ラベンダースティック
食事とおしゃべりが終わり、ラベンダースティック作りが始まった。じゃがいも掘りの体験と二手に分かれた。
「ジュンジさん、ポテトチームですか?」
「なっちゃん、ラベンダーチーム、キャンセル?」
「だって〜。」
と笑顔をふりまきじゃがいも掘りになっちゃんは、行ってしまった。
予測通り女性ばかり7人がラベンダースティック作りにチャレンジする。
「けっこう細かい作業ですよね。」と不安な声も
「大丈夫ですよ。しっかりサポートして行きますから。」と笑顔で佐々木が材料を配りながら返した。
ラベンダーの香りが漂い始めた。実際に前もってスタッフは、お土産にと何本か作っていた。
「ラベンダーと言ったら、どこを連想しますか?」
「北海道」「富良野」と声が上がった。
「そうですね。北海道のラベンダー畑と聞いたら行きたくなりますね。
一面に広がるラベンダー畑を写真に撮り、カレンダーにしたのは、何年前かしらね。デスカバージャパン。懐かしい〜。」
「ポスターじゃない?」
「あら?」
若い方達は、さっぱり分からない顔をしている。
「さて、このラベンダーは、七瀬さんのお庭から頂いたラバンディン系のラベンダーです。先日切り取らせて頂き、少し乾かしました。出来上がってお持ち帰りになったらご自宅でも風通し良いところで乾燥させてくださいね。」
と佐々木が始めた。
「では、配られたラベンダーを束ねてお持ち下さい。花の下を揃えて頂き、上の方は、バラバラでけっこうです。その押さえているところを仮止めしましょう。」
佐々木の歯切れのいい説明に加えスタッフが後ろにつき、アドバイスしながら進めていった。
「選んだリボンと同じ色の糸で花穂をまとめていきます。花穂をやんわり、糸でくるくる巻いて下さいね。
次は、先程仮止めした所にリボンを巻ます。
そこから、茎を2本ずつ曲げていき、リボン編みのスタートです。」
茎が折れてしまいそうで恐る恐るの手つきだった。
「ゆっくりやっていきましょうね。」
皆、無言のまま進めていたが、色とりどりのリボンを巻き始めると少しほっとしたのか、表情がほぐれてきた。それと共に心も緩むのか、皆が自分の話しを始めた。
「私は、やっと介護生活を卒業したから、少しゆっくり暮らしたくて今日、参加してみたんです。主人とふたりで暮らして行かれると良いんですけれどね。」
「私は、転職考えているんです。ここに移住したら、どんなお仕事あるかしら。」
そこに村長が、
「私も移住して来ました。
失恋して何か自分を変えたかったんです。
まるで環境が変わるって楽しいですよ。生まれ変わった感じでしたよ。」
その言葉に皆が驚いた。
「村長、そうだったんですか!
初めて聞いたわ。」
「もし、ここに住んだら、じゃがいももいいけどさつまいもでスィートポテトを作りたいな。さつまいもの方が楽に作れる気がするしね。」
「私は、このラベンダーを沢山育てて香水をつくりたいわ。」
「ラベンダーの香りってリラックス効果があるから、この村の人達って争いが少ないのかしらね。」
夢のある話が始まった。
「可愛らしくなってきたわ。出来上がったら、インスタグラムにアップしようね。なっちゃんに自慢しなきゃね。」
そこへ可愛い声が飛び込んできた。
「ママ!じゃがいもいっぱいだよ。土の中にいっぱいあったよ。」
「あらあら、おおきいのね。」と返事をすると
「ママ、いつ引っ越してくるの?
ボク気に入ったよここ。
おっきなあじさいがいっぱいあってね。みんなこんにちわってしている、カバアジサイってあるんだよ。」
「カシワバアジサイの事です。」と側で七瀬が補足した。
「柏の様な形の葉で、花が重いので開花すると下向いてしまうんですよ。」
「ママ、ママ。ここいいよね。早く引っ越して来ようね。」
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