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そして後夜祭

僕は体育館の裏に着いた。

「ブタミ氏遅いでござる!」

「ごごめん!」

「大沢くん早く着替えて!化粧もするよ!」

「おーい、そっちセット大丈夫?」

「あーヤバいヤバい時間足りねーよ!」


もう、みんなバタバタだった。

衣装に着替え、化粧をしてもらった。


「可愛いよ大沢くん!」

「ホントだ。お前がもう少し痩せてたら惚れてたぜ。」

少しクラスの雰囲気も落ち着いてきたようだ。


《あと10分で2-2の演目が始まります。観覧される方は席へお座りください。なを、体育館内はお静かにお願いします。》

ざわざわ


アナウンスが始まり客が続々と入って来たようだ。


緊張感は一気に高まった。

クラスでリーダー的存在の高田くんがみんなを集めた。

「皆短い間でよくここまで出来たと思う。もう数分で舞台が始まるけど楽しもう!特に、ブタミと田中には1番大変な役割だけど皆でサポートしよう!他の出演者もリラックスして最高の劇にしよう!」

おー!!


みんな一丸となった。

僕は緊張で心臓が口から出そうだった。


「はぁー間に合った。茜!」

「美鈴さん!ここ席空いてます!」

「ターくん何するんだろうね?」

「なんか教えてくれなくて、でも見てて欲しいって。」

「私にはそんな事言わなかったくせに!」

「あははは」


「あっかねちゃん!」

「あ、店長さん!橋本さん!」

「おっす。」

「あ、謎のお姉さん。」

「あ?」

「ひぃー」

「大丈夫ですよ美鈴さん。橋本さんこちらは琢己君の幼馴染で御神本美鈴さんです!」


「あぁ例の。大沢がよく話に出してるよみーちゃんがみーちゃんがって。」

「よ、よろしくお願いします!」


「大沢きゅん楽しみだなぁーぷぷぷ」

「あぶなー!遅れるとこだった」

「あ、瑠璃ちょんここ空いてるよ!」

「テンチョー!!げっマイ姉も。」

「げっ。じゃねーよちびっ子。もう始まるぞ席着け。」

「先輩なんか頑張ってるっぽかったから見ないわけには行かないんです!」


オープニング曲が流れだす。

《お待たせしました。2-2による演目『美女と野獣』始まります》


「劇なの!?」

「み、みたいですね」

「わぁー楽しそう!」



バクバクバク

し、死ぬ。僕、死ぬ!こんな緊張経験したのは初めてだ!


「おい、幕上がるぞ!」


《昔々、遠い国のお城に若い王子が居ました……魔女は王子を野獣の姿に変えてしまいました。》


田中がゆっくり出る。

館内みんな笑っている

「よし、掴みはいいぞ!」


「あー僕は希望を失った。こんな醜い野獣の姿誰が愛してくれるというのだ。」

田中の迫真の演技で照明が暗くなる。

「良かったよ田中!」

「いや、もう心臓がバクバクでござった!まだまだ続くと思うと拙者倒れてしまうでござる!」


「大丈夫だから頑張れよ!」


次は僕の出番だ。あーもう苦しい!過呼吸にでもなりそうなくらいに。

時間はすぐに経ち照明がついた。


僕はステージへ出た。

「ぱ、パパ。明日の準備は出来た?」


さらに笑いをかっさらった。

「オッケー!ナイスブタミ!」

「大沢くんも大丈夫そうだね!」

クラスのみんなは少しホッとしていた。僕の事が相当に不安だったのだろう。



「ター君!?」

「あの女の子って主人公ですよね!?」


「化粧までして似合ってんじゃん。ウケる。」

「先輩、かわいい!」


物語は順調に進んでいった。


「大沢くん、早くドレスに着替えて!!」

「は、はい!」

僕と田中のダンスシーンだ。1番の見せ場である。


音楽が流れ、僕と田中は息ぴったりに踊って見せた。

場内は笑いから、真剣に見入るようになっていた。

「ター君めっちゃ綺麗じゃん。」

「このシーン素敵ですね」


ついに劇は終盤に突入した。もう僕も田中も他の出演者も役になりきるくらい集中していた。

「死ぬ前に君にもう一度会えて良かった」

「そんな事いわないで!助かるわ!」

「まだ君に伝えていない事があった。愛しているよ」

「私もよ」


すすり泣く声や色々な音が聞こえてくる。

《バラの花が散り、野獣は元の王子の姿に戻りました。》


そして、ラスト場面でダンスをし

「ねぇ、おヒゲを伸ばすのはどんな気持ち?」

「はっはっはっ!うおー!」


《美女と野獣は幸せに暮らしました。見た目に騙されてはいけません。美しさは人の内にあるのです。》

幕が下りた。



「わぁーやったー!田中ブタミおつかれ!めちゃくちゃ良かったぞ‼︎」

「感動して泣けちゃったよー」


僕と田中はやりきってその場に座りこんだ。

もう頭の中は真っ白だった。


幕の外からは鳴り止まない拍手がずっと聞こえていた。


「やば。めっちゃ感動した。ター君に泣かされるなんて…。」

「本当素敵なお話です。」


「良かったねぇ〜マイちゃん。」

「ハセちゃん鼻水でてる。」

「先輩やる時はやりますね!あと、お兄…バカ兄貴も」



《以上で文化祭全過程を終了致します。ありがとうございました。なを、後夜祭は自由参加ですので参加される方は校庭にお集まり下さい。》


僕は抜け殻のようになって部室へ行った。

茜さんの写真を眺めていた。

「ちょっと風に当たりいこう」

屋上へ行った誰も居ない。僕は校庭を見ていた

キャンプファイヤーをしておりフォークダンスのような事をやっている。

カップルも居れば友達と騒いでる人もいた。


「わっ!!」

「うわぁ!!茜さんかー!」


「ここに居るんじゃないかって思って。」

「ちょっと燃え尽きて風に当たりたくなって…」

「劇とっても良かった!感動しちゃった。」

「本当ですか?僕も田中も緊張で死にかけてました。」

「あははは!あーフォークダンスしてるね!」

「ですね。」


「あのさ、あの劇のダンス教えて?」

「え、良いですけど…」

僕は茜さんの手をとり少し教えた。

「1.2.3.1.2.3」

「できた!なんか二人三脚の時みたいだね。」

「そうですね。じゃあ一回やってみましょうか」


フォークダンスの曲にはこのダンスは合わなかったけれど1.2.1.2と踊り続けていた。

「琢己君、私も外見だけで人を見るような事しないよ。琢己君は中身もとっても素敵な人。」

僕は赤くなっていた。

「あの、茜さん僕は…」

丁度その時花火が打ち上げられた。

バーン


「わぁ綺麗。琢己君何か言おうとした?」

「あ、いえ、なんでもないです!もう一度踊りましょう。」

「うん!」

「せーの1.2.3.1.2.3」

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