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じいちゃんの飼っていた犬が新種だった。でも、なんだか、おかしい????????  作者: 田舎娘


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13/27

 13 ケンタのワクチン

 収穫のリズムもわかってきて、余裕ができた。慣れたのもあるだろうが、良かった。


 久しぶりに、公園でまったりしてたら、小さい子が近づいてきてケンタに触ろうとしたんだ。ケンタは人を嚙みつくことはしないけど、お母さんらしき人が、

「さわたら駄目よ。かまれたら病気が移るかもしれないんだから。」

 ムッとしたが、ケンタのワクチン事情は、全く知らない。これは、調べないと。


 とにかく、この地に動物病院があるかだ。あっても、ネットに挙げていない可能性もある。やっぱり伯父さんかな。なんだか、伯父さんに頼ってばかりだ。申し訳ないな。で、獣医さんはいた。なんと、農協職員と保健所職員だった。おれ、農協のファンになったかも。

 保健所はわかる。農協は?

「酪農家もかなりいるんです。その人たちの為です。」

 そうだよ。ペットだけが動物ではないんだよ。納得だ。


 農協で調べてもらったら、ワクチンは打っていないらしい。すぐに打ってもらった。これで1年は安心だ。ケンタには、痛い思いをさせたけど、仕方ない。だが、獣医さんがケンタに興味を持ってしまった。この獣医さんは、元々保健所の職員で、たまたま農協さんの獣医さんがお休みだったので臨時にお願いしたらしい。


「どこで保護した。買ったのか。」

「ケンタは、祖父の犬でした。私は引き継いだだけです。だから、わかりません。」

 と、言っているに

「犬ではない特徴がある。何と掛け合わせた?」

 うるさい、うるさい。

 人の話を聞いてくれない。とうとう、農協に苦情を言ってしまった。


「あの人は、仕事は優秀なんですが、興味のあることにはとことん調べるんですよ。でも、ケンタって野良犬だったんですよね。」

「そうみたいです。隣のおじさんが言ってました。」

「雑種なら、いろいろ混じっててもおかしくないですよ。うちからも良く言っておきます。」

「よろしくお願いします。」


 終わらなかった。あの先生、ケンタのワクチンに使った針の先に付いた体液を調べやがった。

「日吉さん、ケンタ君はやっぱり新種の可能性がありますよ。もっと詳しく調べましょうよ。」

「お断りします。」


 再度、農協経由で保健所に苦情を入れた。そのせいか、もう少しで解雇されそうだったらしい。飼い主の許可も取らずにケンタの遺伝子を調べたんだから当然だ。でも、田舎の獣医は貴重らしく厳重注意だって。ケンタの新種説は、雑種だしきちんと採血した訳ではないので、どっかで他の動物が混じったんだろうとなった。ワクチンの有無の血液は、検査で使い切ってすぐに棄てられていたらしい。


 ただ、あの獣医さんだけは、ケンタが新種だと信じているようだ。町に下りている時に、ケンタを見つけると必ず声を掛けてくる。わずらわしいので、相手にしていない。ケンタまで無視を決めている。

 迷惑な人だ。

「ケンタは、新種だろうと、じいちゃんの犬で、今は俺の相棒だ。」

「ワン。」


 ある日、俺んちまで突撃してきた。その頃には、伯父さん達のおかげでりっぱんフェンスと門扉が出来上がっていて、所有地に入られることは無かった。フェンスと門扉は立派なもので驚いた。門は、リモコンで開くんだ。ちゃんと大きな車も出入りできるような大きさだ。上から、シャッターが下りてくるんだ。これで、夜も昼も安心だと思ったんだ。安心を検証できて良かった。

 獣医さんは、1度の突撃であきらめたようだ。フェンスも両隣の国有地までシッカリあるしね。


「ケンタ。これで安心だな。」

「ワン、ワン。」



読んでいただいて、ありがとうございます。

次回は、大変なことが起こります。

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