15 再度のお通夜
叔父さん達は、微動だにしない。
しばらくすると、伯母さん達が来た。旦那さんを見て、俺を見て、顎をクイッとした。俺は台所に呼び出された。
俺は、包み隠さず話した。そして、今日まで気が付かなかったことを詫びた。
「勘太君のせいじゃあないわ。誰も気が付かなかったんだから。」
「ばあちゃんは……。」
「私たちも、詳しいことは知らないのよ。それより、お母さんに連絡した?」
「した方が良いですよね。」
「しなさい。実は、生きているか死んでいるかわからなかったようだから。」
「私がしましょうか?」
この報告は、俺がしないといけないような気がする。
「もしもし、母さん。・・・・・」
途中で、父さんと変わった。
「明日の飛行機に乗せる。時間がハッキリしたら知らせるから、迎えは頼むぞ。」
「勘太君、悪いけど伯父さん達を頼むわね。」
「何にもしなくていいから。」
伯母さん達は、帰って行った。
何もしなくていいって言うけど…。
俺は、お酒を用意して、おちょこは4つテーブルに置いた。
「すまんな。」
「いただくよ。」
伯父さん達は、4つのおちょこに酒を注ぎ、無言で乾杯?献杯?をしている。
俺は、挨拶することなく自分の部屋とした寝室にケンタとこもった。なぜか、伯父さん達の邪魔をしたくなかった。かすかに鈴の音が聞こえた。きっと、風で猫じゃらしが揺れたんだろう。でも、その鈴の音は、悲しそうだった。
いつの間にか、寝ていたようだ。おやじからの電話で起こされた。
「迎えは、よろしくな。伯父さん達は?」
昨夜、ここに泊まり、二人で酒を飲みながら送っていたことを伝える。
「そうか。勘太。父さんも、仕事の算段が付いたらすぐにそっちに行くから、それまで、母さんを頼むぞ。」
「父さん……。」
「詳しいことは、そっちでだ。頼むぞ。」
ばあちゃんて・・・。
気になるが、早く出ないと飛行機がついてしまう。伯父さん達に伝えようとしたが、じいちゃんとばあちゃんの前で寝ていた。
【母さんを迎えに行ってきます。】
走り書きだが、伝言を残して空港に向かった。ケンタは、当然のようについてきた。なんだか一人でいたくなかったから、ケンタの存在は大きい。
空港には、飛行機が着く前に着くことができた。しかし、おふくろはなかなか出てこない。最後かもと待っていたが、こない。母さんの電話は、電源が切られていた。父さんに連絡しようとしたら、空港の制服を着た人に声を掛けられた。
「日吉さんですか。」
「はい。」
「お母様を保護しております。救護室へお越しいただけますか。」
おふくろは、降りる時、気を失ったらしい。
「母さん。」
「勘太。悪いわね。大丈夫よ。ただ、驚いただけだから。早く行きましょう。」
皆さんにお礼を言って、車に戻る。この空港は、地方空港で小さいから、犬を連れて歩いても大丈夫だった。ケンタは、おふくろを見るなり、近づいて、
「クウ~ン。」
と、手をなめていた。
「ケンタ。大丈夫よ。早く帰りましょうね。」
少し、元気になったようだ。
車の中では、おふくろはしゃべらない。おしゃべりが好きな人なのに、余程ばあちゃんのことが堪えているらしい。そばでケンタがおふくろを慰めている。
ただ、質問された。
「兄さんたちは……。」
「昨夜、4人で飲んでた。」
「そう。」
なんか、おふくろも伯父さん達もばあちゃんが死んだことを知らなかったような様子だ。
聞きたいけど、今は聞けない。早く、家に帰ろう。
「ケンタ、母さんを頼むぞ。」
「ワン。」
読んでいただいて、ありがとうございます。




