7話 私の能力
この世界の人も、同じような生活リズムなんだ。――昨日、ルリさんと過ごして感じたこと。
目を開くと、そこにはルリさんが立っていた。
「おはようございます!ミカさん」
「おはようございます。寝起き、いいんですね」
「ええ、トマトに、水やりをしに行きましょう」
ルリさんは、私より早く起床したみたい。着替えも済ませていた。
この家には、お風呂がない。入りたかったなー、王城なら、あるのかな?
「そうですね」
「スキルの影響も出ているかもしれませんよ」
そう言って、開いた。縁側に面する障子を。
「えぇ!?」
驚愕の表情を浮かべている。
「どうかしましたか? 一日二日では芽は出ないと思いますよ」
私も、居間に入る。陽の光が差し込んできて、気持ちいい。
「見てください。もう、あんなに成長していますよ?」
「本当ですね」
平静を装っているが、内心すごく驚いている。でも、隣に蒔いたルリさんの方も芽が出てるから、そもそも成長が早いのかな?
「すごいですよ。このペースだったら、明後日には収穫できるかも!?」
でも、『栽培』が強いのか『職業:勇者』が強いのかわからないね。
ルリさんが驚愕しすぎて、何やら観察までし始めているが……。
「支柱、建てますか?」
「そうですね!! 建てましょう!!」
支柱を立てた後、2人で糸を使って誘引していく。この作業は、中学の技術科以来だ。
「ふぅ。これで大丈夫ですよね?」
「はい。十分でしょう。何なら、過剰に結びつけてしまってもいいくらいかもしれません」
急成長したからね。明日もそうなるとは限らないけど。
「ルリさんの方も、いくつか芽が出ているみたいですね」
「はい。素人がやっても変わりませんよ」
つまり、ルリさんの技術やスキルは関係ないということか。
「私が元いた世界では、数日経ってから芽が出てたんですよね」
「『一日二日では芽は出ない』って言ってましたもんね。こちらの世界のほうが、もともと成長が早いのかもしれません」
その可能性はあるね。1日で芽が出るとは驚きだ。かわいい双葉が出ています。
「そうですね」
「ルリさん、王城に招待されましたよね? 魔王様に合わす以外にも目的があると思うんです」
「それは?」
「私も呼んだこともふまえると、おそらく作物の栽培依頼だと思うんです」
「そうかも知れないですね」
「だから、畑を、いや、田を作りませんか?」
「あなたは私が稲作を頼まれると思っているのですね」
妥当だね。わざわざ、ルリさんを呼ぶことにも説明がつく。決して護衛ではないと思うのだ。
「はい。お米は、あなたの世界でも、重要な食べ物なのではないですか?」
「どうしてそう思ったんですか」
「お米を炊くときの動きですよ。パンが主食の国民はそうはいきまん」
「正解です。よく動きを見ていますね」
「私よりも慣れているご様子でした。洗練されていますね」
「では、さっきの提案にお答えします。作っておいたほうが良いでしょう」
「ありがとうございます。違ってたら、すみません」
「私もそうだろうなと思っていたんですよ。どのくらいの広さの田んぼにしますか?」
「多くを頼まれると思うので、土地の半分くらいを使ってしまっても良いでしょう」
「そうですね、はじめましょうか」




