表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/14

13話 冒険者の調査

 3日ほどたった。


 トマトは、順調に実ってきている。


 でも、ちょっとづつ収穫していて気づいたのは、トマトの実が心做しかちょっと小さくて、生っている数も少ない感じ。


 トマトとプチトマトの中間くらいの大きさだ。


 今はプチトマトってないんだっけ?


 お米の方も順調そうで、スキルの影響でかなり早く生育しているらしい。


 ルリが言うには、収穫した後も大変らしいけど。


 八十八も手間を掛けているわけではない。実際十もあるか怪しいくらいだ。水精生機と私のスキルによって、ほとんど手をつけていない。害虫などもあんまりいないし、冷害の影響も、スキルによって緩和されているらしい。


「明日には収穫できそうですよ」


「ほんと? 明日は大変かもね」


 脱穀や籾殻を取る作業に、選別までしなきゃいけない。


 頑張らなきゃね。


 ◇◆◆◆◇


「あんたらも大変そうだよなぁ」


 レセニア王城の応接室で、豪華な椅子に座る、一人の、茶髪の男。


 肩や腕に鎧を纏い、腰には探検を装備している。


「デリーセル、貴方には本当に感謝しています」


 その男はデリーセル。所謂、『冒険家』で、どこかの国に属しているわけではない。


 対面にはシノが座る。品はあるが、表情に余裕は見られない。


「もっと人手がいたらいいんだが」


「仕方のないことです。それで、モンデリアの様子は?」


「混乱してる。戦争賛成派と反対派で国内が割れてて、賛成派の暴走で、文書を送ったみたいだった」


 自身の目で見てきた情報を、そのままシノに伝える。


「すると……」


 戦争が怒らない場合もある。と、甘い想像をする。


「そう考えたい気持ちはわかるんだが、2週間前、モンデリア王の差し金で、反対派の指導者であるアクスが殺された」


「つまり……」


「賛成派の影響力が更に強くなったんだ。弾圧によって粛清される恐怖は、瞬く間に広まった」


 その事実はレセニアにとって好ましくない。できれば、戦争が始まる前に解決したいおのだが、そう上手くはいかない。


「反対派の人間がどう動くかによって変わってくるんじゃないか?」


 今まで口を閉ざしていたエリカが言う。


「ちょっと、エリカ!」


「いいさ。俺自身、そこまで偉い御身分じゃないもので」


 飄々とした態度で応じる。


「さっき言ったように、弾圧を恐れて賛成派に鞍替えする者や、トライソート側の侵攻を懸念して、亡命する者、この状況でもまだ闘う者、賛成派を打ち倒すべく外部に協力を求める者など、様々だ」


「では、亡命する者を受け入れるべきではないか?相手の兵力を下げるためにも」


「それは無理でしょう?裏切りのリスクもありますよ」


「それこそ、ホワシー魔王国で受け入れたらどうだろうか?」


 エリカの提案は的確だ。ホワシー魔王国は、軍人も強く、食料や土地も多くあるので、亡命者を受け入れるのには適している。裏切りのリスクもレセニア王国で受け入れるよりも格段に減る。


「そういえば、魔王シルブレアは他人を“診る”ことができたんじゃなかったか?」


「それは……、シルブレアに迷惑でしょう?」


 直球すぎる正論をぶつけられて、仕方なく、了承しそうになる。


「次会ったときに聞くとしよう。デリーセルは、再度状況を調べておいてくれ」


「ちょっとエリカ、度が過ぎてるわ。失礼でしょう?」


「その方向性で行こう。亡命したい者の状況の収集を重点的にしよう」


 エリカが完全に会議を掌握してしまっている。


「すみません。くれぐれも、無茶をなさらぬように」


 シノは身勝手な秘書に、ペースを乱される。


「言われなくても。じゃあな」


 飄々とした冒険家は、その場を立ち去る。戦争を未然に防ぐ、そのことも、念頭に置きながら……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ