18 仏壇の置き場所
仏壇をどこに置こうか。迷った。
家は平屋だ。外からは二階もあるように見えるんだが、あるのはロフトルームだ。まあ、屋根裏部屋だ。天井までの高さはないが、窓もついていて、そこから庭や裏山が良く見えるんだ。今のところ、ここを俺とケンタの寝室にしている。だから、居間に仏壇を置いても邪魔にはならない。
でも、おふくろが、言うんだ。
「どこでも好きなところに置きなさい。今は良いけど、仏壇とか大きな家具は、どこに置いても邪魔になるのよ。だから、クローゼットが大きいマンションが人気があるのよ。」
勝手な持論を披露された。おやじまで、
「一見粗末に扱っているふうに感じるだろうが、庭も山も見える。二人にとっては良い場所だと思うぞ。」
確かに。居間では外は見えない。それに、押し入れのあそこだけ、空だったんだ。
実は、昨日三兄弟が惚けていた時、伯母さん二人で、他の押し入れを調べていたんだ。中身を全部だしてはいないが、ケンタをつれて
「ケンタ、変な臭いがしたら教えてね。」
いろいろ荷物があったが、異常なしだった。俺も押し入れまで整理が追い付かないから、助かったんだが、俺の寝室まで調べようとしたから焦った。止める俺に、
「勘太君も男の子なのね。」
見透かされている。あそこには、兄貴が送ってくれた荷物がそのまま置いてあるんだ。見られたらとんでもない。伯母さん達は、引き下がってくれた。
取り合えず、候補をいくつか考えた。一つは、縁側にある押し入れだ。ここが何も入っていなかった庭の見える押し入れだ。どうしてこんなところにと思う場所だが、あるから候補に入れた。後は居間だ。他は、その他の部屋だ。どこにおいても、俺には邪魔にならない。仏壇を見てから決めようかな。
伯父さん達は、早々に仏壇を買ってきた。置き場所は庭の見える押し入れだ。サイズが、ピッタリだったんだよ。おふくろが連絡したかと思ったが、そうではなかった。伯父さん達も、
「ここに置いてくれって言ってるみたいだ。」
「来るのは身内だけだ。文句言う奴なんていないさ。」
仏壇にじいちゃんとばあちゃんの位牌が並んでいる。
「離婚したんだよね。一緒で良いのかなあ。」
俺の疑問だ。
「嫌いだったら、ここに引っ越してこないだろう。」
「そうそう、嫌いだったら、無縁仏として処理してるだろうよ。」
「細かいことは、気にするな。」
「子供の俺たちが、ここに決めたんだ。」
伯父さん達の言葉は、俺の気持ちを軽くしてくれた。
「悪いんだが、今度の日曜に、母さんの供養をしたいんだ。」
「爺さんの時と同じメンバーだがな。」
じいちゃんとばあちゃんの家でするんだ。もちろん大賛成。料理は、伯母さん達が用意してくれるらしい。俺は、何もしなくていいみたいだ。でも、サラダや果物くらい用意しよう。
今日は、朝からいい天気だ。ケンタと二階から裏山を眺める。
じいちゃんとばあちゃんも、同じ風景を見てるんだろうな。
「ケンタ。いい眺めだな。」
「ワン。」
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