41 やっと………。
末っ子の楽天さに勘太の毒気は抜かれた。
「ケン太、俺は考え過ぎか。まだ、ハッキリしていないことをくよくよ考えてもしょうがないか。」
「ワンワン。」
「そうだよな。俺は、誡さんと海人さんを伊勢家のお墓に納めることを決めたんだ。今、俺のやることは、悩むことじゃあない。墓を見つけるんだよな。」
「ワン。」
「明日、洞窟へ行ってみよう。時は来ても、順番があったのかもな。なんだか、明日は奥に行けそうな気がするんだ。」
「ワンワン。」
「パタパタ。」
ケンタもブラウニーも頑張れと言っているようだ。
本日も、快晴。
ブラウニーも誘ったが、首を横に振った。だから、留守を任せ、ケン太と洞窟へ出発だ。ケン太は、湧水で、いつものルーティンだ。お花畑で果物をいただく。お墓を見つけた時の為に、数本の花と果物をいただく。
勘太は絶対洞窟が伊勢家の墓だと思う。なので道を歩きやすいように木の枝や草を除きながら登っていく。
「少しの枝や草を切らせてもらいます。」
「ワンワン。」
切る前に、ケン太と一緒に山に許しを請う勘太だ。そのおかげか、勘太の通った後は、歩きやすくなっているようだ。
洞窟に、梯子を使って登る。ケンタは、一飛びだ。ケン太の運動神経がうらやましい。
洞窟に入ったら、前とは違うことに気が付いた。あのとがった空気が無いんだ。奥にも行ける。ただ、当たり前だが暗いんだ。急いで、ヘッドライトを装着する。ケン太用も用意しといたので、ケン太の頭にも装着する。外れてもいいように付け方を練習していた。外れても、ケン太がどこにいるのかわかれば良いんだ。ケン太とはぐれるのは、勘弁だ。
ケン太は、暗くてもずんずん奥に進む。俺は、少し腰が引けている。ケン太にリールをつけておけばよかったと反省した。
「ケン太、俺を置いてくなよ。どこにいる。」
「ワンワン。」
俺の呼びかけにケンタが応え、側に戻ってきてくれた。
「ケン太、どっちに行けばいいんだ。俺は暗くてよくわからないんだ。案内してくれ。」
「ワン。」
どのくらい歩いたのだろう、暗くて全く見当がつかない。それでも、ケン太の案内とヘッドライトの光を頼りに、奥に進む。ケン太が立ち止まった。
「ケン太、どうした。」
「ワンワン。」
ケン太の声が違う。ここなのか?急にケン太が走り出した。俺はケン太の明かりを頼りに後を追う。後を追うが、光が右に折れてその光が無くなった。
俺は、慎重に進む。洞窟の道は右に直角に曲がっていた。
その先にケン太はいた。
ケン太のたどり着いたところは、明るかった。眩しさはなく、目に優しい明るさだ。明るいだけじゃあない。
「ケン太、ここが………。」
「ワオ~ン………。」
やっと、見つけた。
読んでいただいて、ありがとうございます。




