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目的は二つ。未完成の地図を完成させること。そして、深部に潜むというアンデッドと「奇妙な音」の正体を探ること。
地図作成には、測量道具と記録用具が必要だな。これはギルドで相談してみよう。
問題はアンデッド対策だ。エマさんの話ではスケルトンやゾンビが出るらしい。聖水があれば有効らしいが……。
俺はまず街にある小さな神殿を訪ねてみた。厳かな雰囲気の建物だ。
中にいた、穏やかそうな初老の神官に声をかける。
「すみません、聖水を分けていただくことはできますか?」
「ほう、聖水とな。して、若き冒険者よ、何用かな?」
神官は静かに問う。
「廃坑に出るというアンデッド対策です」
「廃坑……」
神官はわずかに眉をひそめた。
「あそこは古くから良くない噂がある場所じゃ。聖水は浄化の力を宿すが、アンデッドそのものを滅する万能薬ではないぞ。それに、我らが祈りを込めて生成する貴重なもの。安くはないが……それでも必要かな?」
「はい。いくらになりますか?」
「ふむ……この小瓶一つで、銀貨1枚じゃな」
銀貨1枚! 昨日手に入れた報酬の三分の一か……。かなり痛い出費だ。
だが、アンデッド相手に切り札があるのとないのとでは、精神的な余裕が違うだろう。
「……買います。お願いします」
なけなしの銀貨を支払い、小さなガラス瓶に入った透明な液体を受け取る。これが聖水か。見た目はただの水だが、神聖な力が込められているらしい。
次にギルドへ向かう。
「エマさん、地図作成用の道具を借りたいんですが」
「地図作成ですか! いいですね。はい、こちらをどうぞ」
エマさんは、羊皮紙数枚とインク、ペン、それに方位磁針と、歩数を記録する簡単なカウンターのような道具を貸してくれた。
「地図を作るコツはですね、まず分岐点や広間、特徴的な地形などをしっかり記録すること。そして、方位と歩測で距離感をなるべく正確に描くことですよ。焦らず、丁寧に進めてくださいね」
「ありがとうございます。助かります」
アンデッド対策について、もう少し情報を集める。
酒場の噂やエマさんの話を総合すると、スケルトンには剣より鈍器による打撃が有効らしい。特に関節や頭部を破壊すれば動きを止められるとか。
「鈍器か……」
ショートソードだけでは心許ない。俺は街の道具屋や中古武器屋を巡ってみた。
「いらっしゃい! 何探してるんだい?」
「何か手頃な鈍器はありますか? 中古でも構わないんですが」
「鈍器ねぇ……ああ、これなんかどうだい?」
店主が出してきたのは、少し錆びついているが、まだ十分使えそうな片手用のウォーハンマーだった。鉄製の重そうな頭がついている。
「こいつなら、スケルトンの骨くらい、簡単にへし折れるぜ? 古いもんだから、銅貨50枚でいいよ」
銅貨50枚。聖水の後ではこれも安くないが、必要経費だ。
「よし、これを買います」
これで武器はショートソードとウォーハンマーの二刀流……いや、使い分けだな。
宿に戻る前に、松明を多めに買い込み、保存食と水も補充する。
部屋に戻り、クリップボードを確認。
ウォーハンマーに触れ、コピーする。
《[ウォーハンマー]をコピーしました。クリップボード容量:9 / 10》
これで、いざとなればピッケルだけでなく、ハンマーも生成できる。
クリップボードには、石ころ、瓦礫、粗末な木の弓、ゴブリンの槍、硬い岩盤データ、燃焼中の松明先端、ピッケル、魔鉱石(低品質)、ウォーハンマーが入っている。
かなり埋まっている。
燃焼中の松明先端は、普通の松明を多めに用意した今となっては必要性が低い。これは削除しておこう。
《[燃焼中の松明先端]のデータを削除しました。クリップボード容量:8 / 10》
これで準備は整ったはずだ。




