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「お疲れ。皆」
ティルが僕の頭の上で言った。
あれから僕達は、壁を壊されては、作るを繰り返した。空が白ける頃、ボロボロのイック君の背に乗ったライ君と、ニック君に乗ったルック君が、僕達のとこに来た。そのままの勢いで、僕達を拾って、街から少し離れた丘の上に来た。
「皆ちゃんと逃げれたかなぁ」
街を見ながら呟いてみる。
「あんだげ、時間稼いでやったんだ。逃げてなきゃ、ぶっ飛ばす」
「逃げれてなければ、全滅してると思うけどね」
「ええぇ!?」
だらけたまま、サラリと言う事じゃない気がするよぅ(慌)。
「そりゃそうか」
「えええぇぇ!?」
ライ君まで、サラリって!
「ぼっ、僕助けるぅ!」
だから死んじゃ駄目ぇ!
「待てぃ」
街に行こうとしたら、ライ君に首根っこ摑まれた。
「だいじょぶよ。風の精霊が、無事を教えてくれたから」
「本当?よかったぁ」
ホッとしたら、胸を撫で下ろす人の気持ち、分かっちゃった。
「さて、あの人達。どう行動するかしら」
ティルが向いた方を見ると、遠くに街の皆が見えた。
「あそこに住む!」
と思う!あ、でもお家建てるの大変だよねぇ。僕手伝おうかな。ご褒美くれるかな?
なんて、考えを巡らしてたら、ティルとライ君が何か言いたげに僕を見た。
僕、また顔に何か付いてる?
「あー。駄目だ。今は突っ込んでやれる元気ねーや」
ぐったり座り込んで、街の皆を見る。
「ライに同じ~」
おっきく溜息吐いて、僕の上で寝そべる。
溜息は幸せ一個逃げちゃうんだよぉ。
でも、僕も疲れたから、ちょっと座る。
「そうだよね。僕達頑張ったもんね。ボロボロだから、お家作れないや」
「あー。はいはい。もう、今はそういう事で良いや」
寝そべって、空を仰ぐ。
「ライ君気持ち良さそぉ。僕も寝るぅ」
「て、ちょっと待ちなさーっきゃう!」
あ。おっちゃった。ティルいたんだった。
あ。怒ってるぅぅ!
あ。萎んだ。
「駄目。怒る元気ない」
あ。ティルも葉っぱの上に寝た。
ルック君だけ元気。
ボロボロで、送還できないイック君を看てる。
「睡眠不足。肌に悪い。寝る(怒)」
王子は肌を大切にしなきゃいけないんだっけ。国の宝だからなんとかって、ライ君。
僕も眠い。ティルも寝てるし。僕も・・・寝る・・・。