第5話 異世界の景色はとても良い
出発すると決めたら行動は早くしないとな。
荷物は能力のアイテムボックスに入れておけばいいから心配はないし、旅路もどうせ無視されるから大丈夫だ。あとは行き先だけだ。
今回は平原の街だったし、次は流れ的に海か山か.........うん。山に行こう。なんか海は中盤に行くステージの印象が強いんだよな。
「それじゃあ、次はウェスティアに行こう!」
「......バイバイ!ゴストン!」
天気は良好!絶好の旅日和!家からもらってきたリンゴを食べながら飛ぶ。うん、優雅だ。
ウェスティアまでは4日ほどだし、のんびり能力の研究をしながら行くか。とりあえず精密魔力操作を試してみるか。
まずは基本的なことからやってみよう。
目を閉じて、心臓あたりから手のひらまで流すイメージを持ち、魔力を丸くする!
.........目を開けると魔力の塊が手のひらの上で浮いていた。
「やった!できた!!」
初めての魔力操作は大成功だった。その後も少しずつ形を変えたり、飛ばす練習をしていった。
「...これで刀とか作れないかな......よし!」
イメージだ。生前持ったことのある模造刀の感覚を思い出す。それをつかむ!
......手には一本の刀が握られていた。
「おお!ほんとにできた!」
声に出して喜ぶのはいつぶりだろうか。
何度か振ったのち、実際に使う場面は来るのだろうかとワクワクしつつ、腰に差してまた飛んで行った。
木の上で夜を過ごし順調に旅を続けていると、前に圧倒的な存在感を放つ山々が見えてきた。
「...マジでこの山登らないといけないの?きつくね?」
ウェスティアは山と河に囲まれた街で、ゴストンから行くのには山を登る必要があるという鬼畜仕様だ。
「......急に別の街に行きたくなってきたかも...」
けどここまで来るのに2日かかったし、ここで帰るのはもったいない気もするしな……はぁ
「やっぱり行くか~~」
「......おお......」
登山道らしき道に沿って飛んでいると、開けた場所に出た。そこには一面の花畑が広がっていた。
風が吹くたびに、色とりどりの花が揺れている。
「すげぇ......」
ここまで来るのに2時間はかかったが、もうそんなことはどうでもよくなった。
近くにあった木の下で腰を下ろしてゆっくりしていると、花畑の向こうから誰かがきた。
その人は花を選ぶように何本か摘むと、花束を作ってそそくさと帰っていった。
「......ここに来たということはあの人はウェスティアの人なのかな」
重い腰を上げ、その人の後をしばらくこっそりとついていくと、目的の場所が見えてきた。
「やっと着いたぜ!ウェスティア!」
……さて、今度こそ俺の理想のお家は見つかるかな?
能力解説そのご アイテムボックス
様々な物を収納できる4次元空間。
生きているものは入れることが出来ない。
番外そのいち。魔力で作ったものは任意で実体化させることができる。
次回は日曜日の21時頃に出す予定です




