当にいい子。私が男でも惚れてる。」

「うん…僕は茜さんが好きなんだ…だから…みーちゃんのサンタにはなれない。ごめん…」


「分かってたよ。私もター君は茜に恋してるって分かってた…」

「じゃあなんで…。」

「なんでかな〜…伝えておきたかったからだよ…」

みーちゃんも泣いている。


「やっぱり私はいつだってター君のお姉ちゃんだから、私が見本見せないとター君はヘタれだからこの先進めないって…」

「1%の可能性があるなら私だって前に進みたかったの!……あ〜フラレちゃったかぁ…」

僕は疲れていたせいか眠りに落ちていた。


「本当に寝ちゃったか。ター君あなたは大丈夫。みんなに愛されてるよ…なにかあっても私が守ってあげる。自分の気持ちは頑張って伝えなよ?逃げてばかりは駄目。最近のター君は変わってきた…男らしくなったよ…お姉ちゃんの力が無くても必ず大丈夫。………大好き…。」


そう言ってみーちゃんは僕のおでこに優しくキスをした。

朝起きたらみーちゃんはもう居なくなっていた。

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