第160話 レベッカ
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レベッカと言うのは師匠の名前なんだ。
初めてロンダンさんに紹介された時、名前はレベッカだけど師匠って呼べって言われたんだよ。
改めて考えてみると集落の天族達は師匠の事を名前で呼んでるところを見たことがない。
姉さんとか姉御とか嬢ちゃんとか先生とか呼ばれてた…。
「なんでっ、どうなってるんだっ!」
「嬢ちゃんちょっと落ち着いてっ。」
混乱状態の師匠?の視点がフェイドアウトして見えなくなったと思ったら、またセピア色の町に放り出された。
今度はいつも通りの視点で師匠?の行動を確認するみたい。
混乱した師匠?をロンダンさんと看護の人が宥めている所の近くにいるので観察していると、ロンダンさんが懐から手紙らしき物を渡した。
「これはお主の怪我を治療する際に服から落ちた物じゃ、誰か宛の手紙のようじゃて、何か分かるかもしれんよ。」
「…。」
「もう少し落ち着いてから先の話をしようかの。」
そう言うとロンダンさんはその場から離れて行った。
看護の人も気を利かせて持ち場を離れて行くと、師匠?は宛名を確認してから中から出てきた手紙を読み始めた。
私も確認すると、宛名にはレオンハルト団長と書かれていて書いた人物は師匠のようだ。
そして師匠が持っている手紙を便乗して読んでみると衝撃的な内容だった。
“こんな風に紙に書くなんて始末書くらいしかないんだけどな、これが団長に渡らずに済んだらいいんだけど、何もなければ後で証拠隠滅したらいいし。
でも、これを読んでるのがアタシ以外のヤツなら団長がいいんだけどな。
スキルが無事に発動したなら団長は生き残る筈だから。
前もって言うが、これは団長以外の奴ら全員の意思を確認してるから。
アタシは誰にも言ってなかったユニークスキルを持ってる、その名も『サクリファイス』鑑定してもらったヤツによると自分の命と引き換えに指定した1人の身代わりになるスキルで、人生に一度しか使えないものだったらしい。
魔王の起こすスタンピードでどれだけ被害が出るのか予測出来ないこの状況を維持するには誰か一人でも強者が生き残り種族を守ることじゃないかって考えたんだ、アタシのスキルを使えば。
団員にはこのスキルの使い方の話し合いをして、もし今後のために誰かを助けるならこの騎士団で1番強い団長を残すことに決定した、団長ってばオールマイティだからね。
まあ、団長からしてみたら本人抜きで決められてかなり余計なお世話だったかもしれないが、アタシ達は騎士団の誰からも信頼されて慕われてる団長に生きて欲しかった。
このスキルは本番でしか使えないから、どんな事が起こって助かるのか分からない、出来れば発動しない事を祈るよ。
1番いいのは騎士団皆で生きて帰る事だけどな。
もし、そこにアタシがいなくても
レオンはアタシの事を忘れないでね
アタシは最後まで諦めず貴方と共に戦っていた事を
レベッカ ”




