表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才ラーメン王、全てを失い異世界で無双する  作者: とみた美味いろは


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/39

ベン&ケイ、未開拓地潜入

《天海聖暦769年》


 ゴウの謁見の日から数日後、国の北側にある未開拓地沿岸に漁船に乗って潜入したのはベンとケイを中心とした調査隊だ2人に加えて元近衛兵で今は漁師をしている4人の合6名のメンバーで秘密裏に組織された。


◦◦◦◦◦◦◦◦◦◦◦◦


 ベンとケイはゴウの謁見の日、最後に残ってアーサー第一王子から密命を受けた。アーサー王子は、優秀で切れ者、洞察力、判断力、全てに抜群の才があるとの評判で、ベルナード王の信頼も厚い。その王子より緊急の要請があった。


「先ほどの話の悪徳組織SSCと極秘契約をしている「ある国」は、一つの国ではなく2国以上、おそらく数か国が関係していると推測する。長期的にSSCと契約出来る金を1国で用意出来る国は、オーバス共和国やメルガ王国、そしてガーレル帝国などの大国しかない。しかし、この大国はそんな事をする必要が無いほど豊かだ。そう考えると中規模国家と小規模国家が怪しい。その国家を書き出した。この私のメモを見てくれ」


*********************アーサーメモ******************

【大国…3つの巨大国家によって世界の平和バランスが保たれている】

オーパス共和国…世界一の広い国土 豊かな大地 世界一の貿易力

メルガ王国…世界一の人口を待つ 王国の中の王国と言われている 長い歴史を持つ

ガーレル帝国…世界一の軍事力を誇る 世界中ら軍事訓練・指導の要請が来る


【中規模国家…国力の差が大きい 中規模国家同士の衝突が多い、戦争の火種】

トラキール帝国…他国との軍事衝突が絶えない 金山があり豊かな資金力 ●●●

ドラン皇国…ドラン正教信仰国 他国との宗教対立が多い

スフィア共和国…貧しい農業国 穏やかな国民性

ネルラ王国…王制独裁政治で国民が疲弊している


【小規模国家…島国が多い 比較的貧しい国が多い】

シーメル王国…かなり大きな島国 穏やかな国民性

ガイロ王国連邦…3つの島国からなる連邦 島国間での争いが絶えない 貧しい ●

エビランド4国連合…島国の合体政治体制が不安 貧しい ●

キノス共和国…不安定な政治体制の島国 貧しい ●

ミコノ諸島連合…17の島が連携して国のように政治統制している 比較的豊な国

オーミスト帝国…島国 武器の製造で有名で名刀の産地 戦争経験は一度もない

マスミ公国…オーバス共和国の半島の先の小さな国 避暑地で観光客が訪れる 豊か

カラコス王国…貧しい小さな島国 王制が崩壊し共和国になると噂がある ●

タール王国…政情不安な島国 貧しい ●

その他の国

******************************************************

 

「私が何度も考察した結果、トラキール帝国が資金力を活かしてSSCと契約したと結論づけた。なんせあの国の金鉱脈は無尽蔵にある。この帝国が陰に潜み政情不安な小国を動かしているはずだ。小国の資金力を強化して自国の政治を牛耳りたいという思惑と一致したと思う。この●を付けた国が怪しい」


「さすが、アーサー王子のご考察は説得力があります。それで私達は何をすればよいのでしょうか?」


「先日、とても気になる報告があった。我が国の北隣にある未開拓地の海岸沿いに多数の漁船が停泊していると。さらにその沖合に貨物船を数隻確認したという」


「以前見た時は海岸からは小高い丘以外は見えなかったが、トンネルが2本掘られていて、その先に何があるのか気になったという。そこであのハンターZが名前だけは知っていると『ニュー・エル・ドラード計画』と自白の中で言っていたのと合致した」


「つまり、トラキール帝国が自国の黄金を使って、グルメ理想郷を作る計画だと私は大胆な推測をした。しかし、まだ何の証拠もない。そこで内密に北の未開拓地に潜入し調査してきて欲しい。小高い山の向こうに何があるのかを…」

 

「かしこまりました。早速準備して調査に向かいます」

「久しぶりの国の任務であたいの腕がなります。王子お任せください」

 

「剣は不測の事態が起きた場合以外は使用禁止。あくまでも隠密調査で敵に見つかってはダメだ。トラキール帝国とSSCが相手だ、見つかったら生きて帰さないと奴らは必死になる。無事に戻って来ることが第一優先任務だ。気を付けて!」


◦◦◦◦◦◦


◇ニュー・エル・ドラード計画地潜入◇


 未開拓地の沿岸の海はトビウオの回遊ルートになっている。ベンは、このルートに浮き刺し網を設置して漁をしていれば偵察部隊とはバレないと考えた。実際に大量のトビウオが網にかかった。特大サイズばかりで直ぐに保管箱に溢れる量になり沿岸に向かった。


 他の漁船が停泊している場所から離れた岩場がある浜辺を選んだ。網の修理をしている振りをして夕刻まで待った。魚船は2日後に同じ場所に迎えにくるように指示して隊員1人を船に乗せて帰した。 


 ベン達は岩場の影で真夜中まで潜んだ。夜間になると灯火(とうか)を燈した漁船が沢山見えた。ケイが小声で「見張りだわ」と言ったがそれは違った。 


「あれは〔すくい漁〕だ。あの灯火は漁火(いさりび)だ」

「すくい漁、あたいは初めて見た。灯りが綺麗だわ」

 

 このすくい漁はトビウオの走光性を利用する。灯火の光を目指して集まってきたトビウオを網ですくって獲る漁法だ。


「そろそろ出発だ! 見つからないように注意して行くぞ」

 

 5人は岩陰から出て、無数の木の枝をかき分けながら小高い山を登った。尾根から少し下った林の中で夜明けを待った。ぼんやりと明るくなって見えた光景は新しい都市の建築現場だった。平らに造成した広大な土地に街路が正確に造られている。そこに建物の土台が並ぶ光景は壮観である。 


「ウワァー凄いな。まだ道路と建物の土台だけだが。あっ! 水路も作っているな」

「ベン、あれ見て、あっち。建物が数棟建っているよ」 

「見張の兵、結構な人数がいるな。ミネル、お前はあそこにいる兵と背格好がほぼ一緒だ。あの男を眠らせて、建物を偵察して来い」

 

 ミネルは、眠り薬草液を含んだ布を背後から男の口に押し当て眠らせ、男の兵隊服に着替えて建物を偵察した。どの建物も建築途中で仮設で建てている感じだ。建物の入り口には小さな表記のある木札が貼ってあった。


〘世界一のラーメン研究室〙

〘世界一のラーメン試食用レストラン〙

〘ニュー・エル・ドラード推進現地会議室〙


 その先の建物の表記を見ようとしたが、兵隊が多く集まって来ていたので断念した。奪った服を兵隊に着せ直した。眠らされた男は目が覚めても何があったか分からないはずだ。それから林の中で潜んでいるベンの部隊のところへ戻り報告した。


「やはり王子は凄いな、推測どおりだ。ラーメンとニュー・エル・ドラード、どちらも大当たり、調査目的達成だ。さあ帰るぞ」


 帰りも同じルートを通り、約束した浜辺の岩陰で迎えの舟を待った。しばらくして、何事もなく乗船し沖合に進んで皆がホッと一息ついた。しかし、他の漁船団から少し離れたところで漁火を燈しトビウオのすくい漁をしている漁船の近くを通った時に事件が起きた。すくい漁に見入ってしまった瞬間、その漁船から隠れていた数名の兵士が飛び移ってきた。


「お前たちここで何をしている、どこから来た。怪しい奴らだ」


「怪しいって何さ、あたい達は漁師で、ここの漁場の調査に来たのさ。それにここは漁業権が発生しない海域のはずさ。兵隊さんこそ、ここで何しているのさぁ? どこの国の兵隊なのさぁ? あんた達こそ怪しいね」


「うぅぅ 生意気なメスめ 斬れ!」

 

 数名でケイに斬りかかったが、簡単に素手で倒された。この兵団のリーダーらしき男は強さに驚き、剣を投げ捨て海に飛び込み逃げようとしたがベンに捕まった。


「女1人に男数名で斬りかかる命令を出すとは、お前は相当ゲスな野郎だなぁ。それに1人で逃げようとするとはお前は最低だ。さらに俺のカワイイ嫁さんをメスと呼ぶとは酷いな。もう一度言ったら俺がぶちのめす!」


 全員縛り上げ、王国に連れ帰り情報を聞き出すことにした。


 この一件で、王国にそのまま直ぐに帰るのは尾行の心配があり危険だ。しばらく海を放浪し予定より3日遅れで帰港した。


 ◦◦◦◦◦◦


「おー ベン、ケイ、心配したぞ」


 2人なら大丈夫だと思っても、相手が相手だから悪いことも考えてしまう。報告書を見た。残念ながら私の推測が当ってしまった。ラーメン戦争が勃発するのは間違いなさそうだ。大規模な都市づくりをしているようなので、完成まで5年どころかもっと期間が必要との予想報告は私も支持する。これは私の推測だが手始めに世界一のラーメンの街を宣言して、世界一のグルメ都市ニュー・エル・ドラード計画の足がかりにするつもりだと考える。


「そうなると、相手の出鼻をくじくのが一番。ゴウの天才ラーメン王としての手腕に頼るほかありません。私達もゴウを傍で見守り支援します」


「それと私からも報告がある。今回捕らえた兵士達の素性が分かった」


 自白キノコを使わずとも簡単に自白したが、念のためにキノコエキスを使って尋問をしたが同じだった。リーダーと2名の男は、トラキール帝国の軍人だ。リーダーの男はかなりの剣の使い手らしいが相手の力量を見極める目も鋭く、ケイの動きを見た瞬間に敵わないと悟ったと白状した。


 それから他の兵士の出身国が分かった。ガイロ王国連邦の兵士の男が1名、キノス共和国の兵士が男女1名ずつだ。これも推測した通りの国の兵だ。おそらくもっと違う国から来ている兵士もいるだろう。


「王子、あたい達はこれからトラキール帝国とその属国連合と戦うのですね。小国のグルンジ王国が多数の国と敵対することなど想像出来ませんでした。ゴウにこの話して早急に対策案を出させるようにしますか?」


「いや、それはしない。ゴウは転生者だ、過去に転生者は救世主として我が国を本当に救ってくれた。他国が連合してラーメン戦争を仕掛けてくる時に、天才ラーメン王が転生して来てくれたのは幸運だ。ゴウを信じることにした。1年待とう。プレッシャーを与えて美味い物を作らせるのは正解じゃない。全ての責任は私が取る。いいな」


「はい! 畏まりました」


「最後にもう一つ、ヤマモト・ナギサ様のことだ。1年間はゴウに話すな。それから情報がゴウに渡りそうになったら阻止してくれ。マリーの願い守ってくれ! 今日はこれまでだ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ