第177話 強い人を怒らせてはいけない
「私達旅人のせいで迷惑をかけてしまい、申し訳ありません。」
旅人のせいで被害を受けた住人が知り合いにいたことに思わず謝罪をする。
もふもふ過激派とは関係ないとはいえ、住人からみれば旅人であることにかわりはないから。
「大丈夫ですよ〜ソラちゃんが謝らなくて〜、ソラちゃんが悪い子じゃないのはわかってますから〜、旅人にもいい人や悪い人がいることは理解してますから〜。」
手をパタパタさせながら明るく話してくれるサロンさんにほっとしているとー。
「元凶が目の前に現れることがあれば問答無用でぶちのめしますけれど。」
「…、そ、それでいいと思います。」
伸ばしがない低いデスボイスを笑顔で放つサロンさんに震えながら、当事者達はすでに垢バンになってるだろうけどと思いつつ答えた。
プリンも話を聞いていたようで、何やらファイティングポーズをこっそりしていて笑いを誘ってくれていたのが救いだ。
他の子?みんなフリーダムにそこら辺で遊んでるよ、プリンは基本私の近くにいることが多いから話を聞いてることが多いんだよ。
シエルはちょっとした保育士みたいな感じでコハク達を見てることが多くて、とてもお世話になってる。
………、うん現実逃避はやめよう。
ブラックなサロンさんを宥めつつ専用道具を作るなら直接持ち込みで頼むのが早そうなので、サロンさんにたまごが還ったらまた会いに来ますと言って別れてから、町で残りの材料を揃えた後ケット・シーの里に転移した。
なんか最近ここに良く来るな〜と思いながらも、ミケ工房に向かっていると道中で行き交うケット・シー達は前に見た時とは違い何やら活気がある、無事に交易が再開したことでにぎわっていみたいだね。
前までもそれなりに活気があるとは思ってたけど、これを見るとやっぱり違うんだね、今のほうが楽しそう。
今後はあんな事件が起こらないように気を付けないとね。
ケット・シー達の明るい笑顔を交わしつつミケ工房に到着したので声をかけながら中に入る。
「あっ、ソラちゃんいらっしゃいニャ。」
たまたま近くにいたのはミケさんで何やら沢山の素材が入った箱を持っていた。
「お久しぶり?です。ミケさんが元気そうで良かったですが、今お忙しいですか。」
「まあまあの忙しさかニャ?交易を再開して今まで止まってた依頼を受けたりしてるニャんよ。
それよりも何かあったのかニャン?」
「えーっと、実は海獣のたまごが手に入ったのでそれ専用の道具を作ってもらえないかと思ってまして。」
「海獣のたまごなんて珍しいのニャ!あれ用に作るなら材料が特殊だけど持ってるのかニャ?」
「はい、必要な材料は揃ってます。」
「なら、大丈夫ニャ。
担当はジャックがやってるから、4番部屋に行くといいニャ。」
「ありがとうございます、また休憩時間に一緒にお茶でもしませんか。」
「!もちろんいいニャよ、また後でニャ〜。」
ご機嫌に尻尾をゆらゆらさせながら去っていくミケさんを見送ってから4番部屋に向かった。
豆知識
ケット・シー達は気まぐれ転移なので安定した受注は出来ません、コツを掴んだベテランケット・シーはある程度任意の場所へ行くことができます
…ミケさん?あの子は方向音痴なんですよ、本人無自覚ですが




