14 [店は臨時休業中だが順調なカザミ6]
***注意***
村人の女性が慰み者にされる不快に感じられる内容が記載されています。
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村を見てまず思ったのは、村を囲んでいる柵は丸太や角材などを組み上げて作られた簡易的な物で、それも低く、子供の背丈ほどで魔物の襲撃を防げるような代物ではない
柵を軽く飛び越えて村の中に入った
火は上がっているが、燃えている場所は限定的だった
逃げ出した時に火の始末をしていなかった家が火事になったのだろう
村のほとんどの家々は掘っ立て小屋のようで、屋根は藁で造られているのがほとんどだ
これはあれだ、見た事はないが俺の居た元の世界で知られている茅葺き屋根というやつだと思う
「これでは火が回るのも早いはずだ」
さて、探知察知に映る赤い光点をチマチマと潰していくのも面倒だが、屋内に魔物が居た場合、天雷を放ってしまっては家まで破壊する事になるかもしれない
少々面倒だが青い光点の側にいる奴らから一つずつ潰していくか
もしかするとゴブリンと戦っていると言っていたフロアという姉妹の友人にも会える可能性も高いからな
考えが纏まったところで、さっそく探知察知を利用しながら歩きだすと、舗装されていない砂利道には村人とゴブリンの亡骸が転がっている
村人も只では死ねぬと、ゴブリンに一矢報いたのだろう
襲われてすぐに農具を手に果敢に戦っただろう村人の亡骸の傍には、鉈が落ちていた
まだ助けられる村人もいるか、死体にはかまわず小さな掘っ立て小屋の中に入った
「剣を持ったゴブリンが二体か」
家の扉は壊され、中はめちゃくちゃに荒されているが、人の姿はない
視界の端に表示されているレーダーを確認すると、どうやら近くにいるのは確かなようだ
ゴブリンが「ぐぎゃぎゃ」と、意味不明の言葉を口にしているが、俺はかまわず黒刀で胴を薙いだ
隣のゴブリンがベチャリと上半身を地面に落とす姿を見た残ったゴブリンは逃げ出そうとしたのか、釜戸の上の換気用に作られた木の板で閉ざされていた小さな窓から出て行こうとしたところを、背後から刀を突き刺し息の根を止めた
村の家屋の窓は、どうやら硝子が嵌め込まれた窓ではなく、木の板で穴を塞いでいるような簡易的な物のようだ
「誰かいるのなら、そのまま隠れていろ」
床下に隠れているのだろうと思い、俺はそう言い残して家屋から出て次の家へと向かった
扉が開いた状態の薄暗い家の中には、武装したゴブリンが群がっているのがわかったが、中で何が起きているのか外からは確認できない
中を覗くと群がっているゴブリンが「ぐぎゃぎゃー」と、訳のわからない言葉を発し仲間内で揉めているように見えた
家に入り問答無用で斬り殺していくと、中に群がっていた理由がわかった
「俺をこれ以上不快にさせるな」
眼に映った彼女は四つん這いの格好をさせられ、唇を噛み締めながら、ただジッと事が終わるのを耐えているようだった
行為に夢中で、背後で仲間が斬られている事にも気づかず腰を振っているゴブリンは「ぐぎゃあ」と口にして俺の方に振り向いた
揉めていたゴブリンは「次は俺だ」とでも言っていたのだろうか
ゴブリンに慰め者にされていた彼女とは会った事もない他人のはずだが、苛立ちを覚えそいつの顔面を蹴り飛ばした
襲われていた彼女は上着は着ていたので、腰巻がわりに大きめの布を投げ渡した
悔し涙を流しながら「もっと・・・もっと早く助けにきてよ」と、口にして俯いてしまった
リーサの言っていた、この世界の成人を迎えたぐらいだろう彼女に、かけてやる言葉が見当たらない
こんな時、世の男性はどう接してやるのだろうか・・・まずはゴブリンだ
立ち上がったゴブリンは剣を手にして、捲り上げていた動物の皮で作られたような腰巻を整えた後、屋内を見て全てを察したようだ
威勢よく「ぐぎゃぐぎゃ」と言っていたそいつは、顔色を曇らせ少し後ずさった
「魔物でも、この現状が理解できるようだな」
「ぐぎゃぎゃ・・・」
殺意よりも重苦しい感情が、胸の内に渦巻いている
俺はまず、剣を持つ腕を切り落とした
「俺がお前を蹂躙してやろう」
言葉を口にした後、刀を振り下ろす
「ぎゃー!」
斬り殺したゴブリン共が流した血溜りの床に、剣を握っていた腕が落ちた
「次は残った腕にするか、それとも足か」
込み上げてくる感情に抗う事なく、苛立ちをゴブリンに向ける
「ぐぎっ」
俺の殺意に反応したのか、ゴブリンは逃げ道を眼で探している
「手っ取り早く四肢を捥いでやろうか」
後ずさるゴブリンに詰め寄る事さえ面倒に思えてきた俺は、刀に魔力を纏わせ魔力の刃を飛ばしてみる
「意外とできるもんだな」
フォールとの一戦で、魔力の操り方次第でスキルを拡張できる事はわかっていた
今回は鞘に収めて迅雷を発動させてから放つ【居合い抜き】を鞘に収めず使ってみたが、意外とあっさりできてしまった
実験にはちょうどいい、被験体となったゴブリンは膝から下の両足を失い、床の上で悶えたあと、唯一、残された片腕で地面を這いながら滑稽な姿を晒している
ゴブリンを蹂躙していた俺の背後から、さきほどの女性の声が聞こえた
「私にやらせて」
後ろを振り返ると、包丁を手にした女性が涙を流しながら狂気な笑みを浮かべていた
「残った腕も斬り落としておく」
俺は地を這うゴブリンの腕に刀を突き立てた
「ぐぎゃぎゃー!」
「黙れ」
突き刺した刀を腕から抜き、床に切っ先を当てながら滑らすと、スッと腕を切断した
「あとは好きにしろ」
言葉通り、ゴブリンの四肢を斬り落としたあと、俺はその家を後にした
「まだけっこういるな」
探知察知に映る赤と青の光点を確認すると、無数の青い光点の近くに赤い光点が集まりだした
「村人を一箇所に集めていたようだな」
他の何個かの青い光点は動きはしないが、赤い光点が近寄ってくる事もないようだ
隠れたままじっとしているのだろう、そんな中で、赤と青の光点が隣り合う場所が一つ残っている
「こっちを先に始末しにいくか」
先ほどの事もあり、女性が襲われていたらと考え、隣り合う光点を優先する事にした
一箇所に集められている無数の青い光点の方は、少なくともまだ殺されはしないだろう
赤と青の光点が隣り合う場所に近づくと、「村の人達を助ける」と、はっきりとした声が聞こえ、刃が打ち合う甲高い音が響いている
「なかなかやるな」
俺は勇ましく戦う少女の戦いを見てみたくなり、足を止め少し離れた位置から観戦する事にした
戦っている相手は、ゴブリンにしては成人の様な体躯をしている
今までのゴブリンは子供ほどの大きさだったが、こいつは別物のようだ
少女の獲物を見ると、手にしているのは果物ナイフのような小さい刃だ
対してゴブリンの方は、立派な剣に木の盾を装備している
それでもゴブリンの剣を見事にナイフで防いでいるが、反撃に転じても木の盾で防がれてしまっている
短いナイフでは、あの盾を攻略する事はできなさそうに見えた
足を止める事なく上手く立ち回っているが決定打を見出せず、ノッポなゴブリンの隙を窺っている
ナイフを突き出し、斬り込む箇所は、見事に致命傷になる所ばかりだ
首筋に斬りこみ、胸元に切っ先を突き出しているが、やはり盾で防がれる
ゴブリンは装備の余裕からか少女を弄び楽しんでいる様に見えるが、少女はそのゴブリンの余裕を見事に逆手に取ってみせた
剣で斬りかかってきたところで、ナイフを使い今までの様に捌こうとするが、ナイフを弾き飛ばされたように演出して見せた
獲物を無くした少女を相手に、余裕から隙が生まれた
大きく剣を振り上げた刹那、少女は腰に隠してあったナイフを手に、胸元に突き刺した
ゴブリンは視線を胸元に向けた直後、うつ伏せるように倒れこんだ
「見事だな」
俺の声に振り返った少女を見ると、遠目からは気づかなかったが、茶色い髪の中に、ヒョコッと茶色く丸い耳を生やしている
そのみみは・・・俺は記憶の引き出しを探り当てた
「熊耳か!」




