表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『初級魔術しか使えない俺が、なぜか最強に近づいている』  作者: 北こたろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/65

昔の自分


 ユウトの表情が固まった。


「じいちゃんに勝てた?」


 小さなユウトは笑っている。


 純粋だった。


 ただ純粋に聞いている。


 昔の自分だから。


 ユウトは答えられなかった。


「……まだだ」


「えー!」


 小さなユウトが驚く。


「未来なのに?」


「未来だからって勝てるわけじゃない」


「そうなのか」


 納得していない顔だった。


 その顔を見て。


 ユウトは少しだけ笑った。


 懐かしかった。


 本当に。


 その時。


「ユウト!」


 家の中から母親の声。


「早くご飯!」


「今行くー!」


 小さなユウトが返事をする。


 そして。


 家へ向かおうとして。


 また止まった。


「なあ」


 振り返る。


「未来の俺」


 ユウトが顔を上げる。


 小さなユウトは笑っていた。


「強くなるの楽しい?」


 風が止まる。


 王の気配も。


 景色も。


 一瞬だけ遠くなる。


 ユウトは言葉を失った。


 昔なら。


 迷わず答えていた。


 でも今は違う。


 苦しいこともあった。


 怖いこともあった。


 失いかけたこともあった。


 それでも。


 ユウトはゆっくり笑った。


「楽しいぞ」


 小さなユウトが嬉しそうに笑う。


「そっか!」


 そして。


 何の迷いもなく家へ走った。


 その背中を見ながら。


 ユウトは気付く。


 第二試練が。


 まだ始まったばかりだということに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ