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クラスから追放された最弱の俺。最強スキル【コピペ】で成り上がる。  作者: あーる


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 コピーした構造情報を確認する。


 完全な設計図ではない。


 それでも、倉庫に設置された魔道具が一つずつ独立しているわけではないことは分かった。


 柱の装置。


 二階の青い結晶。


 床下へ伸びた金属線。


 それらが一つの大きな仕組みとして繋がっている。


(中央で命令を出して、周囲の装置へ伝えてる……)


 アンデッドの腕が振り下ろされる。


「くっ!」


 ウォーハンマーで受ける。


 肩に痛みが走った。


「リーナ!」


「何!?」


「左奥の柱! 光ってる装置があるだろ!」


「あるけど!」


「壊せ!」


「理由は後で聞く!」


 リーナが走る。


 アンデッドの間をすり抜け、柱へ。


「レイカ!」


「今度は何よ!」


「二階! バルトの右側にある青い結晶!」


 レイカが顔を上げる。


「あれ?」


「そこも繋がってる!」


「分かったわ!」


 レイカが片手を向けた。


「させるか!」


 法衣の男が魔法を放つ。


 光弾がレイカへ飛ぶ!


「危ない!」


 俺は手元へ瓦礫をペーストし、目の前へ落とす。


 石塊に光弾が直撃。


 破片が飛び散った。


「今よ!」


 レイカの氷の槍が放たれる!


 ガシャアアアン!


 二階の青い結晶が砕けた。


 同時に。


「こっちも!」


 リーナの短剣が柱の魔道具へ突き刺さる。


 バチッ!


 火花。


 倉庫全体の光が大きく揺らいだ。


「な、何をした!?」


 バルトが叫ぶ。


 アンデッドたちの動きが、明らかに鈍くなる。


 何体かのスケルトンは、その場で糸が切れたように崩れ落ちた。


「やっぱり……!」


「制御装置だったの!?」


「ああ!」


 まだ全部は止まっていない。


 倉庫中央の床。


 そこにも、同じ構造の装置がある。


「もう一つ!」


 俺はアンデッドをかわしながら中央へ走る。


 体が重い。


 肩が痛い。


 それでも。


「これで……!」


 ウォーハンマーを振り上げる。


「終わりだ!」


 全力で中央装置へ叩きつけた!


 ガァン!金属が歪む。


 装置の中心にあった石が砕けた。


 倉庫中の光が消える。


 同時に、アンデッドたちの動きが止まった。


 完全に崩れなかった個体も、動きはひどく鈍い。


「今なら!」


「分かってる!」


 リーナとレイカが一気に残党を片付けていく。


 俺も近くのスケルトンをウォーハンマーで叩き倒した。


 数分後。


 倉庫に立っているアンデッドは、一体もいなかった。


「ば、馬鹿な……!」


 バルトの顔から余裕が消えている。


「我々の制御術式が……!」


 法衣の男も青ざめている。


「今度は、あんたたちの番ね」


 リーナが二階への階段を駆け上がる。


「ひっ!」


 バルトが逃げようとする。


「逃がすわけないでしょ!」


 リーナの足払い。


「ぐあっ!」


 バルトが派手に転んだ。


 すぐに腕を捻り上げる。


「痛い痛い痛い! 離せ!」


「黙りなさい」


 一方。


 法衣の男は手を掲げた。


「小娘が!」


 魔法陣が浮かぶ。


「あなたの相手は私よ」


 レイカが前へ出た。


 放たれた光弾を氷壁で受け止める。


 続けて、床から氷が伸び、男の足を一気に凍らせた。


「なっ――」


「私だって、いつまでも助けられてるだけじゃないのよ!」


 氷の塊が男の手元を打ち、その姿勢を崩す。


 男はその場へ倒れ込む。


「終わった……?」


 俺はウォーハンマーへ体重を預けた。


 さすがに限界が近い。


 だが、意識はまだある。


《[アンデッド制御魔道具の構造情報(断片)]を削除しました。クリップボード容量:9 / 10》


『ソウマさん!』


 通信機からルナの声。


『ギルドと衛兵隊はもうこちらへ向かっています!』


「分かった……」


 俺は二階へ上がる。


 リーナに押さえつけられたバルトを見下ろした。


「言え」


「な、何をだ……!」


「拉致した三人はどこだ」


 バルトの顔が引きつる。


「知らん!」


 リーナが腕をさらに捻る。


「痛い痛い! 分かった! 分かったから!」


「どこ」


「もう、ここにはいない!」


「何?」


 俺の声が低くなる。


「商会の船で運んだ! 河港から下流へ!」


「どこへだ!」


 バルトは口を閉じる。


 代わりに、床に倒れていた法衣の男が笑った。


「もう遅い……」


「何?」


「あの三人なら……今頃は研究所へ向かっている」


「研究所?」


「異世界人の能力には、まだ我々の知らぬ価値がある」


 男の口元が歪む。


「お前たちには、もう追いつけん」


「船はいつ出た」


「フフ……」


 答えない。


 その時だった。


 ドンッ!


 倉庫の扉が大きな音を立てて開いた。


「全員、武器を捨てろ!」


 衛兵たちが一斉になだれ込んでくる。


 その後ろには、ギルドから派遣された冒険者たちの姿もある。


「ソウマさん!」


 先頭にいたエマさんがこちらへ駆け寄る。


「大丈夫ですか!?」


「俺は大丈夫です。それより、この二人を」


 床のバルトたちを指す。


「失踪した三人を船でどこかへ移したらしいです」


「船……?」


「研究所って言ってました」


 衛兵の一人がすぐに部下へ指示を飛ばす。


「河港へ確認に行け!」


「はっ!」


 しばらくして。


 戻ってきた衛兵の表情を見た瞬間、嫌な予感がした。


「……船は?」


 尋ねる。


 衛兵は悔しそうに首を振った。


「すでに出港しています」


「いつ?」


「記録では、半日以上前です」


「……そうか」


 握った拳に力が入る。


 遅かった。


 また助けられなかった。


 だが。


「研究所の場所は?」


「これからバルトたちを取り調べます。航路も調べます」


「分かりました」


 まだ終わってはいない。


 三人は死んだと決まったわけじゃない。


 むしろ、研究所へ運ばれたというなら、生きている可能性は高い。


「ソウマ」


 リーナが隣へ来る。


「また無茶する顔してるわよ」


「まだ何も言ってないだろ」


「顔見れば分かる」


 反対側にはレイカ。


「今度は勝手に一人で行ったりしないでよね」


「……分かってる」


 俺は二人を見る。


 今度は一人じゃない。


 三人は、生きている。


 なら――。


 追うだけだ。

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