表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
じいちゃんの飼っていた犬が新種だった。でも、なんだか、おかしい????????  作者: 田舎娘


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/35

  8 チャイムの設置と不思議現象

 昨日買ったチャイムを取り付けた。これで少し文明的な生活ができるだろう。チャイムがあるって文明的だよね。思っているのは俺だけ?自己満足でいいや。

「なあ、ケン太。」

「ワン。」


 じいちゃんちじゃあなくて、俺んちは、車庫の後ろに倉庫があるんだ。倉庫は二つ。

 手前の倉庫は、道具置き場だ。俺の知らない作業道具がきちんと整理されて、壁につるされていた。トラクターまである。俺は、トラクターの運転なんてしたことがない。どうやるんだ?

 トラクターの勉強は、今夜の暇つぶしとなる予定だ。


 山に近い倉庫は、収穫した作物を置いておく倉庫らしい。入るとちょっとひんやりする。エアコンもないのにどうしてだと思ったが、そこは、昔の蔵みたいで、壁の厚い漆喰仕様みたいだ。

「昔の人ってすごいよな。電気もないのに知恵だけでこんな建物を作るんだもんな。ケン太もそう思うだろう。」

「ワンワン。」


 すでに、収穫したリンゴを置いてある。なんだか、採った時よりおいしそうに見える。一つつまみ食いだ。ケン太もそそくさっとやってきて、自分でリンゴを加えて外に出て行った。出ていく時、俺を振り返るんだ。で、思い立った。倉庫はきれいに使わないと。食べるんだったら、外に出てからだ。ケン太に作法をお教えてもらった。そのケン太は、倉庫のそばでおいしそうにリンゴをほおばっている。

「リンゴ、美味しいな。」

「ワン。」


 ピンポーン。

 チャイムがなった。結構大きな音だったので驚いた。ケン太は驚いていなそうだ。動物は、音に敏感だから、誰か来るのがわかったんだろう。動物って、すごいよな。チャイムが早速役に立った。


 昨日の宅配業者だった。今日は、おふくろからだ。俺の服とかだろう。連日、こんな奥に申しわけない。

「ちょくちょく山を下りてますから、来る前に連絡ください。事業所に取りに行きますよ。」

「そうしていただけると、助かります。」

「ご苦労様。」

「ワン。」

 ケン太も労わっている。このドライバーさんにもリンゴのお裾分けだ。

 それがあんな事件になろうとは……。



 本日は、チャイムの出来に満足して、ごきげんに布団に入ったんだよ。そしたら、ケン太が夜中にむっくり起き上がって

「ウー、ウゥ。」

 とか吠えるんだよ。隣の俺さえ怖くなるほどだった。ケン太は外に向かって敵意をむき出しにしていた。良く聞くと、人の声が聞こえてくる。内容は聞き取れない。俺は、なけなしの勇気を振り絞って、玄関から一番遠い縁側の窓から外に出て、玄関にソーと回った。何と、リンゴ泥棒だ。倉庫の鍵を閉め忘れたらしい。


 ケン太を落ち着かせ、110番だ。俺は、家中の鍵を静かに確認して、警察が来るのを待つ。でも、ここは町から車で1時間の距離だ。

「間に合ってくれ。」

 祈るような気持ちでスマホを握りしめていた。願いは、通じなっかった。

 バタン、バタンとドアの閉まる音がして、泥棒野郎は任務完了して帰ってしまった。


 倉庫を見ると、根こそぎやられていた。俺は収穫しただけだが、じいちゃんの苦労を思うと怒りがふつふつと湧いてくる。ケン太も倉庫を見て鳴いている。もう一度、警察に電話しようとしたら、パトカーが到着した。

 遅い、と文句を言おうとしたが、途中で泥棒に遭遇しているはずだ。俺は文句を言うのをやめた。正解だったらしい。



「ちょっと先で、リンゴを積んだトラックに会いましてね。確認して欲しいのですが。」

 俺は、空っぽの倉庫に案内して、家の中にあったリンゴを持ってきて、

「これと同じリンゴを盗まれました。」

 パトカーから、

「証拠がねえだろう。」

「それは、俺たちが違う家から頼まれて運んでるんだ。」

 騒いでいる。警官も、

「決定的な証拠がないと、難しいかもしれません。」

 暗かったし、顔はハッキリ見ていない。でも、車はわかる。でも、

「盗んでいるときの画像でもあれば一発なんですが。」

 ケン太が、玄関先で吠えている。そうだ。あれだ。


 証拠は、バッチリ映っていた。玄関のチャイムだ。このチャイムは高性能ではないが、おもしろい機能がついていた。チャイムを押すと画像が録画されるんだ。残り1つで安かったんだよ。今時、家の中に通じないのはお呼びじゃあないらしい。

 そんで、寝る前に、チャイムがなったんだよ。俺にはちゃんと聞こえたんだが、ケン太が反応しないから、気のせいか、何かの誤作動だと思って放置してたんだ。

 それにくっきり映っていたんだ。それも音声付きで。これをつきつけられて言い逃れはできなくなった。何て、高性能のチャイムだ。


 犯行動機は、【美味しいリンゴだから、都会に持っていったら売れるだろう】。人の迷惑を考えろ。

 リンゴは、無事に帰ってきた。



後日、宅配業者のドライバーさんが謝りに来た。

「すみません。俺が、ご近所にリンゴを配ったんです。そん時に、こちらの家を教えてしまって、俺のせいです。」

 なんでも、

「美味しいリンゴだから、大量に買って親戚に送ってやりたい。」

 って、言われたらしい。ドライバーさんは、何度も頭を下げて帰って行った。


「ケン太。門扉もかんがえるか。」

「ワン。」




読んでいただいて、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ