25話 精米の時間
あれだよ。あれ、唐箕を使うんだよ。
唐箕ってのは、風の力で籾と葉や藁くずを分別する道具……だった気がする。
「籾を選別します!」
「お〜」
とりあえず、私がハンドルを回す分担になった。
ルリが唐箕の上にある漏斗に籾を入れ、私が気風洞という部分についたハンドルを回し、唐箕の中に風を送る。
すると選別口から籾と葉や藁くずが分別されて出てくる。
便利ね。
仕組みとしては籾は重いからそのまま落ちるんだけど、葉や藁くずなんかは風を受けて別の分別口から出てくるってこと。
ただ、籾の量は結構あるから、そこそこ時間は掛かりそう。
あと、普通にハンドルを回すのも大変だ。一定の速さで回さないと選別にむらが出てしまうみたいで、速度を維持するのは疲れる。
そりゃあ、『収納』から木箱を出して、唐箕に入れているルリも大変だと思うよ。
まぁ、ちょっとずつ交代してすればいいね。
◇◆◆◆◇
なんやかんやで、昼過ぎには終わらせられた。早めに始めたのが良かったね。
「じゃあ、王城の方に持っていきますか」
「そうだね」
箱に詰めた籾を持って、王城に向かう。
王城では、水車でこの籾を玄米にできるらしい。
ちなみに、この近くにも水車があるらしく、そこでも玄米に加工できるんだけど、とりあえず王城に持っていって食べてみようってことになった。
ただ、こうして歩いていると、『収納』というスキルの利便性を大きく感じる。
異世界転生もののバックパック系のスキルって、あんまり持ってる人って多くないイメージだけど、この世界ではかなり多くの人が『収納』を持っているようだ。
逆に、持っていない少数の人はかなりの不便を強いられるんじゃないかな。
スキルは便利だけど、当たり前だとは思わないほうがいいね。
とまあ、特に何事もなく王城に着いた。
「あら。もう持ってきてくれたの?」
あ、シノさんこんにちは。
「はい」
「あなたのスキルは優秀ね」
まあ、そうだね。
「じゃあ、ミカさん。水車はあっちです」
ルリが案内してくれる。
王城の一つの部屋に、水車のある部屋があった。
隣を流れる川の上にあって、ここで脱穀ができるみたいだ。
「こっちに入れると白米に、反対側は玄米にできます」
壁に開けられた穴を指さして、ルリが説明する。
多分、多少工程が違うのかな?
とりあえず、白米が食べたい。
「納品の方は?」
「玄米ですね」
ああ。やっぱり?
食糧難だから少しでも栄養を取るために玄米にしておくんだろうね。
自分たちで食べる分だけ、白米にしようかな。
稲を植えてから今日で十日。いくらなんでも早すぎる。
『収納』から箱を取り出して、穴に籾を入れていく。
でも、こういうところは魔法とかスキルとかじゃないんだね。
たくさん入れたから時間がかかるみたいで、炊けば五合ほどになるくらいのお米を、先にシノさんに渡しに行く。
「食べてみるわ。後で食堂にいらっしゃい」
「わかりました」
シノさんは頬を緩めて、食堂に向かった。




