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じいちゃんの飼っていた犬が新種だった。でも、なんだか、おかしい????????  作者: 田舎娘


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 35 じいちゃんとばあちゃんの思い

 カーテンの向こうには、とんでもない物が二つ、山を見守るように、置かれていた。


 俺は咄嗟に思った。この二人は海人さんと父親の誡さんだ。山を見守り続けていたんだ。


『私には、呪いの物語にしか思えない』

 誡さんの息子はそう言っていた。弟の海人さんは、ばあちゃんはどう思っていたんだろう。家に縛られていたのか?重荷だったのか。でも、

「ばあちゃんは、ここに帰ってきたんだよな。じいちゃんも終の棲家をここにしたんだ。その気持ちが大事だよな。」

「ワン。」

 だから、二人にはしばらくここに居てもらうことにした。

 伊勢家のお墓はどこにあるんだろう。



 伯父さん達が来ることになっていた。先生の昔話のことだ。鍵のこともある。叔父さんが知らないことをしっているのか?伯父さんは、長男だし知っているかも。おふくろは?

 いろいろ考えてしまう。今は、考えるのをやめよう。事実だけを吟味するんだ。今なら、異世界とかを眉唾な世界とは思わないで考えられる。


 二階から降りてきたら、伯父さん達も丁度来た。伯父さんが何やら書類を持っている。何か見つかったのかな。


 話の前に、おふくろに電話をするよう言われる。スマホをテレビ電話にした。

「勘太、正直に言おう。俺たち兄弟は伊勢家のことは、何も知らない。だが、単なるお伽話として聞いたことはある。」

「私もあるわ。面白い話ね、で終わったけどね。」

「俺は聞いたことがないぞ。」

 一人、末っ子の叔父さんだけが、反論する。

「貴方は、まだ小学校だったし、興味が無かったから覚えていないだけよ。私が聞いたのは中学生の頃だったかしら。その時、一緒にいたわよ。」

「俺もその頃だな。思えば、その頃からおふくろとおやじとの仲が悪くなった気がする。」


 ただ、伯父さんは、むかしむかしの恋物語は覚えがないと言う。おふくろも同じだ。先生は、恋物語は長男のみに語り継がれる伝承だと言う。海人さんも知らなかったのかもしれない。


 じいちゃんは、山に移る前はいまの伯父さんちに住んでいた。おふくろもそこで育った。それぞれ独立し、他の地に居をかまえたらしい。なぜか、じいちゃんが都会に出ることを進めていたらしい。

 ばあちゃんは、実家の話をほとんどしなかったので、お伽話は単なる昔話として聞いていた。


「だがな、家の中におやじの物が残ってたから、ひっくり返して調べてみた。」

 伯父さんが、持参した書類を広げて説明する。

 ばあちゃんが、家を出たのは、おふくろが高校生の時。急にいなくなったらしい。子供達は、不安で警察に届を出そうとじいちゃんに迫ったらしいが、じいちゃんは、

「気が済めば帰ってくるだろう。」

 心配する様子が無かったらしい。

「今、思えばおかしいわよね。」

「母さんが、山を相続したころだろう。俺たちのじいちゃんだよな。死んだの。」

「葬式なんてなっかったよな。」

「葬式どころか、おじいちゃんが居たことも知らなかったわよ。」

 三兄弟は、ため息だ。


「父さんの残した書類なんだが、少しく詳しく書いてあるんだ。」

 別居中でも二人は交流があったらしい。その中に、

『伊勢家のお墓がどこにあるかわからないから、納骨もできない。帰れない。鍵さえあれば。』

 多分、ばあちゃんの言葉だろう。そんな前からお墓の所在がわかんなかったのか。

「お母さんは、帰るつもりがあったのね。」

 おふくろは、そのことに安堵している。

「そうだな、俺たちは、捨てられたわけではなっかったんだな。」

「じゃあ、海人爺ちゃんはどこに収められたんだ。伊勢家の墓だろう。」

 三人とも伊勢家の墓は知らないらしい。


「勘太。鍵なんだが、先生に返してもらった鍵がそれなんじゃあないか。」

「俺もそう思います。でも、どこかわかりません。それから、案内したいとこがあるんですが、伯父さんの話をもう少し聞きたいです。」


「そうだな。だが、この後は、離婚のことだ。」

 じいちゃん夫婦は、長く別居していたことと、ばあちゃんが突然家を出たことで、ばあちゃんの有責で離婚。離婚の際、慰謝料として山と付随するすべてをじいちゃんが貰ったらしい。この時には、ばあちゃんは死を覚悟していたらしい。

「母さんは、全てを父さんに託したんだろう。」

「まって、私たちの存在は?私たちに財産を残したくなかったの。もらいたくもないけど、忘れられてしまったの?」

「落ち着け。死後の相続だと税金がかかる。慰謝料はかかんないんだよ。色々考えたんだろう。」

「それにしたって、死ぬ時ぐらい知らせてよ。教えて欲しかったわ。」

「まあな。」


 じいちゃんは、あまりに、ばあちゃんが実家を大切にするので疑問に思い、山に住むことにした。最後の二行に


【なぜ、あれほどに山に家にこだわるのだろう。】

【見つけた。俺が守ろう。】


「詳しいことは書いてない。父さんは、何を見つけたんだろうな。」

 何となく俺にはわかる。ここに住んだ者しかわからないであろう心情だ。

「勘太、あんた、何か知ってるんでしょう。正直に白状しなさい。母親命令よ。」


 俺は、三人を海人さん親子の所に案内した。


「なんと。」

「勘太。」

「………。」


「さっき見つけた。伊勢誡さんと海人さんだと思う。」

「ワン。」




読んでいただいて、ありがとうございます。

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