バーベキュー
夏がやって来た。
気温は、例年通り上がって来た。高齢者が、日中外を歩く事なくアサガオとゴーヤだけが元気だった。
夕涼みの時間もだんだん遅くなってしまっていた。
それでも今年は、違う。
ニ件の空き家を使って移住体験合宿をしている。
幼稚園児から六十代の夫婦までの十人が集まった。
村人達は、沢山のアイデアを出し合いおもてなしをしている。
夕方になり、バーベキューを始めた。
勿論じゃがいもは、ホイルに包み網の上に乗せられた。
調理をしたり、食事をする時は、色々な性格が観察出来る。
肉を何度も裏返し焼く人。
たいして焼かずにほお張る人。
おしゃべりに夢中な人。
野菜はがり焼いたかと思うと、まわりの人のお皿に取り分けている人。
アルコールも入りおしゃべりが盛んになってきた。
肉ばかり食べている渡辺に栗林が軽い口調で声をかけてみた。
「どおです、ここで暮らしませんか?恋女房と一緒に。」
笑い声が上がった。
「あははぁ。
栗林さん、よくお分かりですね。アキヨと色々探しているんです。
老後の住まいを。」
「老後など先の事でなく、来月どうです。」と栗林が言うと。
「私は、トラックドライバーだから何処でも大丈夫なんです。あと数年で定年ですしね。
私は、仕事柄夜不在が多いのでアキヨが気に入る安心出来る所が一番なんです。」
「なるほど。では、恋女房さんを皆で口説けば良いわけですね。」と栗林の言葉で周りに笑いが広かった。
「アキヨさん、どうです。移転決定権は、あなたにあるんですね。」
アキヨは、突然話がふられ慌てた顔になった。
「そうですね。あたたかい方ばかりなので心配は、あまりないですね。
まぁ、日常的なお買い物が、どの程度出来るのかが、気になりますね。
あとは、何か集まる機会があると皆さんと親しくなれそうですね。」
「競い合ってじゃがいもを育てていましてね。
それぞれの知恵を出し合い楽しい集まりになっていますよ。
キッチンカーのコロッケは、食べて頂いたかな。」
「コロッケサンドイッチおいしかったよね。
おばちゃん達、ここに住むの?
パパ、ママ、ボク達は、いつ引っ越しなの?」
「あら、たぁ坊は、本当にこの村がお気に入りね。」
「だってお星様いっぱいだもの。ボクあんなにスイスイ動くお星様、初めて見たよ。」
たぁ坊の指差すむこうでスイスイ動くのは、ホタルだった。
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